衆議院-テロ防止・イラク支援委員会 2005年(平成17年)02月28日
「国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等に関する件」に対する質疑
○本多委員
民主党の本多平直でございます。 まず、イラクの方の話から質問をさせていただきたいと思います。
きょう、御説明で改めて、今までイラクでの復興支援活動のメーンとしてきた給水活動は事実上終わったというお話をいただきました。そうなりますと、今後、自衛隊の復興支援活動を続けていく二つは、医療の活動といわゆる公共事業的な活動の二本柱になっていくと思うんですが、これについて伺いたいと思います。
今、この二月二十二日現在実施中の事業を書いた一覧表の地図の入ったものをいただきました。何げなくちょっと見過ごしかけていたんですが、今まで、例えば学校の方は十一ぐらい終わって、今実施中が八。そして、道路は十五今までは済んだものがあって、今実行中が三。つまり、学校や道路はだんだん減ってきているわけです。そして、その他という分野が、今までもう済んだものが八あったのが、今実行中は十四あるそうです。
学校の補修というのもどこまで緊急性があるのかという議論はあるんですけれども、これも大分済んできた。それで、今八やっている。そして道路の方も、緊急性があるといえばあるような気もしますが、これは十五済んで、今やっているのは三なんですね。
では、残りのその他のやっているこの十四事業というのは何かといいますと、大臣も当然御存じだと思いますが、サマワのサマワ・ギャラリー屋内運動場の補修、それからサマワ市民生局ガレージ、それからサマワの公園、ティーチャーズパーク、公園施設の補修、それからサマワ女子高前噴水、噴水の補修。それからもっとすごいのが、サマワの屋外バスケ施設屋外コートの補修、それからサマワ・スポーツクラブ外壁、照明装置、コートの補修。ルメイサ・スタジアム、これも多分運動関係の施設だと思うんですけれども。小さな診療所の工事が十四のうち半分ぐらいありますが、残りの半分は市民の娯楽関係、公園、噴水、スポーツの施設の補修のためにこの危険なイラクへの自衛隊を残すということになっているんですね。
この辺について、一体、当然これは日本国内、皆さんの選挙区だって直してほしい学校とか、直してほしい噴水とか、直してほしい公園が山ほどあるんですよ。ニーズがあるのは当たり前なんですよ、日本国内にもありますし。これはいつまでこういう事業を続けていくおつもりなんですか。
○大野国務大臣
ただいま御質問は、どうも本来の公共事業とか医療活動とかそういうことじゃなくて、少し、例えば文化施設とかあるいはスポーツ施設とかそういう方に移行しつつあるんじゃないか、これをどう思うかという御質問でございます。
私は、例えば、ウルク遺跡の修復、外壁を修復いたしました。これは文化という価値観を大切にするイラク人にとりましては非常に評価が高かったわけですね。イラクの復興というのは何だろう。そういう学校とか道路とかを修復していくこと、これはもちろん大事な基本的なことでございます。しかし、もう一つ考えなきゃいけないのは民生の安定じゃなかろうか。心が少し落ちついてくる、そして、みずからの手でイラクを復興させよう、こういう機運が盛り上がってくる、そういう分野に少し入ってきたのかなと思っております。
そういう点は、私は二つの考え方があって、一つは、現地のニーズをどうつかまえていくか。しっかりつかまえていく、どういうニーズがあるんだろうか。このニーズが一体イラクの復興のためにどういうふうに役立っているんだろうか。こういうことをきちっとこれから分析して考えていかなきゃいけないな、こういうふうには思います。
しかし、先生の御指摘は十分検討させていただきたいと思います。
○本多委員
命がけでやる必要のないエジプトとかほかの国で文化施設の補修に例えばODAをやるのは幾らでも、それは国内だけじゃないですよ、そういうことに日本が役割を果たすのはいいことですよ。しかし、命がけで自衛隊を派遣してやっている工事が、給水活動のうちは、給水活動自体にもほかの方法がいろいろあるんじゃないかとか、私たち提案申し上げました。しかし、給水と言われたら、それはイラクの皆さんに汚い水を飲ますわけにいかないなと納得せざるを得なく、今までやってまいりました。
しかし、バスケット場の補修とか運動スタジアムの補修というようなところまで、学校や道路がどんどん減って、ふえてきている現状というのは、これは、何かニーズというより派遣のために派遣をしているということがますます明らかになってきていると私は思いますので、ぜひとも、これが自衛官の方々が命がけで行きながらやらす作業なのかどうかということを真剣に防衛庁長官として考えていただきたいと思っています。
そして、さらに医療の方も、実は月に三回ぐらい病院に行って助言をしているそうです。しかし、これが今や本当にこのイラクの地域で必要なことかどうかということももう一度考え直していただきたいと思います。そうなると、石破前長官は、例えば給水というのがまず大きな、サマワの皆さんに水がしっかり行くことが一つのミッションだとおっしゃっていたんですから、撤退戦略を考えていく上でも、そろそろこういう役割がなくなってきているんじゃないかという指摘をしっかりと受けとめて検討していただきたいと思っています。
そしてさらに、我々の自衛官が命がけでやっているというだけではなくて、鈴木委員からも御指摘をしましたように、今度は、オーストラリアの軍隊に守っていただく、そういう状況になってきているわけです。もちろん、オーストラリア軍は我々を守るためだけに来るわけではありませんが、自衛隊は治安維持の活動ができません。ですから、事実上守ってもらうという要素が出てくるわけであります。
このことについてなんですけれども、今まで、オランダ軍はアメリカとの同盟関係や当然イラクへの貢献という大義名分、そういったことで来ていたわけです。しかし、今度のオーストラリアの話は、今までやってきたことにプラスアルファで来るわけです。そして、そこは日本の自衛隊が活動をしている地域ということはオーストラリアの皆さんはわかっているわけです。こういう中で、借りをつくっちゃうんじゃないか、そういう議論をする方もいます。
つまり、オランダという国は非常に、日本とも関係がそれほど深くはない国です。しかし、オーストラリアというのは、貿易の面でも、そして観光、商業の面でも非常に深いつながりがあります。そして、非常に仲のよい国でもあると同時に、例えば、東南アジアをめぐってはいろいろな権限争いを今後していく可能性のある国です。そういうところに、このまま無事にミッションが終わればいいです。そんなこと、オーストラリアという国は心の広い国だと思いますから、ねちねちと貸しをつくるようなことはしないと思いますけれども、万が一、オーストラリアの兵隊さんにもしものことがあったようなときには、私は、オーストラリアとの関係というのは普通ではいかないと思うんですけれども、その辺、外務大臣はどういうふうに認識をされて、イギリスに言われたから渡りに船とばかりに頼んだ、そんな話で済む話なんでしょうか。
○町村国務大臣
今のオーストラリア軍の派遣の話で、先ほどお話をいたしましたけれども、これは、オランダ軍の撤退決定を踏まえまして、イギリスがムサンナ県の治安維持のあり方について多国籍軍の関係国と意見交換を実施してきた。その過程の中でオーストラリアの派遣という話が出てきたので、イギリスから私どもに対して、日本からオーストラリアに対して部隊派遣の要請をしてくれないかという依頼があったという経緯があったわけであります。
そのオーストラリアと日本の関係をそれではどう認識するのか。今委員は、借りをつくるという意見もある、あるいは、いわばライバルとでもいうんでしょうか、そういう関係に立つのではないかというような話もございましたが、私はそう考えてはおりません。
日豪というのはまれなほどの友好関係が現在存在しておりますし、経済面で多少バッティングすることはあったとしても、しかし、彼らは基本的には資源、食糧を供給する国であります。日本はそれを輸入して、いわばそれで日本の経済を発展させているという極めて高度ないい相互補完関係にあるということでありますから、借りをつくるというのであれば、もともとこれだけ資源を輸入しているというそこの時点で膨大な借りがあると言えば言えないこともない。でも、それは経済行為ですから、お互いにお金を通じてその関係をつくっているということでありますから、私は、別に今回の決定があったからそういうことではない。
むしろ、オランダ軍が今までいたこと、オランダ軍は戦争中にインドネシアを占領しておりました。そのインドネシアを占領していて、そこに日本軍が行って、いわばオランダ軍と戦ったような形の中からオランダが撤退していったという経緯もあるものですから、逆にオランダ軍の対日感情というのは、今は大変好転をしておりますが、それでも、ちょっと私の知識が正しいかどうかあれですが、たしか日本の天皇陛下かあるいは皇族が行かれたとき卵が飛んだとかというような事件すらあったような気がいたします。
そういうオランダですら、これは日本を守るということではなくて、まさに国際社会の一員としてのしっかりとした責任を果たそうではないかという意識から、オランダ軍もムサンナ県の治安に当たるということでありますから、オーストラリアの今回の決定も、そういう意味から私はとらえていただければ、こう考えております。
○本多委員
ちょっと貸し借りの話というようなことは外務大臣もおっしゃれないと思いますけれども、じゃ、もっと端的に言うと、オーストラリア兵にこの地域で犠牲が出た場合に、関係が悪化する危険というのは大きいものがあると思うんですけれども、どうでしょう。大変仲のいいオーストラリアとそういう関係になる危険性をどう認識されていますか。
○町村国務大臣
これはどういう状況で何がどう起きるかということにもよりましょうから、それをあらかじめ想定して、オーストラリア軍に被害が出るということを日本の外務大臣が想定して物を言ったということになると、これは大変なことになりますから、今そのことを具体に申し上げるわけにはまいりませんが、いわばこの多国籍グループはみんなお互い兄弟関係でございます、仲間であります。お互い仲間同士、いい関係を築いていこうということでありますから、私は、今委員が言われたような、そうストレートな関係が発生するとは考えておらないわけであります。
○本多委員
そこはしっかりやっていただきたいと思います。
ちょっと話がずれちゃうかもしれないんですけれども、このことに関して、ある全国紙の社説がこういうことを言っているんですね。オーストラリア軍には感謝をするということですね。「それだけに友軍が攻撃されても、集団的自衛権の行使が認められないからと自衛隊が手をこまねくことは許されないだろう。国際共同行動に加わる以上、日本の「常識」は通用しない。」、こういう、私からいえば悪乗りなんですけれども、議論が出てきているわけです。
このことを政策的にいいかどうかは、多分この中の委員の間にも意見が分かれると思うので、政策論は置いておくんですけれども、一点、この議論にはちょっと法律的な間違いがあると思うんですね。この友軍が攻撃されても助けられないというのは、このイラクの場合ですけれども、集団的自衛権の話なんでしょうか。この新聞、事実誤認をしていることなので、全国紙の社説なので確認をしたいんです。今、憲法上、我が国は集団的自衛権が認められていないから自衛隊が手をこまねくんでしょうか。
○阪田政府特別補佐人
イラクで他国軍を我が国の自衛隊が多分救出に赴くようなことを前提でのお尋ねだと思うんですけれども、あくまでも事実関係いかんによるわけでございまして、一概には申し上げることはできないと思いますけれども、仮に自衛隊の行為が我が国の武力行使に当たるというふうに仮定した場合には、それが他国のための集団的自衛権の行使に当たるかどうかということは、一般論といたしましては、当該他国がとる軍事行動、要するに他国自身も軍事的な行動をとっておると考えられるわけですから、その軍事行動の国際法上の根拠いかんによると考えられますので、この点は、個別具体の事実関係を踏まえた上での国際法の解釈、適用にかかわる問題ということになろうかと思います。
当局といたしましては、そういう国際法の解釈、適用をするというような立場にありませんし、事実関係についても承知をいたしておりませんので、お答えすることが難しいということを御理解いただきたいと思います。
○本多委員
以前、石破長官の時期に、石破長官はこう答えられているんですね。同じような議論を我が党の議員としていまして、しかし、こういう、ほかの国の軍隊を守れるか守れないかという話は、「例えばイラクにおいてどの国も自衛権を行使しておるわけではございませんので、集団的自衛権の行使という概念そのものが成り立たないというふうに考えております。」と石破前長官は答弁されていますけれども、いかがでしょう。
○阪田政府特別補佐人
先ほど申し上げましたように、そのイラクにおける各国の軍事的な行動がどのような根拠で行われるかということにかかわっているわけでございますので、石破長官がそのように判断されているということであるとすれば、そうであるというふうに思いますが、いずれにしろ、自衛隊の行動が我が国の武力行使に当たるということであるとすれば、それが集団的自衛権の行使に当たるかどうかということとは関係なく、海外で武力の行使をするということは、基本的には憲法との関係で問題があるというのが政府の立場でございます。
○本多委員
政府から新聞の社説に訂正を求めるということは非常に難しいことだとは思いますけれども、今我々は重大な安全保障議論の入り口に立っているわけです。ですから、今の日本の法律がいいか悪いかは別なんですけれども、今の政府の解釈をきちんと踏まえて新聞を書いてもらわないと困りますので、私からもきちんと申し上げておきますけれども、それぞれ政府の公式見解と大臣それぞれのお考えといろいろなレベルがあると思うんですけれども、政府の今の憲法解釈と明らかに違うことを、法律はそのままのような書き方をすることに関しては、きちんといろいろな場で説明をメディアの皆さんにもしていっていただければと思っています。
さて、次の話なんですけれども、戦闘地域、非戦闘地域の話をもうちょっとだけしつこくさせていただきたいんですけれども、町村大臣は、十一月十日イラク特で、我が党の神風議員からの質問に、ファルージャ、これは例えであくまで出したわけです、神風議員としては。ファルージャのように大規模な戦闘が行われた地域でも、戦闘地域なのか非戦闘地域なのかと議論したときに、あそこで対象になっていたのは国に準ずる者ではないのでということを言ったわけです。その答弁をその委員会のうちに撤回をされました。
これは、どこのところをどう撤回したのかが明確じゃないので、もう一度確認をしたいんですけれども、ファルージャで戦闘行為をしていたのは国に準ずる者ではないということでいいんですか。ないという答弁を撤回して、国に準ずる者としたんですか、それともあいまいなところに戻したんですか。どれなんでしょう。
○町村国務大臣
十一月九日の記者会見、それから十日の衆議院のこのイラク特における神風委員の質疑に対する答弁でございますが、イラク特措法の定義に従えば、ファルージャ地域で活動している武装勢力は国家に準ずる組織ではないという旨の発言を行ったところであります。
他方、大野長官は、同じ十日の委員会における審議で、このイラク特措法では、自衛隊が活動する地域がいわゆる非戦闘地域であると認められることのみが求められ、自衛隊の活動とは無関係に、ファルージャのような同法に基づく活動を実施していない地域において戦闘行為に該当する行為が行われているかどうか判断する立場にない、こういう答弁をされまして、両大臣で意見が違うじゃないか、こういう御指摘がありました。
そこで、私は、その後の佐藤委員の御質疑に対しまして、政府の見解は大野大臣が答弁されたとおりであり、九日の記者会見における発言及び十日の質疑における答弁は、イラク特措法を適用するとの観点から厳密な判断を述べたものではなく、ファルージャ情勢一般について、報道等に基づく印象を述べたものということで撤回をする発言をしたところでございます。
○本多委員
大臣の御認識で、今イラクには国に準ずる者というのはいますか。
○町村国務大臣
これは今申し上げたことと全く同じなんでありますが、私どもは一般的に、例えばバグダッド等を中心にして活動しているグループ、団体等があって、これが国または国に準ずる組織であるかどうかということを一義的に述べる立場にないといいましょうか、そのことを法律が求めているわけではないということであります。
○本多委員
法律に皆さんが国に準ずる者というのを書いたので、私たちは質問せざるを得なくなっているんですよ。もっとほかに聞きたいこともたくさんあるんですけれども、皆さんがつくった法律なんですね。
皆さんの解釈によると、私が皆さんの言い方をしんしゃくすると、ひょっとするといないんじゃないかと思うんですね、実は。要は、皆さんは、アメリカ軍と旧イラク・フセイン軍の残党みたいなものが戦ったときには、それは国に準ずる者として認定をしやすかったんでしょうけれども、ここまでの混乱の事態の中で、この法律が既に有効性を全く失っていると私は思っているんです。
ですから、全体が戦闘地域じゃないかという言い方も我が党は多くの委員がすることもあります。それも一面の真実なんですけれども、皆さんの法律解釈を厳密にしていくと、国に準ずる者なんというのはどこにも存在しないわけで、どんなに大きなファルージャのような戦闘があったって、皆さんが、どっちかわかりませんとか、あれは違いますと言っている限り、戦闘地域なんというものは存在しなくなる。ですから、全く無意味な言葉を入れてきて私たちの議論を混乱させてきたという大きな責任が政府にあると私は思っています。
もうすぐ時間がなくなってきているので、イラクの話から、私がずっと関心を持っているテロ特措法に基づくインド洋での補給支援活動について伺いたいと思っています。安全保障委員会では、両大臣とやりとりをしましたので御記憶があればと思いますが、この委員会では初めてになります。
私は、もちろん軍事的なオペレーションですから、すべてを明らかにしろなどということは申し上げていません。しかし、例えば、これだけ、三年にも及んで我が国に三隻、四隻しかない補給艦のうち一隻を派遣している行動に関して、海の名前もインド洋、アラビア海、要はアフリカの先まで行けるわけです。そんな中で、寄港国の国名ぐらいしっかり明らかにしろということをずっと要求してまいりました。そして、それに対して、前回の安全保障委員会での答弁は、大野長官から、隊員の安全に支障がある、それから相手国と約束がある、二点において言えないんだということをおっしゃられましたけれども、その考えは変わっていませんか。
○大野国務大臣
寄港地等の名前を言えない、発表を控えさせていただきたい、この姿勢には変わりございません。
その理由は、一つは、先生今おっしゃったように、やはりこの海上自衛隊隊員諸君の安全の問題が一つあります。それから、港のある国の姿勢の問題、どういう協力をしているのか、どういうふうにやっているのか、こういうことを対外的に公表したくない、知られたくない、こういうようなその国と我が国との信頼関係の問題があります。この二つの問題が主な理由でございます。
ただし、一方において、我々は、例えばテロ特措法、イラク特措法において、日本の自衛隊がこういうことをやっているんです、こういうことは日本の国民の皆様に説明をさせていただきたい。日本というのはこういうような国際活動をやっているんです、武力行使と一体にならないで、武力行使をしないでこのような活動をやっているんです、このことをお知らせしたい。こういう二つの問題の命題の中で、どうぞひとつ寄港地とかそういうことはどうか秘密にしておいてください、こういうお願いをしているわけでございます。
○本多委員
前回の委員会でも、私が、山崎総理補佐官がぺらぺらと自民党の総務会で港の名前をしゃべっている、どうにかしてくれということを言って、大臣から、そういうことのないように今後は国会議員に注意していきますということをおっしゃられました。
私は、改めていろいろなところを見てみましたけれども、今度またとんでもないものを発見いたしました。今津副長官のホームページ、大臣に事前に見ていただくように言ってありますけれども、あえてこれ、町の名前は私は言いません。九月四日に何とかの海上自衛隊に到着、またまた、私には国の名前も教えられないのが、町の名前までしっかり出ております。これはどう思われますか。今津副長官に聞いていないんですよ。私、大臣に聞いているんです。
○今津副長官
私のことでございますので、私から御説明した方が明快にわかっていただけると思いますので、お許しをいただいて、私からお話しさせていただきます。
今委員が言われましたとおり、私は副大臣になる前の自由民主党の国防部会長のときに、党として初めてでありますけれども、ゴラン高原、クウェートそしてインド洋、イラクにも行きたかったんですけれども、イラクの場合は治安の関係があってちょっと御迷惑をかけてはいけないということで、海外の自衛隊の方々の活動ぶりを視察し、そして激励する、そして今後の政策に反映する、こういう目的で玉沢元大臣などと勉強に行ってまいりました。そのことの内容が実は私のホームページに出ているわけでございまして、これは全く私が配慮が足りなかった、配慮が欠けていたということでございまして、今大臣がおっしゃったことがすべてでございまして、その配慮ができなかった私の責任でございまして、深くおわびを申し上げたいと思います。
○大野国務大臣
今後、今津副長官にこういうことがないように、ひとつ厳重に注意をお願いします。
○本多委員
この議論をしたときに、今津副長官もいたんですよ。そして、「どこに船がいるかとか、どういうふうに待っているかとかという作戦そのものが知られることで、行動そのものが狂ってしまう、こういうおそれがあるわけです。」とか、私が指名していないのに出てきて答弁されたその方が、いや、笑い事じゃないんですよ。シビリアンコントロールの議論、今ミサイル防衛の話でも大変大切になってきているときに、本当に隠さなきゃいけないことはあるかもしれません。しかし、こんな、副長官がホームページに載せているようなことを国会にも言えない、そんな中で私たちどうやって国会としての統制を発揮できるんでしょうか。本当にそこのところをしっかりと反省をしていただきたい。
これはイラクでの復興支援活動もそうですし、きょうは時間がなくなりましたからできませんが、三年にわたって海上自衛隊をインド洋に派遣している問題、このオペレーションもだんだん減ってきているわけです。もちろん、いないよりいた方が役に立つのはわかるんです。これはイラクの復興支援でもそうです。
しかし、スマトラの緊急支援は何かもう見きわめがついたといって、とっとと引き揚げるそうですけれども、物事というのはどこかで切りをつけて、ミッションを決めて、一定のところが来たら撤退をしていかなきゃいけないんです。こういうことをしっかりと情報公開しながら検討していただくことを強くお願いして、私からの質問を終わります。
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