衆議院-安全保障委員会 2018年(平成30年)03月20日
 (国会会議録検索システムより抜粋) ※この質疑の動画はこちら




○本多委員 立憲民主党の本多平直です。  森友学園の問題におきましては、財務省で文書の改ざんがかなり大規模に行われるという大変残念な、国会にとってもゆゆしい事態が起こってしまっています。  両大臣にお聞きをしたいんですけれども、これまでちょっと想定できなかったようなこういうことが省庁内で起こらざるを得ない、これから真相は究明されていくわけですけれども、こうした同様のことが防衛省や外務省では起こってはいけないと思います。  今回の事件の受けとめと、このようなことが各省庁において起こらないような、そしてまた、官僚の皆さんにこうしたことをさせないような仕組みをつくっていくという思い、決意を、ぜひそれぞれの大臣にお聞かせをいただきたいと思います。

○小野寺国務大臣 財務省における決裁文書の書きかえにつきましては、安倍総理も述べられておりますが、行政全体の信頼を揺るがしかねない事態であると考えております。いずれにしても、財務省は、検察による捜査に全面的に協力するとともに、事態の全容を明らかにするために徹底した調査が行われるものと承知をしております。  防衛省の公文書の管理については、昨年、南スーダンPKO日報問題に関し、国会からも厳しい御指摘を受けました。これを受け、情報公開、文書管理の再発防止策を着実に実施してきたところでありますが、今後とも、この問題に対しては真摯に取り組んでいきたいと思っております。  今般の財務省の問題につきましても、他省の問題とすることなく、防衛省・自衛隊における文書管理の重要性を改めて認識し職務に当たるよう、十二日、私から省内幹部に指示をしております。

○河野国務大臣 外務省は、外交文書、機密文書の多いところでございますので、機密のあり方を含め、外務省における公文書管理をしっかりと管理できるようにこれからも努めてまいりたいと思っております。

○本多委員 ぜひ、両省において財務省のようなことが絶対起こらないように、両大臣には御努力をいただきたいと思います。  それで、防衛大臣に、護衛艦「いずも」の空母化検討の議論についてお聞きをしたいと思います。  この問題、報道が昨年末からかなり盛んに出てまいりまして、一月二十五日、共産党の志位委員長、そして我が党の福山幹事長から、本会議で質問が総理にありました。この総理の答弁をつくったのは防衛省だと思うんですけれども、総理からは、具体的な検討を行っている事実はないという明確な御答弁がありました。政府のこの答弁は今も変わっていないという理解でよろしいですか。

○小野寺国務大臣 総理の答弁については私の立場からコメントする内容ではないと思いますが、いずれにしましても、私は、今後の防衛力のあり方についてはさまざまな検討を不断に行っている旨、累次申し上げております。  平成二十九年度、海幕において実施しているDDHの航空運用能力向上に係る調査研究について、これは本多委員からたびたび御指摘をいただいております。これは、今後の防衛力のあり方を広く調査し、関係する情報を収集する一環として行っているというものでありまして、あくまでも、私どもとしては、今後の防衛力のあり方の中でさまざまな検討を不断に行っている一環というふうに考えております。

○本多委員 少し先走って、まず総理の答弁にはお答えにならないということなんですが、一月三十日には、委員会でこの問題を最初に取り上げたのは私だと思います。その際には、全く検討の事実はないと大臣はお答えになられたんですが、その答弁、変わったということでよろしいんですか、この一月三十からきょうまでの間に。

○小野寺国務大臣 そのときの御質問に関しては、これは「いずも」の空母化に向けた具体的な検討ということはしておらないということでの答弁というふうに私ども答弁させていただいたと思っております。

○本多委員 DDHに一般的にどういう拡張性があるのか、今後どういう飛行機を積む可能性があるのかという調査研究は、この時点でされていたわけですよね。

○小野寺国務大臣 ちょっと記憶を呼び戻しますと、その時点でまだ、その調査研究等どういうものをやっているかということに関しては、私のところに報告も上がってきておりませんでしたので、逆に言えば、国会質疑の中でそのような調査研究があるんではないかという御指摘もいただき、私の方から調べさせていただいたということであります。  調査費が非常に少額でもありますし、まだ結果が上がってきていないということでありますが、その際に、本多委員を含め、さまざま国会で御指摘も受けましたので、この調査研究についての報告を受けましたが、あくまでも、これは海幕が実施しているDDHの航空運用能力向上に係る調査研究ということ、今後の防衛力のあり方を広く調査し、関連する情報を収集する一環として行っているものというふうに承知をしています。

○本多委員 その言い方で納得する方もいるのかもしれないんですけれども、私は、防衛の議論をするときに、もうちょっと丁寧な答弁を心がけていただきたいというお願いをしたいと思っています。  特に総理の本会議質問、もし防衛省が案をつくられたのだとしたら、あれは総理に、言う人が言ったら虚偽答弁ともとられかねないような、検討を一切していない、具体的な検討をしていないということを言われたわけですし、私の質問に対しても、具体的な検討はしていないと。その後に共産党の委員から、こんな委託調査をしているじゃないかというものを出されて、その後、調査はしていますという言い方になったわけです。  しかし、こういう言い方をしていきますと、実は、検討の中に調査研究は入るのかという言葉の問題になってくるわけです。我々は、実は、福山さんも志位さんも私も、検討の中に、調査や研究も含めてそういうことはしていないのかという思いで聞いているわけですよ、質問の中には。  具体的にぎりぎりの、もう予算化寸前の検討はしていないかもしれないけれども、調査や研究はしていますよ、この時点で、何が悪いんですかと、幅広に、「いずも」の拡張運用、これから長く使うので、どんな飛行機が載せられるかという研究をしていましたということを、これを私が日本語で言うと調査研究でもありますが、幅広で言えば、具体的ではない検討に当たると思いますけれども、いかがですか。そういう答弁をしておいた方が丁寧だったんじゃないかと、国民に対して、国会議員に対して思うんですが、いかがでしょうか。

○小野寺国務大臣 総理の答弁については私が申し上げる立場ではないと思うんですが、私どもとして、質問は「いずも」の空母化についての検討ということでありましたので、私どもはそのような具体的な検討は行っていないということで答弁をさせていただきました。  私ども政府としては、これは、護衛艦「いずも」を将来どのような運用をするかということ、そのために平素からさまざまな研究をするということは大切だと思っておりますので、今後とも、お話しさせていただくのは、現在「いずも」の空母化についての検討は具体的に行っているわけではないということ、そして、あくまでも、拡張性がある護衛艦でありますので、どのようなことが将来的に考えられるかという客観的な基礎情報を収集するということは必要なことではないかと思っております。

○本多委員 私は、国民や国会議員への丁寧な説明の仕方という観点から質問をしています。  研究の名前は、DDHの運用についての調査研究なんです。私たちの質問は、そういう言葉を普通の国民、国会議員は使いませんから、DDHの、ヘリ搭載型護衛艦の運用の拡張についての調査研究でありますけれども、私たちはそういうことを含めて「いずも」の空母化という、短い、質問の時間も限られていますから、本会議や、私もそういう思いで、そういう調査研究もしていないのですかという思いで質問をしているわけで、それを、では、少し言い方、ですからもうちょっと丁寧に、こういう質問をしたときは、具体的な予算化のような検討はしていないけれども調査研究はしているという答弁をすべきだったと思います。  私、例えば、じゃ、逆に聞きますが、「いずも」の空母化の調査研究は今しているんですか。

○小野寺国務大臣 護衛艦「いずも」を将来どのような形で使えるかということの、今回、この海幕が発注した事業内容は、調査研究という名前になっていますが、実際は、三百万程度の調査費で行っている、いわば情報収集ということでありますので、しかも、内容も広く文献等を集めた情報収集というふうに私どもは報告を受けております。そういう観点から見れば、情報収集の一環ということなんだと思います。

○本多委員 じゃ、情報収集はしているということをお認めをいただいたというわけなんですけれども、実は、これをもうちょっと早い時点で言っていただければ、私たちは、そのことの是非を議論する前提として、ずっと空母化の検討をしているのかと。検討の是非を聞いていたわけじゃなくて、私たちはその中身、本来、政府が攻撃型空母は日本国憲法上持てないと言っているので、我々は、「いずも」の空母化には、それは非常にグレーゾーン、これをこれから議論したいと思うんです。本当に日本の防衛に資するのか、本当に、沖縄にはあれだけ基地があるのに、わざわざ空母を持つ必要がコストからいってもあるのか、そしてまた憲法上どうなのか、いろいろな観点があるので、その議論をしていきたい。  それは、実は、先ほど宮川委員からスタンドオフミサイルの話もありましたけれども、ノルウェーやアメリカと調整をしていた、研究をしていた。で、突然予算化されているわけですよ。この場合は、検討の時期なんかないわけですよ。ずっと、我々の知らないところで、ノルウェーやアメリカとスタンドオフミサイルの調査や研究をしていた。後は概算要求で、突然閣議決定された。後は国会で審議してくださいと。  やはり、長期をかけて、多額をかける防衛予算の審議は、我々野党といえどもしっかりと議論に参加をして、そして特に、普通の、この「いずも」の話やスタンドオフミサイルをなぜ我々が議論をしているかというと、専守防衛に反するおそれがある、だから、そのグレーゾーンのところをしっかりと我々も議論をさせていただきたいということですので、検討しているかどうかというような手前の議論のところで、ぜひ、調査研究を小規模であれしているのであれば早目に言って、そして、私や福山さんや志位さんのときには、していませんと言い、そして、共産党の方が一生懸命調べてきて、宮本さんや小池さんがしたときには、調査研究はしていましたと。  これでは、志位さん、福山さん、私の審議のところが非常に無駄になるので、ぜひこれからは、こうした防衛の大事な問題、護衛艦の空母化であるとかスタンドオフミサイルなど、こういう問題に関しては、調査研究、検討という言葉尻ではなくて、前広に、こういうことはしていますよと堂々と言っていただいて、言っていただいたら、私たちはその是非についてしっかりと議論していきたいと思うんですが、大臣、いかがですか。

○小野寺国務大臣 繰り返しますが、空母化に向けた具体的な検討を行ってきたことはないと申し上げておりますのは、政府としては、これまで、護衛艦「いずも」を将来空母にすることを目標と定め、その実現を図るために検討を行ってきたことはないという趣旨であります。  いずれにしても、私どもは、貴重な護衛艦でありますので、平素から調査研究をするということ、あくまでも客観的な情報収集をするということは大切だと思っております。

○本多委員 時間が参りましたので、きょうはこれで終わります。