衆議院-予算委員会 2019年(平成31年)02月20日 (国会会議録検索システムより抜粋) ※この質疑の動画はこちら
○本多委員 立憲民主党の本多平直です。
まず、ちょっと通告をしていないんですけれども、今、新しいニュースが入っているようで、航空自衛隊のF2戦闘機が山口県沖でレーダーから消えたという情報を入手いたしました。
最新の情報を大臣がおわかりになれば、教えていただければと思います。
○岩屋国務大臣 本日午前九時十八分ごろ、山口県沖合の日本海洋上で、航空自衛隊築城基地所属の戦闘機F2B一機について、レーダー航跡が消失いたしました。
現在、当該F2Bの搭乗員二名の捜索救助に万全を期しておるところでございます。また、部外への影響は現時点で確認されておりません。
地元の皆様に大変御不安を与えてしまったことは、まことに申しわけなく思っております。今後、原因を究明した上で再発防止に努めてまいりますが、まずは捜索救助に全力を挙げていきたいというふうに思います。
○本多委員 今お話がありましたとおりですと、しっかりと捜索と救助の対応をしていただきたいと思います。
それでは、私、きょう、まず辺野古の新基地建設の問題を質問させていただきたいと思います。
冒頭に、まず、私たち立憲民主党の立場を明確にしておきたいと思うんですけれども、私たちは、日本の防衛のためにも、日米安全保障条約、これは必要でありますし、大変、基地が地元にある皆さんには御不便、御苦労、迷惑をかけているんですけれども、米国の基地が日本国内に必要だというところでは政府の皆さんと変わりはないということを思っております。
今、大変危険な普天間基地を移設するということに際して、これももちろん賛成でございます。移設を賛成というのではなくて、普天間基地をあそこにこのまま置いておくこと、これはとても許される状態ではない、このことも一致をしています。
しかし、この代替施設として、今、辺野古、ここに海兵隊の新しい基地をつくる、これは本当に必要なのか。いろいろ私たちも検討して、ほかの道があるのではないか。
いろいろ過去の経緯も皆さんあるのは十分承知をしています。しかし、国際情勢も変わっています。アメリカ国内の状況も変わっています。そして、何より、沖縄県の民意が大きく動いて、反対の知事を誕生させています。こうした中で、辺野古が本当に唯一の選択肢なのか、そうではないんじゃないか、私たちはこういう立場でこの基地の建設には反対をしていますし、ましてや工事を強引に進めることに反対をしています。この立場をまずは明確にお伝えしておきたいと思います。
その上で、私は、今、国民の中には、私と同じような考えの方もいらっしゃると思いますけれども、そしてまた、政府と同じように、是が非でもあそこしかないんだという方もいらっしゃっていいと思うんですけれども、何となく、やはり中国もいろいろやっているし、あそこにアメリカの基地が、政府が要ると言うんだから、要るんじゃないかななんていう方もいらっしゃるのではないかと思っているんです。
そんな方々にも、建設工事としての辺野古問題、これをぜひ理解していただいて、ちょっと普通の建設工事でもあり得ないトラブルが続出をしている、このままいくと大変なことになるんじゃないか。
ですから、安全保障の観点、もちろん重要ですけれども、土木工事として成り立っているのかということをお話しさせていただきたいと思います。
この写真の上は、今埋立てをしている図です。そして、下は建設予定の工事の図ですけれども、この埋立予定の地に、マヨネーズ並み、海底の土ですね、つまり、くいを打ち込めない、マヨネーズにくいは打ち込めないですよね、マヨネーズ並みの軟弱地盤がある。このことは、大臣、お認めになりますか。
○岩屋国務大臣 お答えする前に、先ほど申し上げたF2Bの搭乗員二名ですが、詳細はまだはっきりしていないものの、生存している模様でございます。まず、そのことをお知らせしたいと思います。
キャンプ・シュワブ、特に北側地域の海域につきましては、軟弱かどうかというのは、その地盤に実際に設置する具体の構造物等を踏まえて相対的に評価されるものでございまして、構造物を設置した場合に所要の安定性が確保できない地盤であれば、地盤改良などの対策をとることになるというふうに承知をしております。
今般、地盤の検討に必要なボーリング調査の結果を踏まえて、キャンプ・シュワブ北側海域の地盤の一部は、普天間飛行場の代替施設を建設するに当たりまして地盤改良が必要であるということが確認をされました。そのような意味では、北側海域の地盤の一部は軟弱な地盤であると考えております。
○本多委員 埋立工事をしている北側の地盤に、マヨネーズ並みの軟弱地盤があるということをお認めいただきました。
この辺野古の基地をつくるのに、政府は二千四百億円と、今のところですね、これも、この軟弱地盤がなくてもずるずるふえるんじゃないかと私は疑っているんですが、そのことはさておいて、今、二千四百億円かかると政府は言っています。当然、費用は増大しますね。
○岩屋国務大臣 費用は、具体的な設計が明らかになって積み上げてみないと、明確なことは申し上げられないというふうに思っております。
○本多委員 ふえますねということを聞いているので、お答えをいただければと思います。
○岩屋国務大臣 北側地区の軟弱地盤については、これまで実績のある工法で施工可能だというふうに確認をされておりますけれども、その地盤改良のためのコストはふえる可能性があると考えております。
○本多委員 このコストが、二千四百億円のものが、軟弱地盤が見つかりました、二千五百億円になる、こういう話だったら、つくろうとする方々、それはやるんでしょう、百億円を追加して。
ところが、沖縄県が試算をいたしましたら、二兆五千五百五十億、約十倍に膨れ上がる、こういう試算をしているんです。これへの反論はありますか。
○岩屋国務大臣 沖縄県の試算に反論するという気持ちはないんですけれども、その試算を拝見してみますと、着手済みの護岸工事に係る当初見込み額を約八十億円とし、その上で、その護岸の建設のみならず、環境調査や警備など、護岸工事以外の経費も含む今までの代替施設建設事業に係る支出済み総額を、約九百三十億円でございますが、この両者を比較して、当初の見込みよりも十倍以上かかっていますよねということから、当初の埋立工事の見込み額約二千四百億円を機械的に十倍して出された試算なのかなというふうに私ども受けとめております。
そこまではかからないというふうに考えております。
○本多委員 大変いい答弁をありがとうございました。
素人が試算をしたわけではありません。もちろん、沖縄県は今この工事に反対をしていますから、大きく数字をしたいという気持ちはあると思うんですけれども、立場の違う防衛大臣ですら、そこまではかからない、十倍はかからないと。
国民の皆さんにぜひ御理解をいただきたいんですが、二千四百億円と言って始めたものが二兆になるかもしれない。その沖縄の言っている話も、今、実は、この軟弱地盤が出てきたからじゃない、既に今工事がおくれながら進んでいる中でも予定の費用よりかかっている、この観点から試算をしている。こんなに大きな予算がかかるということをぜひ御理解を、それでもここにどうしてもつくるのかということを理解していただきたいと思います。
それから、大臣、答弁の中で、技術的に可能とおっしゃったんですけれども、これにも疑問が出ています。
今、サンド・コンパクション・パイル工法というんですか、こういう工法で、七十メートルの深さまでの軟弱地盤はやる技術が、世界的にも日本でもあると聞いていますけれども、七十メートルより深いところにも軟弱地盤があるという説も今出ているんですが、本当に技術的にも可能なんでしょうか。
○岩屋国務大臣 実際に、どういう規模の、もっと具体的に、どういう深さの地盤改良工事になるかというのは、今後、その設計というものがしっかり定まらないと明らかにできないことだと思いますが、海上土木工事における地盤改良工事の実績につきましては、今先生がおっしゃったサンド・コンパクション・パイル工法の実績として、日本企業が海外において、水面下の施工深度約七十メートルという実績がございます。また、国内では、水面下の施工深度約六十五メートルの実績があると承知をしております。
いずれにいたしましても、今般、沖縄防衛局において地盤の検討に必要なボーリング調査を行った結果を踏まえて、米軍キャンプ・シュワブの北側海域における護岸等の構造物の安定性等について検討した結果、地盤改良工事は確かに必要であるものの、一般的で施工実績が豊富な工法による地盤改良工事を行うことによって、護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であるというふうに確認されております。
○本多委員 今、最後のところ、確認されているんですか。九十メートルだったらできないんじゃないんですか。
○岩屋国務大臣 九十メートルというのは、現段階では仮定の数字ということになるわけですが、ボーリング調査結果を踏まえて、これまでの実績のある工法を使って施工することが可能だと、これは土木工学にかかわることでございますので、専門家の知見を踏まえて可能だと確認をさせていただいたということでございます。
○本多委員 まあ、七十メートルだったらできるという話を僕はしているんだとそれは思いますよ、その方は。九十メートルでは、まだ今のところ工法も見つかっていない。こんな、非常にお金もかかる、工期も延びる、そして技術もまだ確立されていない、そういう工事が必要になっている状況だということは指摘をさせていただきたいと思います。
もう一点、この軟弱地盤だけでも大変なんですが、活断層の疑いも出ているんですね。
この活断層、政府の答弁書では、政府のやった平成二十五年シュワブ地質調査、図中に示された破線は、活断層と断定はされていないが、その疑いのある線構造と分類されているものである、こういう、政府が出した報告書に、今度、軟弱地盤にプラスして活断層の疑いまでこの当時出ているんですが、これは、今出ているいろいろな書物に活断層が載っていないから、ないという答弁をずっとされているんですけれども、それは、今まだはっきりしていないんだから本には載っていないんですよ。今出ている本には、今出版している活断層一覧マップには載っていないんですけれども、これはきちんと調べた方がいいんじゃないですか、こんな巨大な、二兆円かかる工事をするところに活断層があるのかないのか。アメリカ軍も迷惑だと思いますよ。
○岩屋国務大臣 ただいま御指摘の点については、防災対策上考慮すべき地震にかかわる国内の知見を包括的に集約し、提供している地震調査研究推進本部が、活断層として整理、紹介している各種の調査結果やデータベースのいずれにも、辺野古沿岸域に活断層の存在を示す記載はございません。
また、我が国の活断層に関する一万件以上の文献を網羅的に収集し、新しい文献についても随時追加、更新している最新のデータベースであります活断層データベースにも、辺野古沿岸域に活断層の存在を示す記載はございません。
また、我が国における多数の地質学等の権威によって編集、解説されている活断層詳細デジタルマップにおいても、活断層の存在を示す記載はございません。
私どもとしては、これら権威のある文献等において、辺野古沿岸域における活断層の存在を示す記載がないということを確認いたしております。
○本多委員 そのことは、私、踏まえた上でお聞きをしております。
今、確定をされていないんだから、そういう図鑑とかデータマップには載っていない。しかし、政府の中で疑いがあるというんだから、私は、調べた方がいいということをしっかりと指摘をしておきたいと思います。
国民の皆さんにも、軟弱地盤だけじゃなくて活断層の疑いもあるんですよ、まだ。学者も言っているんですよ。それを調査をしない、非常に問題だと思います。この基地をつくった後に、弾薬が積んであって、活断層があったらどうするんですか。
あと、これは賛否両論がある工事なんですよ。ましてや行政がやっている工事ですよ。手続ぐらいちゃんとやっていただきたい。
投入をしている土砂の質が、沖縄県と約束した性質と違うんじゃないかということが今話題になっています。細かい数字の議論はいたしませんけれども、もうちょっと簡単に言うと、これは、赤土なんてこんなに入れちゃいけないんですよ。私は素人ですけれども、これは赤土に見えるんです。まあ、空母を空母じゃないと言う政権なのでよくわかりませんけれども、これは赤土じゃないとおっしゃっているわけです。
沖縄県は単純な一つのことをお願いしているんです。いろいろ過去のやりとりはある、しかし、立入検査させてくれ、砂をとらせて調べさせてくれと。これを何で拒否するんですか。
○岩屋国務大臣 今実施しておりますキャンプ・シュワブ南側の埋立工事におきましては、外周護岸により閉鎖的な水域をつくりまして、その中に埋立材を投入する工法によって事業を進めておりまして、土砂による濁りが外海に拡散しないようにいたしております。
また、沖縄県の赤土等流出防止条例に基づきまして、県に提出した事業行為通知書に記載しております赤土等流出防止対策を実施して工事を進めているところでございまして、埋立予定地の外海の水の濁りのモニタリングにおいては、埋立材による水の濁りの影響は確認されておりません。
そして、一月三十日に沖縄県の職員による現場への立入り及び現状確認が行われておりますが、そのときに特段の指摘は受けておりません。(本多委員「いつですか」と呼ぶ)一月三十日でございます。
その上で更に立入りをということでございますので、どういう理由で行われるのかという具体的理由を沖縄県に照会しておりますが、まだお返事はいただいておりません。
○本多委員 何を言っているんですか。私、きのう沖縄県の担当者と、皆さんは入る法的根拠がないと拒否しているんじゃないですか。認めてくださいよ、やましくないなら。皆さんは、この土の質が過去に沖縄県と約束をした土の質に合っている、赤土も入っていないと主張するんだったら、検査をさせればいいじゃないですか。何断っているんですか。
○岩屋国務大臣 拒否をしているということではなくて、今申し上げたように、一月三十日に既に現状確認が行われていて、そこで指摘はなかったわけでございます。また、防衛局としても、埋立材について必要な性状確認を行って、関係書類を県に提出もしておりますので、その上で更に立入調査というのはどういう理由でしょうかという照会を県にさせていただいているということでございます。
○本多委員 一月三十日の調査というのは、何を、その土の調査で入ったんですか、沖縄県の職員は。
○岩屋国務大臣 赤土等防止条例に指摘するところの、濁りがないかどうかという確認にお越しになったと承知をしております。
○本多委員 濁りがないかの確認は濁りがないかの確認であって、土の性質を検査させてほしいという要請は来ているはずです。そして、沖縄県はまだ諦めていません。ぜひやらせてほしいと言っています。ですから、今拒否しているのは防衛局です。
とにかく、ここで言い争ってもわからないんですよ。やましくないんだったら、別に法的根拠はないかもしれませんけれども、しっかりと調査を沖縄県に僕はさせるべきだと。そして、土の質が過去の約束と間違っていないから赤土防止条例にも反していないというんだったら、堂々と、私は、検査をさせて、これだけ国民の関心もある工事です、目で見て疑義を感じている国民も多くいらっしゃいます、ぜひ、こういう、きちんと、当たり前の調査をしっかりと認めるべきだと思います。
私たち、例えばサンゴの問題も、総理、あそこのサンゴは移しているということで、他の議員と、川内議員とも議論をしました。言い方がやはり、あそこのサンゴを全部移しているみたいにとられる言い方を、僕は総理はされたんじゃないかなと思うんですよね。
だから、総理の、何か全体をばっと言い切るみたいな言い方で、多くの行政の方も、後でその総理の答弁と合わせる説明をしなきゃいけなかったり、国民の側も誤解をする方が出る。
ですから、サンゴも、まだ移していない方が多いわけですよ。七万四千のうち一群体だけ移しただけなんですよ。あそこという言い方も、たくさんある工事の地域のうちのどこかで、まあ、その説明が違うわけです。
ですから、総理、あのときの言い方はもうちょっと丁寧に説明すればよかったということだけは言っていただけないですか。
○岩屋国務大臣 先に私の方から事実関係だけ。
現在埋立てを進めているキャンプ・シュワブの南側、辺野古側とも言っておりますが、そこにおけるサンゴについては、護岸で締め切り周囲と隔離されるとその生息に影響が生じるために、一群体、既に移植をしたところでございます。
総理は、辺野古側の工事については、もうサンゴは移植をしているということをおっしゃったので、御認識は間違っていないというふうに思っております。
北側には、先生おっしゃったように七万四千群体ございまして、これは全部移植する予定でございまして、まず三万九千群体を沖縄県知事に対して移植の許可申請をしておりますが、不許可と今なっておりまして、残念ながら移植がまだ進んでおりません。
○安倍内閣総理大臣 なぜサンゴを移植しなければいけないかということについては、いわばそういうやりとりですから、NHKの中でのやりとりについて、どういう考え方で私がお話をさせていただいたかということでございます。
南側海域全体について、周囲の海域に影響を与えないように埋立海域全て護岸で締め切った、締め切ったら、当然それは、締め切った段階ではサンゴに大きな影響が出るから、サンゴを移植しなければいけないということであります。
他方、北側はまだ締め切ってはいないわけでございますから、締め切っていない段階ではサンゴには影響は出ていない。しかし、締め切れば当然サンゴを移植しなければならないということになります。
この土砂が入っている、要するに北側と……(本多委員「それはわかっているんです。言い方の話」と呼ぶ)
言い方で、私の説明が常に十分だということを申し上げるつもりは全くありませんが、NHKの中のやりとり、短いやりとりの中でこう申し上げたことについて、私は間違ったことを決して申し上げているわけではありませんし、そのやりとりの中で、では北側はどうなんですかということになれば、北側は、当然それはサンゴを移植しますが、それは締め切る前にはちゃんとやらせていただきますよということをお話をさせていただくわけでございますが、これは、少ないやりとり、やりとりはそこで終わっているわけでございますので、私は別に誤解を何か与えるような言い方を、ということでございます。
本多委員の指摘、本多委員の考え方としては、もう少し詳しく説明しろよ、こういうお気持ちなんだろうと思う。そのお気持ちはわからないわけでももちろんありませんが、しかし、NHKのその討論会の中、討論会というか私とキャスターだけだったんですが、その中でのやりとり、どんどん話題が移ってまいりますから、私は別に他意があってそう申し上げたわけではなくて、基本的に事実に基づいて申し上げているということでございます。
○本多委員 言い方をもっと丁寧にしていただきたいということを私は指摘したいと思います。
それで、とにかく、この工事ですけれども、安全保障上の議論はまたしっかりとしたいと思うんですが、工事としてもう成り立っていない。十倍かかるという試算も出ている、また、期間もどれだけ延びるのか。こんな状態になって、やり始めて、一度とめる、このぐらいのことはしっかりとすべきだということを私は強く申し上げておきたいと思います。
さて、次に、自衛隊の募集についての問題に移りたいと思います。前回の続きになります。
もう一回、これも基本的な立場を、何か部分だけとると誤解をされるんですが、私たち立憲民主党は、自衛隊は憲法違反などとは全く考えていません。合憲の存在で、日本の防衛のためにしっかりと頑張っていただきたいし、隊員の皆さんは本当に苦しい訓練を経て国民のために努力をしていただいているという立場でおります。
ですから、憲法上問題がないので、それをあえて明記をして、変えると総理が言っていることに対して、それは必要ないんじゃないんですかという議論をしているということは、ぜひ、まず前提としてわかっていただきたいと思いますし、きょう、このパネルを持っている池田真紀議員も同じ北海道ですけれども、自衛隊の基地が千歳や恵庭にあって、たくさんの自衛官の方の地域です。
私も、前回の国会の答弁で、こんな、憲法で明記して何とかと言う前に、募集も大変かもしれないけれども、トイレットペーパーも自費で買わせているという状況を指摘しました。こんなこと、情報が伝わったら、それは人は集まりませんよ。募集も大変になりますよ。予算をかけるところが間違っているんじゃないかという指摘をさせていただいています。
そして、募集も、しっかりとこれは自治体の理解を得ながら進めていただくこと、いいと思っているんですよ。ただ、それを上から目線で、何割拒否している、こういう言い方に問題意識を持っているということは、ぜひ御理解をいただきたいと思うんですね。
これは、ずっと水かけになるかもしれないんですけれども、ちょっと国民の皆さんにしっかりと理解をしていただきたいんです。
総理は、六割の地方自治体、今、市町村は千七百四十一ありますけれども、総理が望む協力をしているのが六百三十二、三六・三%、そのうち十四はデータでくれているんですね。それから、逆に、すぐ捨ててもらうからありがたいということで、これはちょっと協力の度合いが低い方にしていますが、宛名シールでくれている自治体も四ある。そして、紙媒体が六百十四。
総理が協力じゃないと、私は「九割以上協力では?」とこの下の方のせりふで、総理はこの「六割以上が拒否」と言っているわけですけれども、これは国民の皆さんに判断をしていただこうと思うんです。総理とやりとりをしても、これは平行線で、一度言ったことは変えないというすばらしい信念の総理ですので、変えていただこうとは思わないんですけれども。
一つ、事実で、ちょっと総理、この緑のところを見てください。緑のところの「住民基本台帳の閲覧」だけでも、住民からいろいろなことを言われて大変なんですよ、市町村の職員さんは。何で私の高三の息子のところにダイレクトメールが来たんだと、市役所の人が苦情電話を受けて大変な思いを、それも協力だと思います。
しかし、市町村が抽出というのがあるんですね。これは三三・七%、五百八十七。つまり、全部見て十八歳、十七歳を探すのは大変だから、十八歳、十七歳を市町村の職員が忙しい中抽出して、見てくださいと言っている。これは協力じゃないですか。
○岩屋国務大臣 事実関係ですから、私の方から。
そして、その前に、先ほどのF2Bの搭乗員二名は救助されました。御報告を申し上げます。
また、事故の詳細については、わかり次第御報告を申し上げたいというふうに思います。
それから、総理が求めている協力ではなくて、自衛隊法及び政令の規定に基づいて防衛大臣からお願いをしている情報の提供に、残念ながら応じていただいていない自治体が六割あるということは事実でございます。
それから、今先生は、三三%は該当情報をピックアップして閲覧に供しているから、それも協力ではないかというふうにおっしゃいましたが、閲覧そのものは、これは一私人でも公益に反しない限りは認められるものでございます。そして、閲覧をさせていただいても、やはりそれも自衛隊員が一個一個書き写していかなければならないということでございますので、やはり、ぜひ情報を紙媒体あるいは電子媒体の形でいただきたいというふうに思っているところでございます。
○本多委員 ちょっと、岩屋大臣と議論をしていないんですよ。岩屋大臣のような丁寧な言い方で自治体の方にお願いをしていただきたいというのが私のお願いなんです。自衛隊が憲法違反だからなんて思っていないんです。
今、個人情報が厳しくなって、ちょっとそれから大臣が間違っていると思うのは、かなり昔は住民基本台帳というのは誰でも閲覧できたんです。ところが、二〇〇〇年代の初めから個人情報が厳しくなって、私人が見られる場合の条件は相当厳しくなっているんです、裁判に使うとか。ですから、そこは誤解がないように。これは、はっきり言って警察も見られません。海上保安庁も見られません。自衛隊だけなんです、こうやって網羅的に見られているのは。だから、そこは感謝をしてほしい。
この住民基本台帳をつくるのに自治体も努力しているわけです。それを閲覧させるというのは重要な協力だし、まして、抽出をしているところが五百八十七ある。私は、でも、岩屋大臣の丁寧な言い方はいいと思っているんです。ただ、総理の拒否というのはないでしょうと。総理と議論したいんですよ。
抽出している、これは。苦情の電話を受けているわけですよ、何でうちの息子にDMが来たんだと。これは協力しているんじゃないんですか。
○野田委員長 岩屋防衛大臣、簡潔にお願いします。
○岩屋国務大臣 先生の御認識、ちょっと違うんじゃないかなと思うんですが、住民基本台帳法、これは総務省の所管でございますけれども、他に法令に規定のあるときは、国又は地方公共団体は閲覧することができるという規定がございますので、閲覧をさせていただいていると申し上げておりますけれども、法令に基づいてもともと閲覧ができるという状況にあるということだけ申し上げておきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 大臣から答弁させていただいたとおりでございまして、自衛隊法令、自衛隊法及び政令の規定に基づき、防衛大臣は、全ての都道府県知事及び市町村長に対し、直接自衛官募集に必要な資料の提出を求めているわけでありますが、全体の六割以上の自治体は、防衛大臣の求めに応じず、資料を提出していないというのが実態であることには変わりがないわけでございまして、このように、法令に基づき、自衛隊の事務とされている事項について、法令に基づく防衛大臣の求めに対して応じていただいていないことは紛れもない事実でありまして、残念であると申し上げているわけでございます。
いわば、膨大な作業量がかかるのは事実であります。もちろん、これは自治体に協力をお願いしているという立場ではありますよ。でも、しかし、これは膨大な作業量の中では、もちろん、それはいろいろな苦情が来るということは事実だろうと思いますが、しかし、同時に、最初の資料を提出してください、その資料を提出したときの、これはもっと大きな、これはさまざまな団体等の抗議があったのは事実であります。
だから、抽出というのは、結構それは、確かにおっしゃるように手間がかかるんですよね。抽出をするぐらいであれば、防衛大臣の求めに応じて資料を出していただいた方がいいのではないかと考える人もいるんだろうと思いますが、しかし、それは大変な、またそこで、現場においてさまざまな大きな抗議運動、活動があったという歴史があったのも事実でありますから、その中でそういう方法をとってきたということだろう、こう思います。この議論がある中において、もう一度、果たしてどうなんだろうということを調べている方々もいます。
確かに、立憲民主党の立場を表明されました。非常に明快に表明されてよかったと思うんですね。私が議員になった当初は、いわば、当時の社会党、共産党というのは、これは……(本多委員「人の党のことを言うのはやめましょうよ」と呼ぶ)いやいや、いわば自衛隊が違憲だ、こう言っていたわけです。我々と連立を組んだときに合憲に変わったんです。またその後もとに戻って、またちょっとやや戻ったと言われている、そういう中において、そういう運動が展開されていたのは……(発言する者あり)いや、そういう運動が展開されていたのは事実でありますから、そういう中でこういう状況になっているというのは、私は……
○野田委員長 総理、簡潔な答弁をお願いいたします。
○安倍内閣総理大臣 はい。
そういうのは事実なんだろうな、このように思っております。
○本多委員 総理がそういうふうに、何か、何十年前のどこの党の話か僕はよくわかりませんが、そういう誤解をされるので、毎回毎回質問のたびに私たちの立場を言わなきゃいけない。しっかりとそのことは理解をしていただきたいと思いますけれども、この抽出のところは協力をしているということも、総理、お認めいただきましたので、今後は六割以上が拒否とかという言い方をしない方がいいと思うんですね。
私は、昔の防衛大臣、今の岩屋大臣、まあ、岩屋大臣もちょっと総理のもとで苦労されているんだと思いますけれども、石破防衛庁長官、こうおっしゃっているんですね。
情報を提供するかしないか、あくまでも私たちは依頼をしているわけでございますし、私どもが依頼をしても、応える義務というのは必ずしもございません。私どもは依頼をしておるわけでございますし、そのことについては応えられないということであれば、それはそれでいたし方ないということでございます。
これは二〇〇三年の石破防衛庁長官です。
それは古い話じゃないかとおっしゃられたら、二〇一五年、つい最近でございます、中谷防衛大臣。法令等を丁寧に説明した上で、地方公共団体が実施し得る可能な範囲での協力をお願いいたしておりますと。
こういう立派な答弁を歴代の防衛庁長官や防衛大臣はしていますので、ぜひ、この解釈を勝手にねじ曲げないでいただきたい。
それから、総理、要請している、要請していると言いますけれども、要請の仕方が間違っていると思いますよ。いいですか。紙で出してくださいという話なんですけれども、私、どういう紙で要請しているのかと要請文を見ました。いろいろなこととごっちゃに入っているんですよ。そんなに大事で憲法まで変えるとかなんとかと騒ぐんだったら、きちんと分けてお願いした方がいいと思いますよ。
いろいろなものがあるんですよ。町内会、青年団、婦人会、消防団、理髪組合等市町村内の各種団体に対する募集広報の協力依頼。随分、理髪組合にまで依頼してくれとか、こんなの、応じていない自治体がほとんどだと思いますよ、忙しいので。応じているところもあるのかもしれませんけれども。
こういうことが十七項目入っているんですよ、イベントに呼んでくれとか音楽会に呼んでくれとか。その中の括弧十一に入っているんですよ。こんな要請の仕方で、自治体の中も、そんな頼まれた覚えがないという新聞のコメントもたくさん出ていました。
そもそも、こういう、きちんと法的な位置づけも曖昧なまま、そして、これまではお願いベースでやっていたことを、突然上から目線で、拒否してけしからぬ、こういう空気を変えるために憲法を改正する、こんなむちゃくちゃな理論で地方自治をじゅうりんすることはやめていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
○野田委員長 岩屋防衛大臣。
○安倍内閣総理大臣 私の答弁の後、岩屋大臣から答弁をさせていただきます。
先ほど、抽出について、いわゆる私どもが求めている協力では、これはございません。ただ、抽出というのは、作業量としてはあるでしょうから、十八歳から二十二までですか、そういう作業をするのであれば、そもそも、いわばこれは書面あるいはデジタルで出していただいた方が早いのではないのかな。
でも、なぜそうなっていないかということに原因があるということは、委員もそのところは理解をしていただける。そのことで過去の歴史をちょっと話したわけであって、それが御党と同じだとは、毎回、本多議員、明快に述べておられますから、それを私は混同はしておりませんけれども、ですから、そうやって混同されないように明確に述べられたことはよかったのではないか、こう思っているわけであります。
かつてはそういう事実があって、役所というのは前例をずっと踏襲しているところが多いわけでありますから、その中でそういう対応が続いてきているのではないか。私のあれとしては、そうした空気を変えていく上においても、そうしたことが大切ではないか。決して私どもも上から目線でやっているということではなくて、私は私の問題意識を示させていただいた。
今の対応ですね。ちょっと岩屋大臣からの答弁、私によって迷惑をしていると言われている岩屋大臣からも答弁させていただきたいと思います。
○野田委員長 私の指名を聞いてから、総理も大臣も答弁に立っていただければと思います。
それでは、岩屋防衛大臣。
○岩屋国務大臣 まず、安倍総理から、私、迷惑は受けておりませんので、はっきり申し上げておきたいと思います。
それから、今、先生は法令上の根拠が曖昧だというようなことをおっしゃいましたが、自衛隊法並びに政令におきまして、実は根拠は明確なんですね。ただ、確かに、自治体側の解釈と私どもの認識がずれているケースもあったんだろうと思います。そこはやはり丁寧な説明とお願いが必要だと思っておりまして、見直すべきところは見直して、更に自治体との良好な関係を築いていきたいというふうに思っております。
それから、先ほど石破先生、また中谷先生の当時の答弁を紹介されましたけれども、当時、やはり個人情報保護法との関係でこの問題が議論になったことがございまして、かつては住民基本台帳のさまざまなデータも見ることができたわけですけれども、個人情報保護法の誕生によって、防衛省・自衛隊が取得する情報を四情報、お名前、住所、生年月日、性別だけに限定する旨の指示を文書をもって徹底するということにさせていただいたところでございます。
そういう状況の中にあって、石破元防衛大臣あるいは中谷元防衛大臣も、ああいうお人柄もあって、丁寧な答弁をされたのではないかというふうに思っております。
○本多委員 法律の大事な問題なんです。個人情報保護というのはすごく今大事なことなんです、これから山尾議員も議論すると思いますけれども。ですから、石破防衛庁長官と中谷防衛大臣の方針をしっかりと受け継いで頑張っていただきたいと思います。
それで、もう一つ。総理が憲法改正の理由として何度もいろいろな講演でもおっしゃっている、お父さんは違憲なのと言って涙を流した自衛官の子供さんがいるという逸話、これは実話かという話を前回の委員会で質問させていただきましたら、なぜか総理が激高しまして私のことを、私をうそつきと言うのかと、私が総理のことをうそつきと言ったかのような画面がテレビでも流れていますが、私は単にどこで聞いたんですかと言ったら、総理はその場ではお答えをいただけませんでした。
私、いずれにしても、この子が実在しようがしまいが、こんな話が憲法改正の理由になること自体がとんでもなくおかしいと。いじめとか、もし何かあったら、ちゃんとその子に説明をしたり、その学校であったことを解決していくことが先であって、この子がいたから憲法改正が必要だなどという情緒論みたいな話は問題だと思うんですけれども、一応、実話なのかという話を聞いて、御準備をいただいているようなのでお答えいただけますか。
○安倍内閣総理大臣 前回、本多委員が私がうそをついているということを前提に質問をいわば組み立てられておりましたので、それはおかしいでしょうということを……(本多委員「私の内心ですから」と呼ぶ)済みません、内心は私わかりませんけれども。(発言する者あり)
○野田委員長 お静かにしてください。静かにしてください。
○安倍内閣総理大臣 本多先生、済みません。内心ということはもちろんわかりませんけれども、私が推測する上においては、ほとんどそれを前提にしておられるのかな、私はこう考えたわけでありまして、その中でそういうふうに申し上げたわけでございます。
そこで、この御指摘のエピソードについては、防衛省担当の総理秘書官を通じて、航空自衛隊の幹部自衛官から伺った話であります。航空自衛隊の幹部自衛官ということをここで述べていいかということは、本人に秘書官を通じて確認をしております。
これ以上詳しいことは、自分と自分の息子も、あるいはそのときの学校の先生にもかかわることなのでこれ以上は述べないでもらいたいと言われておりますので、航空自衛隊の幹部自衛官から伺ったということまででとどめさせていただきたいと思うわけでございますが、秘書官自身が自衛官本人から直接聞いたものである、このように考えております。
ただ、私が申し上げたかったことは、多くの、ほとんどの教科書にそういう記述があるのは、その記述というのは、違憲論があるということが記述があるのは事実でありますから、そういう記述をなくすということはいわば違憲論争に終止符を打つという考え方で述べているわけでございまして、これは防衛の根本にかかわることではないかと私は考えているところでございます。
○本多委員 きょう、その総理秘書官、私、お呼びしているんですけれども、来ていただいていますか。いつごろ、御自身の話なのか、自分の友人の話なのか、それぐらいはお話しいただきたいと思ってお呼びをしているんですけれども。
○安倍内閣総理大臣 秘書官はここにおりますが、秘書官を参考人として呼ばれましても、これは、秘書官というのは膨大な職務もありますし、いわば、私の秘書官ですから私が当然答えるのが当たり前であって、私がすぐ聞けばいいだけの話でございまして、今言ったことが全てでございまして、では、これが違うと言うのであれば、その違うという証拠を出していただかなければ、一々秘書官をこのことで、それはどうかということだと思いますので、先ほど言ったことが全てでございまして、秘書官自身が確認をしていることでございます。
今申し上げましたのも、航空自衛隊の幹部自衛官であるということは申し上げましたが、これは、ここまでは述べていいかということ、だんだん絞られてきますから、ここまで述べただけでも。それで、秘書官からはもう一度確認をしている、どこまで述べていいかということも確認しているということでございます。
○本多委員 今、総理秘書官は呼ばないと言っていますけれども、そんな話、通らないんですよ、この政権においては。
加計学園問題でも、柳瀬さん、総理に言わずにですよ、総理の親友の業者と三回も首相官邸で会って加計学園問題のことをやっていて、それを、記憶にない、記憶にないと言って、やっと私たちが呼んで出てきて、三回も首相官邸で柳瀬秘書官は会っていたことが明らかになったじゃないですか。
今回だって、今、我々の追及で、これはまだまだ事実かどうかわかりませんよ、中江秘書官、統計問題で厚生省にプレッシャーをかけたんじゃないかと。私はそういう、総理秘書官が重要な役目を果たしちゃっているんですよ、連絡調整を果たすだけじゃなくて。総理の命を受けてというはずなのに、総理と勝手にいろいろやっている。
ですから、私は、この問題だって、総理に言われてどういう話になっているのかよくわかりませんけれども、呼ぶ必要があるということで指摘をいたしました。
いずれにしても、こういう子供がいようがいまいが、その問題をしっかり解決することであって、憲法改正につながる理由では全くないということを指摘して、質問を終わりたいと思います。
以上です。