衆議院-安全保障委員会 2018年(平成30年)11月13日
 (国会会議録検索システムより抜粋) ※この質疑の動画はこちら






○本多委員 立憲民主党の本多平直です。岩屋大臣に質問をさせていただきます。  昨日、沖縄でまた米軍機の事故がございました。今のところわかっている状況を御報告いただければと思います。

○岩屋国務大臣 昨日、午前十一時四十五分ごろ、沖縄県那覇市の東南東の海上におきまして、日米共同訓練中の米海軍第五空母航空団所属のFA18戦闘機一機が、エンジントラブルのために墜落をいたしました。当該機の搭乗員二名は緊急脱出し、那覇市の東南東百五十六マイル、約二百九十キロですが、の海上において、午後十二時十一分ごろ、米軍ヘリにより救助されたと承知しております。  本件事故に関して、現時点において被害情報等はありません。  本件事故を受けまして、防衛省から米側に対し、情報の提供、安全管理の徹底、再発防止等を申し入れるとともに、関係自治体に情報提供したところでございます。  なお、本件事故の原因については米側において調査中でございまして、新たな情報が得られた際には、関係自治体に対して速やかにお知らせをしたいと思っております。  いずれにしても、米軍機の事故等は周辺地域の皆さんに大きな不安を与えるものでございまして、引き続き、米側に対し、安全管理の徹底等を強く求めてまいりたいと思っております。

○本多委員 まだ原因がわかっていない、米軍で調査中ということですが、調査の間は飛行停止を求めるべきだと考えるんですけれども、いかがでしょうか。

○岩屋国務大臣 米軍機の飛行停止につきましては、これまで事故の個別の対応等を踏まえて、それぞれの事案に即して判断をしてきておりますが、まだ原因の調査中ということでもございますし、詳細を確認した上で適切に対応してまいりたいと思っております。

○本多委員 詳細がわからないから、わかった後は飛ばしていいと思うんです、それを改善をした上で。わからないから、とりあえず何日間か停止をすべきじゃないかということを申し上げているんです。いかがでしょうか。

○岩屋国務大臣 先ほどお答えしたとおりでございまして、それぞれの事案に即して判断する必要があろうかと思います。  米側に詳細を確認しつつ、適切に対応してまいりたいと思っております。

○本多委員 昨年末からことしの初めにかけて沖縄で、ヘリコプターの緊急着陸、事故が相次ぎました。そのとき、小野寺大臣は飛行停止を米側に求めた。なかなか実行されなかったわけですけれども、残念ながら。飛行停止を求めるところまではやっていただいたんですが、今回、事案に即して停止を求めない理由は何かということ。  一六年、一昨年には高知沖でも墜落事故を起こしています。昨年はスペインでも事故を起こしています。そして二〇〇八年では、サンディエゴで墜落をして四名の地上の方がお亡くなりになっている。そういう事実がございます。  こういう飛行機について、日本国内で、原因がはっきりするまで一定の期間、飛行をとめてくれと要請するのは僕は自然なことだと思うんですけれども、いかがですか。

○岩屋国務大臣 繰り返しの答弁になって恐縮なんですが、米軍機の飛行停止については、事故の個別の対応等を踏まえて事案ごとに判断をするということでございます。  詳細な情報の提供を今米側に求めております。それに沿って適切に対応してまいりたいと思います。

○本多委員 私は、事案ごとに、情報が入る前の、一日、二日でもいいですよ、その状況は停止を求めるのが自然だと思いますが、大臣はそうされないということで、非常に遺憾な答弁だと思います。  それで、まさにヘリ事故が相次いだときに、本年一月二十九日、小野寺防衛大臣は予算委員会で、アメリカの点検整備について、きちんとされているのかどうか「確認、検証を行う」という答弁をされました。  それに基づいて一月三十日の記者会見では、自衛官を現地に派遣をするということを記者会見で申し述べましたが、残念ながら、二月一日、派遣の当日になってアメリカ側が延期を求めてきて以降、この八カ月にわたり、小野寺防衛大臣が予算委員会の場で、アメリカの調査、どうなっているのか、きちんと普天間基地に入って調査をするということを申し述べているのが実現をされていません。  この経緯について教えてください。

○岩屋国務大臣 確かに、自衛官による普天間飛行場におけるブリーフ受けが二月の段階で延期されて以降、さまざまな事情があったにせよ、実現できていなかったことは事実でございます。  私が就任してから、その間の事情を聴取いたしまして、速やかに実現をするように事務方に指示をいたしましたと同時に、マルティネス在日米軍司令官、あるいは駐日米国大使、ハガティ大使にも協力を求めたところです。  一方、この間、自衛隊においてもさまざまな事案が発生をしてきていることを踏まえて、現時点において、AH1Zの予防着陸というその個別の事案に特化した議論をするよりも、広く飛行安全をテーマにして日米双方が包括的な議論を実施した方が日米相互にとってよりメリットがあるというふうに考えまして、先般、日米の専門家間で第一回目の議論を行ったところでございます。  今後のその議論を通じて現場への訪問といったことも議題になっていくということでございますので、決して当時の目的をうやむやにしているわけではありません。  引き続き、この専門家会合を発展をさせていきたいというふうに考えております。

○本多委員 まず、いろいろお聞きしたいことがあるんですが、新大臣になって指示を出されるまでの八カ月間、さまざまな事情で延期が繰り返されたとおっしゃいましたけれども、さまざまな事情について御説明をください。

○岩屋国務大臣 日米間の航空機の整備に関する基本認識ですとか、予防着陸あるいは緊急着陸といったものに対する認識ですとか、そういったものが必ずしも一致していないということはあったんだというふうに思います。  それから、小野寺大臣がおっしゃっておられたのは、整備の状況を情報を提供してもらって確認をするということを言っておられたわけですが、当時のメディアの中には、その確認という作業を、検査、インスペクションというふうに訳して報じたところもあったやに聞いております。権限を持った検査というのは、自衛隊も米軍から受けることはありません。私どもが米軍の航空機整備を検査するということもございません。  そういう、ちょっと誤解に基づく意思の疎通の悪さというものもあって非常に協議がおくれてしまったということだろう。  したがって、ここは仕切り直して、お互いの専門家が出て、その会合を通じてお互いの情報提供、場合によっては相互訪問ということを実現していこう、こういう取組を始めさせていただいたところでございます。

○本多委員 小野寺大臣は慎重な方で、検査などという言葉は使っていないんです。確認、検証という、つまり、法律用語の、アメリカがやっていることを検査するなどというそういう言い方はしていないんですよ。  それを一メディアが、訳し方はいろいろあると思いますよ、検証というのはもしかするとそのインスペクションという訳になるのかもしれませんけれども、その訳がそうであったら、それをきちんと説明すれば、一度大臣が予算委員会で言ったものがこの八カ月もたなざらしになるなんていうことは、米側にきちんと説明したんですか、その訳の問題を。そんなことで八カ月も、検証するという小野寺大臣の言葉どおりやっていただければよかったんじゃないんですか。

○岩屋国務大臣 メディアの誤訳だけが原因だったというふうに申し上げているわけではございません。当然、報道されているのは誤訳であって、私どもが言っているのは、現場で米軍からブリーフを受けて理解をするという意味であって、権限を持って米軍の点検整備を検査するということを意味しているものではないという説明は当然してきたわけですけれども、しかし、なかなか協議が調わなかった。  米軍とのやりとりの詳細についてはちょっと控えさせていただきたいと思いますが、いずれにしても、前に進めなきゃいけない。これからこういう事故が起こってはならないし、自衛隊も起こしてはならないわけですけれども、お互いが航空機の整備について情報交換し、意見交換し、あるいは、情報をいただいて確認をするということができるような場をつくろうというのが今回の試みでございますので、ぜひ御理解をいただきたいというふうに思っております。

○本多委員 これ以上そこを深掘りしませんが、最近の岩屋大臣の記者会見の議事録を読ませていただいたら、最初は報道のせいだと言って、やりとりの中で、報道だけではないというような言い方になっているわけです。  そういう言い方はやはりなさらない方がいいと思うんです。報道がどう訳そうが、それでアメリカ軍が八カ月も引っ張る理由になんか私ならないと思うんで、ここはそういう言い方をされない方が私はいいと思います。  私がお聞きをしたいのは、岩屋大臣就任後、きちんと早くやれ、立ち入って確認、検証するということを言われたので、これは、新しい専門家会合をつくったけれども、やっていただくということでよろしいんですね。

○岩屋国務大臣 まず、私は記者会見でメディアだけのせいにしたわけではありません。しっかり読んでいただきたいというふうに思います。さまざまな原因があった中の一つにそういうこともあったのではないかというふうに申し上げておりますので、そこは御確認をいただきたいというふうに思います。  それから、専門家会合をスタートしたばかりですが、その中の議題、アジェンダの一つに相互訪問ということも挙げられておりますので、この協議をしっかり進めていくことでそういうことが実現するように持っていきたいというふうに思っております。

○本多委員 国会でやると言ったことが、それじゃそれを待とうと我々は思うわけですよ。その間に日報の議論とかいろいろありましてなかなか追いかけ切らないうちに、気づいたら八カ月、大臣が国会で答弁したことができていなかったというのは、もうそのこと自体が非常に問題だと思いますので、もう八カ月もたっちゃって今さらという話をされているのかもしれませんけれども、一度、国会で言ったこと、記者会見で言ったこと、それがきちんと実現をするということを、新大臣になって改めて私は強く要請をしたいと思います。  それで、最近、もう時間がわずかなんですが、防衛省の姿勢を問うことで、一つ、公文書の作成についての内部のマニュアルについて報道がされました。この件についてちょっと御質問したいと思います。  文書、原則はつくるんだということなんですけれども、非常にわかりにくいマニュアルが出ておりまして、課長級以上の、通達に基づく会議にしっかりつくれというマニュアルが出ています。  これは事務方と議論をしましたら、あくまで例示だということなんですが、例示じゃないような説明を研修会でされた事実はありませんか。

○岩屋国務大臣 そういう御指摘がありましたので、調べるようにというふうに指示を出しました。  一部、海上幕僚監部において、今後の検討事項として、統一した一定の基準が必要だと記載された資料が作成されておりまして、管理者を対象とする研修で使用されていたことが確認されましたが、現時点で基準作成の具体的な検討は行われていないということも確認をしております。  いずれにしても、先生御指摘のように、中には、この防衛省がつくった文書管理マニュアルを誤解して読む隊員がいてはならないということで、昨日、課長級以上の会議等を限定列挙と誤解することのないよう通達を発出し、改めてこのマニュアルの趣旨を周知徹底したところでございます。

○本多委員 周知徹底、当然だと思うんですけれども、マニュアル、もうちょっとわかりやすく改定をするお考えはありませんか。

○岩屋国務大臣 マニュアルの一番上に、要は文書はしっかりつくるようにと書いた上で、その下に、例示として課長級の会議等の例示があっておりました。  そういうマニュアルでございますので、しかも、内閣府に毎回確認した上でつくっておりますので、マニュアルそのものに問題はないと我々は思っております。  ただ、その趣旨を誤って理解をする隊員がいてはいけないということで、昨日、通達を発出して周知徹底を図ったということでございます。

○本多委員 こうやってマスコミに報道され、委員会でも質問をされ、わざわざ課長会議を開いて周知を徹底しなきゃいけないマニュアルというのは、非常にわかりにくいということじゃないんですか、大臣。

○岩屋国務大臣 今般の通達によりましてその趣旨は明確になったというふうに思っております。

○本多委員 どういうふうにその末端までちゃんと行くんですか、その会議に出た人以外にもその通達というのは。

○岩屋国務大臣 当然ながら、全省内、全自衛隊内に周知徹底をしております。

○本多委員 私たちがこれを言うのは、岩屋大臣はいらっしゃらなかったときですけれども、二大臣にわたって、防衛省内の文書管理については大問題が発生をしてきたわけです。ほかの省庁でもこんなのは問題なんですけれども、この防衛省においてこういう誤解を招くようなマニュアル、私は改定をすべきだということを申し上げて、防衛省の、これまで問題を起こしてきたという経過に鑑みて、こういう曖昧なマニュアルはできれば改定をすべきだということを申し上げて、質問を終わります。  以上です。