枝野幸男・立憲民主党代表 演説全文
10月13日北海道札幌市西区発寒・ホンダ平直候補応援演説



北海道の皆さん おはようございます。立憲民主党代表の枝野幸男です。寒いですね。昨日の今頃、沖縄にいたものですから、よけい寒さが身に浸みます。そんな中、たくさんの皆さんにお集まりいただき、足をとめていただき有難うございます。何としてでも今の政治の流れを変えたい。暮らしの足もとに光のあたる政治をしっかりと前に進めていきたい。そんな想いで立憲民主党を立ち上げました。

民進党で選挙を戦えない。これでは、国民の皆さんの選択肢が足りない。右でも左でもなく暮らしのあしもとにしっかりと光を当てて前に進む。そういう勢力をしっかりと旗を立てて、国民の皆さんに示さなければならない。そんな想いで立憲民主党を立ち上げさせていただきました。これまで民主党、民進党と積み重ねてきた理念・政策を軸にしながら、よりクリアに、より明確に、私たちの想いをみなさまの前に掲げて、そして、遠からずこの国の中枢を担わせていただく。そんな想いで立ち上がらせていただきました。

今の日本、上からの政治、上からの経済。この上から目線の政治を、暮らしの足もとに光を当て、ボトムアップで、下から上に押し上げていく。こういう方向に変えていかなければならない。そう思っています。

アベノミクス。昨日今日とまた株価は高値をつけている。株は上がった。一部の大きな企業はもうかった。「いずれ、これがみなさんの暮らしにも伝わっていきますよ、みなさんのところにも滴り落ちていきますよ」、トリクルダウンというのですが、5年間安倍さんは言い続けている。本当にそうですか? この5年みなさんの暮らしは良くなっていますか? 地域の経済は良くなっていますか? 残念ながら、そうした実感を持っている方は決して多くはありません。

上からの経済は時代遅れなんです。かつて、高度成長の時代は、大きな輸出企業が輸出で儲けて、儲かると働く人の給料があがる。新しい工場をつくって 雇用の場も広がる。下請け・孫請け・中小零細企業に払うお金を増やしてくれた。こうやって豊かなところから社会の隅々にその豊かさが広がっていった。東京が都市化をすると札幌が良くなり、札幌が豊かになると道内各地が良くなってゆく。強いところから引っ張り上げる形で、日本は戦後復興・高度成長をしました。でもこれは右肩上がりで人口も増えた、まだ日本が貧しくてアメリカ・ヨーロッパに追い付け追い越せと、高度成長が可能だった時代のやり方なんです。その時代遅れのやり方を5年やったけれども、むしろ格差が拡大をして、都市と地方の格差が開いて、夢を持てない若者が増えて、社会の活力はむしろ失われている。今の時代は逆なんです。下から支えて押し上げなくてはいけない。

景気が悪い。経済が低迷しているその原因は、消費が冷え込んでいることです。モノやサービスが売れないんです。ダメです。年収100万、150万、いつクビになるかわからない非正規雇用。例えば、若者の自動車離れとか言われていますが、そんな暮らしをしている人はローンも組めません。自動車離れの前に、若者自動車を買いたくても買えない。そんな若者が増えてしまっている中で、売れるはずないじゃないですか?

経済のために子どもが生まれてくるわけじゃありません。でも、そうした厳しい暮らしをしている人たちが、希望をすれば家庭をもって、こどもを産み育てて、そのためには最低限の暮らしを支える収入が、安定した仕事が必要じゃないですか。そうしたことができない人たちを増やしてしまっていて、小子化の歯止めがかかるはずありません。

少子化が進めば、結果的にお客さんの数、日本の人口、消費者の数が減ってるんですから、物が売れなくて景気が悪い。なかなかそこから脱出できるはずないじゃないですか。だから、格差を是正する。貧困な人たちの暮らしを底上げする。これは当事者の気の毒な人たちを助けてあげるだけじゃないんです。みんながそこそこの暮らしができている。かつて1億総中流と言われました。だからこそ、新しい商品やサービスが出た。そしたら、みんながんばってそれを買おうね。国内でお金が回っていたんです。

いろんなことをやらなくてはなりません。短く2つだけ申し上げたいと思います。

ひとつは労働法制、働き方のルールです。安倍さんは、例えば裁量労働制の拡大とかホワイトカラーエグゼンプションとか言いますが、残業しても残業代は払わない。そういう仕組みを導入しようとしている。逆じゃないですか? サービス残業とか過労自殺とかいわれている。長時間労働をして長く働いたら、その分お給料を払う。このあたりまえのこと、まっとうなことをやることで、働いている人が、働いた分だけ収入を得られるようにする。そしてこの間、派遣労働なんていうのは、25年前にはほとんど無かったんです。法律を変えて、変えて、変えてきたから、どんどんどんどん派遣という、経営する側にとっては便利です。給料安くて済む。いらなくなったらすぐクビにできる。でも、そういうやり方を増やして来たら、目先の企業の経営には良いかも知れないけれども、日本経済全体が厳しい状況になってきた。こうしたことを逆回転させましょう。働くというのは、本人が希望すれば、正社員で働くのがあたりまえ。その30年前にはあたりまえだったまっとうな仕組みに戻しましょう。

もう一つは、非常に象徴的なところを言うと、保育士さんや介護職員の給料を上げましょう。そこに公のお金を回しましょう。おかしいんですよ。値段は、モノの値段だって給料だってみんなそうです。需要があって供給が少なければ値段は上がるんです。ほしいひとが沢山いるのに売っていなければ値段は上がるんです。介護は、介護のサービスを求めている人はたくさんいるのに、介護サービス足りないんです。なぜか?介護の人の給料が低く抑えられていて人手がなかなか集まらない。実は、ベッドを待っている・介護のサービスを待っている人は1万人単位以上いるのに、特別養護老人ホームの中には空ベッドの数が一割以上ある。ベッドはあっても介護してくれる人が足りないんです。おかしいですね。給料あがらないとおかしいんです。

保育所だってそうです。建物や土地の問題もありますが、保育士さんの資格は持っているのになかなか働いてくれない。責任は重い重労働、なのに低賃金。需要があるのに欲しい人がいるのに値段が安い。おかしいんです。ゆがんでいるんです。保育も介護も、公のところで仕組みをつくって、公のお金をどれくらい入れるかで、給料を上げたくても上げられない、人が足りなくてももっと給料払うからきてくださいと言えない、そういうところに、限られた予算しっかりと集中投資をしましょう。これで所得の下支え、底上げが図られるんです。同時に老後の安心や子育ての安心が図られるんです。こうやって暮らしの足元から経済と社会を元気にしていこうではありませんか。私たちは、だから上からではない下からの政治、下からの政策を実現する。これが立憲民主党です。

もう一つは、「今、権力をもっているから、何をやってもいいんだ」「下々は云う事聞いてついてくればいいんだ」。安倍さんの政治姿勢、そういった感じを受けませんか? みなさん。だいたい、権力は憲法に従って使わなくてはいけないんです。憲法で定められた範囲で権力はお預かりをしているんです。その憲法の解釈を勝手に変えて、海外で武力行使できるような集団的自衛権・安保法制を強引に押し切って、そして今度は、自衛隊を憲法に明記する。その憲法違反を後付で認めさせようという。こんな姑息なことをやろうとしているんです。ほんとうにこの国はこれでいいんですか?

北朝鮮の脅威は確かにあります。領土・領海を守るためには、一生懸命もっといろんなことをやらなくてはならない。でも、海外に出ていって戦争はしない。日本が攻められてもいないのに戦争はしない。これがいろんな意見立場があっても、多くの国民のみなさんの共通した考え方じゃないんですか? それで今の日本の社会をつくりあげてきたんじゃないんですか? これを勝手に姑息なやり方で変えようとする。この政治の流れを変えなきゃいけません。

安保法制・平和の問題だけじゃありません。森友・加計、いろんなことを言いたいんですが、情報を隠す・誤魔化す。国会で聞かれてもいい加減に誤魔化す。

いや、安保法制のときだって、ろくにまともに聞かれたことに正面から答えて無いんじゃないですか? この選挙はじまって、各党党首テレビ討論なんどかやりました。ひとつとして安倍さん聞かれたことに正面から答えていますか? 聞かれていないことをべらべらべらべらしゃべっている。あれ、国会でずっとやってるんですよ。聞かれたことに答えない。

共謀罪だって、覚えていますか?法務大臣。大臣そのものが中身をわかっていない。何質問したって答えられない。「由らしむべし 知らしむべからず」って言葉知ってますか? 江戸時代の話ですよ。下々には、いろんなこと教えなくて良いから、知らせなくて良いから、いうことだけきかせればよいんだ。今の政治、19世紀じゃないですか。この上から目線の政治を私たちは変えたい。

まさに経済や社会を、暮らしによりそった政策を進めていくためにも、政治そのものが、永田町の内側を向いた、政治家の都合でくっついた離れた、こういうところからしっかりと距離を置いて、みなさんと一緒につくっていく。でも、1億2千万超える国民の皆さん、すべてのみなさんの意見が一致するなんてありえません。でも、だからこそ、様々な多様な価値観がある、日本列島狭いようで広くて、沖縄と北海道では20度くらい気温も違う、それぞれの地域を支えている経済・産業も違う。高齢者と若者では立場も違う、多種多様な意見があるからこそ、一握りの人たちで決めるトップダウンでドーンでは、社会は成り立っていかないんです。

幅広くみなさんに情報公開をして、できるだけ説明をして、説得をして、もちろん最後は一致はしなくとも、みんなで決めようというこの努力・姿勢の無い民主主義はどう考えても長続きしません。本当の民主主義を取り戻す。右でも左でもなく、上からの政治を下からの政治、ボトムアップの政治へと変えていく。私たちは、そんな想いで、より明確な旗にして、立憲民主党を立ち上げました。

立ち上がったばかりで総選挙。厳しい戦いです。でも、本多平直君をはじめとしてたくさんの仲間がこれに参加をしてくれました。78名。できるだけ多くの仲間にこの選挙勝ち上がってもらって、しっかりと政治のど真ん中にわたしたちの足場を築かせていただいて、その次はしっかりと政権を目指す。その土台をつくらせていただきたい。そのためには、なんとしても本多平直。この厳しい選挙、皆さんの力で勝たせていただきたい。私の事情を申し上げては恐縮なんですが、ご紹介あるとおり本多平直君。私が当選1回の頃から、私の政策担当秘書として、例えば薬害エイズ問題の追及、まさに私の右腕として私の仕事をずっと支えてくれてきたのが本多平直です。立憲民主党代表として、今申し上げたような方向にしっかりと力強く前に進んでいくためには、本多平直君に私のすぐそばで支えてもらえないと、私もなかなか前に進めません。ぜひ、みなさん、本多平直、国会に送っていただけませんか? まさに立憲民主党のど真ん中で、みなさんの地域の暮らしの声を届けて、前に進めるエンジンになるのが本多平直です。

今、急激に、立憲民主党、みなさまのご支援をいただいていますが、本多平直、まだまだ当選するには遠いところにあります。ぜひ、皆さん、まわりのみなさんに一人でも二人でも多く声をかけてください。まず、皆さん自身が、もうすぐにでも期日前投票に行ってください。そして、多くの輪を広げていただいて、いっしょに日本の新しい民主主義を、そして21世紀、少子高齢社会、お互いさまに支え合って、安心できる暮らしを取り戻す、新しい政治の第一歩を記すために、皆さんのご支援・お力添え心からお願い申し上げます。私にはあなたの力が必要です。どうぞお力を貸してください。よろしくお願いいたします。有難うございます。
(文字起こし責任:鷲野宏)