衆議院-予算委員会 2019年(平成31年)03月01日
 (国会会議録検索システムより抜粋) ※この質疑の動画はこちら




○本多委員 立憲民主党の本多平直でございます。  冒頭、委員長に感謝を申し上げたいと思います。  昨日の、質問者ですらない私への与党議員の、私から見ると不適切な発言について、また、発言者ですらなく、ただ座っている私に対する与党議員の傍聴席からの不穏当なやじに対して、適切な発言をいただいたことに感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。  それでは、質問に入りたいと思います。  まず、川内先輩と一緒に追及をしてきた辺野古新基地建設現場でのサンゴの移植についての本年初めのテレビ番組での安倍総理の発言について、最後に一つだけ総理に認めていただきたい点を質問したいと思います。  ずっと、あそこはどこなんだとかいろいろな議論をしてまいりましたけれども、やはり、あそこのサンゴは移していますじゃなくて、それだとちょっと言い足りなくて、川内議員も指摘したとおり、保護対象のサンゴを移しているだけなんですね。これは、総理からいうと、厳しい基準で、しっかり移すものを移すというために選んだサンゴを移しているわけで、川内議員も指摘をされたように、保護対象ではないサンゴは移されていないんですね。  ですから、あの日の総理の発言は、あそこのは、まあ、これは議論があるのでそのままでいいでしょう、あそこの保護対象のサンゴは移していますというふうに、一言つけ加えた方が国民にとってわかりやすかったのではないかと私は思うので、ぜひ総理のお考えをお聞かせください。

○安倍内閣総理大臣 住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場が、固定化され、危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければなりません。これは、地元の皆様との共通認識であると思っております。  辺野古への移設は、普天間飛行場の全面返還を実現するために進めているものであります。  移設作業に当たっては、周辺の自然環境に最大限の配慮を払うため、約五年間にわたる環境影響評価を行っております。その際、沖縄県知事からは、合計六度、千五百件以上に及ぶ意見をいただき、これを全て反映している。その上で、保護対象のサンゴについては移植をし、また、国指定の天然記念物や絶滅危惧種に指定されている貝類、甲殻類なども移動させる方針であると承知をしております。  このうちサンゴ類の移植については、沖縄防衛局において、部外の専門家から成る環境監視等委員会の指導助言を踏まえて保護基準を設定しており、実際に設定した基準は、那覇第二滑走路の工事に伴う埋立ての際よりも相当厳しいものであり、この内容は沖縄県にも報告をしていると聞いております。  具体的には、那覇第二滑走路の工事に伴い、小型サンゴ約三万七千群体の移植を行いましたが、仮にこれに辺野古移設と同じ基準を当てはめれば、小型サンゴ類約十七万群体を移植する必要があったものと承知をしております。  なお、北側海域には保護対象のサンゴ約七万四千群体が存在しておりますが、このうち約三万九千群体については、昨年、二度にわたり県に移植に係る申請を行いましたが、二度とも県により不許可となっている、こう聞いております。  このように、サンゴ類の移植については、環境保全に最大限配慮して適切に実施する方針であるものと承知をしており、御指摘の私の発言については、何ら訂正すべき理由はないと考えております。

○本多委員 私の中では最大限総理に寄り添って、総理にここだけは言い方を、こういうふうに言った方が国民にわかりやすかった、内閣総理大臣の発言に、一つ一つ、訂正をしにくい事情もあるのかもしれませんけれども、一番総理に答えやすく、こうした方が国民にわかりやすく、この一カ月、この議論を詰めてくる必要もなかったのではないかという聞き方をされましたが、総理の御答弁はこういうことでございました。そういう姿勢であるということで理解をして、今後も追及を続けていきたいと思います。  次に、横田空域の返還の問題について質問をさせていただきたいと思います。  沖縄で米軍が大変大きな存在を占め、沖縄の皆さんに大変大きな負担を強いているという問題。これは、なかなか本州の人間、本土の人間にわかりにくいことではあるんですが、実は本州にも米軍基地はありますし、そして、目に見えない広大な、東京都から新潟県に及ぶ空域に米軍が管制をしている。これは占領当時から続いてきたものが今も残っている。部分的には時々返還をしてきているわけですけれども、大きな空域が返還をされていません。  私、この問題で、今回、東京オリンピックに向けて、本当にかすめる一部の部分を、日本の旅客機が羽田空港の滑走路に着陸間際に一旦その地域に入り、そして出てから着陸をするというコースを許可をされたというお話を、先日、国土交通大臣、そして防衛大臣からお聞きをいたしました。  私がここでそのとき疑問に思ったのは、実は、やはり旅客機ですから、管制空域を、一旦、米軍のところに入って日本のところに戻るというのは非常に、何かそこで手違いが発生をしたら万が一のことにつながりかねない。だから、この際、米軍の支障がなければその通過を許して、管制も一々かわらなくて済む、そういう合意を、文書はなぜか出していただけないようですが、今回、得たということなんです。  ただ、私が、ここで総理に、総理は日本の主権について大変大事にされて発言をされてきていると理解をしています。最近、北方領土に関しては私たちは少し心配をしていますけれども、尖閣や竹島の問題、日本の主権に対しては、大変毅然とした発言をされてきていると思っています。  そこで質問なんですが、今回、旅客機が通過をする部分の返還を要請して、いやいや、横田基地の米軍の離発着に支障がありますといって断られたんだったら、今回の結果で私は納得がいくんです。一歩前進ですから、小さな一歩ではありますが。しかし、要請していないというのが先日の国土交通大臣のお答えだったんです。  私は、総理のポスターに書いてあるスローガン「日本を、取り戻す。」いろいろな意味でとれると思うんですが、北方領土も取り戻していただきたい、横田空域も、すぐに全部は無理だけれども、少しずつ取り戻していただきたいと思っているんです。そうした中で、要請はしてみるべきだったんじゃないか、要請して断られたら、では、今回は運用でやろう、そういう段取りを踏むべきだったんじゃないかと思いますが、総理、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 羽田新経路の横田空域の通過について、米側と必要な調整を行ってきましたが、先般、基本合意に至ったものと承知をしております。  基本合意そのものについては、米軍の運用にかかわる情報も含まれていることから、公表することは差し控えたいと思います。  また、横田空域の通過時間は、年間の四割程度である南風時のうち、一日の三時間程度であることから、空域の削減ではなく運用上の対応を行うこととなったものと聞いております。  要請を行ったかどうかということでございますが、この空域については、第二次安倍政権が成立する以前から米軍とさまざまな調整を行っているところでございますが、その間、我々がどういう交渉をしているかということについては答弁を控えさせていただきたい、こう思うところでございますが、このように、我々も交渉を行いながら、今回は基本合意に至ることができた、このように考えております。

○本多委員 大変残念な答弁をいただきました。米軍にもいろいろな事情があるでしょう、軍事的な事情。私は、そこはつまびらかにしていただいていません。要請をして断られたんだったら今回は仕方ないという判断ができますが、要請をしていなかったというのは非常に残念であります。  総理にもう一問質問したいんですが、将来的に、米国、米軍の同意も得て、この横田空域は縮小をして、日本国が独自に管制をする空域を広げていく、そういうおつもりはありますか。

○安倍内閣総理大臣 先ほども、私は要請をしていないということを言った答弁をしたわけではなくて、今までの政権、第一次安倍政権も含めて、またその前の小泉政権も含めて、さまざまな交渉をしておりました。私も、例えば小泉政権のとき、森政権のときについては承知をしている立場でございますが、その中の交渉内容につきましては答弁は差し控えさせていただきたい、こう申し上げたところでございます。  基本的に、本多委員がおっしゃっている意味も私もよく理解をしておりますし、この空域については、いわば日本側としてこれを全面的に使わせてもらいたい、日本の空域としてですね、それはそういう気持ちはもちろんあります。  他方、同時に、安保条約の五条において、日本がもし侵害をされたときにおいては共同対処してくれる米軍がいる、一方、米側は、六条において、日本において施設等々について極東の安全のためにこれを使用することができるということで成り立っている中において、総合的に判断していくことが求められているわけであろう。  そういう中で、今一歩ずつこうした交渉を行っているということで御理解をいただきたい、このように思います。

○本多委員 将来的には日本の空域として使いたいという思いが一致したことは、大変私はうれしい思いでありますが、残念ながら、国土交通大臣は、今回要請していないということを正確にこの委員会で申していただきましたので、そこのところは私は残念だということはしっかりと申し上げておきたいと思います。  次に、片山大臣の関東信越国税局への問合せについて。  なぜ私がこれにしつこくこだわっておるかと申しますと、昨年の予算委員会で、私の質問に対して、そんなことをした記憶はないというようなことを言って、その後に、ある新聞社からの情報公開請求で、関東信越国税局総務課への衆議院議員片山さつきさんの事案、黒塗りで、全部、何を書いているかわからないんですけれども、片山さつき議員との対応状況、片山議員から櫻井総務課長宛て、次のとおり電話があったと。随分長々とお話をされたようでございます。  私は大変、私の質問に対して虚偽の答弁をされたということで悔しい思いをしましたが、残念ながら、先日、片山大臣と議論をしたら、この件に関しては記憶がない、多分、具体的な、私は企業についての問合せはしていないということ。記憶がないのに、企業についての問合せはしていない、制度についての問合せをしたんだと、何か、わけのわからない記憶がおありになるようであります。  それで、先日もちょっと質問したときに、麻生大臣だけがこれを見られるんですね。これは事務方に確認をいたしました。何か、当日、麻生大臣に確認をしましたら、国税庁長官しか見られないと言ったが、そんなことはないんです、麻生大臣に言われたら出しますと事務方は言っていました。  それで、私は昨日、片山さつき大臣が特定企業のことを問い合わせていない、あくまで制度の問合せをしただけだということを、麻生大臣、この紙を見て確認をしておいていただけますかとお願いをしております。確認をしていただけましたでしょうか。

○麻生国務大臣 本多先生の御質問ですけれども、まず、これは片山先生が基本的には説明責任を果たしていかなければならないものだと考えておりますので、私は片山大臣の口きき疑惑を解明するという立場にはありません。まず、これだけははっきりしておきましょう。  その上で、国税庁の税務行政というのは、これは極めて政治的な中立性を求められているのも御存じのとおりなので、そういった意味で、開示請求も含めまして、国税庁の個別の案件について、財務大臣が指示をしたり受けたりするということはありません。

○本多委員 片山さつき大臣が記憶をなくされているので、私は、もうこれは麻生大臣に頼るしかない、そうしたら片山さつき大臣の潔白も証明されるということでお伺いをしましたが、残念な答弁でございました。確認をしていただけなかったようです。私は、この問題は今後とも追及をしていきたいと思っています。  次に、少し防衛費の話をさせていただきます。  「いずも」の空母化について、私は空母化だと考えています。F35Bを搭載する、STOVL機を搭載するということは、一般的に、国際常識に照らして言えば、空母化だと思っています。実は、今の「いずも」でさえ、世界の空母図鑑等には載っていまして、ヘリコプター搭載型空母という言い方さえできるので。  私、ここで何を言いたいかというと、今回、なぜこんなに不正直なんだろうと。  実は過去の国会答弁が空母は持つことができないと言っているなら、それは、でも、どうしても持ちたい、これは空母と言ってしまうと持てなくなるということになるんですが、過去の国会答弁は攻撃型空母は持てないと言っているので、今回持って、しっかりと防御型空母とか何か名前をきちんとつけて、正直に議論がしたかったんですよ。この前も言いましたが、これは時計ですか、時計の定義は国際的にはありません、そういう議論をしていたら、真実にたどり着けないんです。  だから、一度、防御型ですよ、専守防衛に使いますよ、だけれども空母を持つんですと。憲法には違反するかどうかは、そこを、そこから先に議論したいのに、こんな言葉のところで議論をしなきゃいけない状況が大変悲しいんですよ。  ですから、きょうは、解釈じゃなくて、総理に、誰がどう見ても空母のものを、その言い方を変える、こういう防衛論争というのはいかがなものか。このことについての、防衛大臣とはこれから安保委員会で具体的な議論をします。総理に、こういう言葉遊びみたいなこと、そして、憲法違反という答弁にひっかかるんだったら、それは場合によっては言葉遊びも必要なんでしょう。今回、ひっかからないんですよ、防御型空母であれば。そういうものがあるかどうかは別として、いろいろな議論はあるんですけれども。  でも、こういう言葉遊びみたいなことを積み重ねては日本国の防衛政策にとってよくないと私は思うので、総理、考えをお聞かせください。

○安倍内閣総理大臣 本多委員がおっしゃるように、今まで日本は、日本独自の憲法九条の縛りがある中において、自衛隊発足以来、さまざまな、いわば名称等について、憲法上の定義、憲法上違憲になるかという中において、いわばある意味定義をしながら、言葉に定義を与えながら、厳密な定義を行い、解釈を行ってきたという歴史がございますので、これは、諸外国とかなり、防衛論争の中で、違う独特の論争があったのは事実であろう、このように思います。  その中で、確かに本多委員がおっしゃるように、攻撃型空母は違憲であるという過去の答弁、政府見解がありますが、空母そのものは、攻撃型空母でなければそれは憲法違反ではないだろう、それはおっしゃるとおりだと私も思っておりますが、この「いずも」も、「いずも」型護衛艦を、今回においても、空母について現在国際的に確立した定義がないため、改修後の「いずも」型護衛艦について、空母ではないかとの御意見があり得ることは、これは十分に承知をしているわけでございますが、今回、防衛省としては、多機能運用護衛艦ですか、という名称ということで決定をしているということでございますので、我々もそのように答弁をさせていただいているところでございます。

○本多委員 残念な答弁でした、これも。私は本当に、何か時計ばかり例に出して悪いんですけれども、これが時計ですかという話から議論を始めなきゃいけない議論を何とか脱却して、本当にこれが、憲法の観点、予算の観点、そして、事実上、ヘリコプター、潜水艦哨戒という大事な役目が失われないのか、こういうような議論に進んでいきたいと思っています。  さて、次の質問なんですが、先ほど冒頭、委員長との私のやりとり、総理は昨日は米朝会談の対応などでお忙しかったと思うので、知らないと思う、知らなくていいことなんですが、私、実はもう総理と二度にわたって、自衛官の息子さんが涙を流した話をやらせていただき、そして、ある種、結構議論も呼びまして、賛否両論、いろいろな声をいただきました。  そこで、議論は喚起したので、こういうことで憲法改正の理由でいいのかということも提起をできたので、余り細かいことをこれ以上聞くのも何かなと思ったんですが、昨日、与党議員の振る舞いから大変残念な思いをいたしまして、どうもこの問題の本質がわかっていないな、これはもうちょっとしっかり、やはり自分で途中でやめたことはちょっとよくなかったなと思うので、きょうも少し質問させていただきますので、総理も冷静に議論していただければ幸いです。もし、むかつかれたとしたら、昨日の与党議員の振る舞いをどなたかからお聞きになっていただければと思います。  ただ、私ちょっと、この問題のポイントは、その子が実在するかどうかというのも後で聞きますが、あの日は、うそをついていると言っているじゃないかとか相当言われましたけれども、別に私は、二十何万人もいるし、これだけ長い歴史の中にいろいろな出来事があったと思います。そして、特に三十年ぐらい前には大変つらい思いをされた方がいたかもしれない、そのことは認めます。しかし、今、総理が憲法改正の理由として挙げていらっしゃる、ここにポイントがあります。  私、事実関係の前に、総理の発言で大変問題だった、これはちょっと息子さんの話とは別で、自衛官の募集ですね。憲法を変えたら楽になるんですかということを聞いたわけですよね。そうしたら、総理は、学者もいろいろ、言い切る人は二割しかいない、憲法違反ではないと言い切る人は二割しかいない、ある種の空気が醸成さえされてきたのは事実、自治体にもそういう人がいる、自衛隊を明記するということによってそういう空気は大きく変わっていくということを答弁をされたんですよ。  私は、涙の子供論争より、涙の子供論争を突っ込むためにずっと議事録を見ていたんですが、ここのところに大きな衝撃を受けました。憲法を変えて空気を変える。空気というのは、私は憲法で変えるものではないと思います。国民が自由に暮らしていく中で日本の空気が生まれていく、そういうものだと思っています。  実は、きのう私が感じたのは、総理が思っている、もちろん自衛隊に反対の方はいます。せっかく自衛隊で行事をやっているのに、鐘を鳴らしたり太鼓をたたいたりして、迷惑なことはあるかもしれません。しかし、国民なんです。違憲だという反対の仕方もあるでしょう。もっと小さくしてくれという反対の仕方もあるでしょう。国民なんです。空気を変えてそういう人を減らしていく。私は大変恐ろしいことだと思うんです。  私が守りたい日本は、その方たちは私とは考えが違います、安保法制反対のところでは一緒になったりするんですけれども、私は自衛隊をなくそうとは思っていないので、その方と違うんですけれども、その方の自由、その方が反対をする自由を守りたいんです。その方が自衛隊に反対をしたり、そういう自由も守らなきゃいけないと思っているんです。  反対運動というのは嫌なものですよ。自民党の大会のときにもいろいろな人が来たりするかもしれませんが、我々の政党にもいろいろな人が来るんですよ。私はいいですけれども、せっかく一年に一回の行事に全国から来た党員の方に、反対運動を見せるのは悲しい。自衛官の方もそうですよ。  しかし、日本はそういう活動があることが、すばらしい国にしているんじゃないんですか。どんな人もいろいろなことに反対運動ができる。いろいろなことに反対運動がない国が日本のそばに二つぐらいありますよね、総理が多分お嫌いな国だと思いますけれども。あえて国名は挙げませんけれども、そういう国に日本をしたいんですか。私はすごく強い危惧を感じているので、総理にこの思いをわかっていただきたいんですよ。  あなたたちは憲法違反と集団的自衛権を言っている、日本の防衛のためには集団的自衛権が絶対必要だ、だから憲法を変える、こういう理屈は、私は反対しますよ。しかし、あり得ると思いますよ。しかし、空気を変えて反対運動が少なくなる、それは非常に間違った考えじゃないかと私は思うんです。  そして、きのうのやりとりを思っていて感じたのは、実は、総理、わかっていただきたいのは、逆の空気が今あるんです。私が質疑のたびに自衛隊は憲法違反だと思っていないとなぜ確認しているのか。総理に何か嫌みで言っているわけではないんです。今、ネット上では、私は、自衛隊はいいけれども「いずも」の空母化はだめだとか、自衛隊はいいけれどもイージス・アショアはだめだとか、こういうことを言っただけで自衛隊の敵みたいにネットで書かれて、非常に攻撃を受けたりする空気も、総理、一方にあるんです。  総理の認識とは逆で、自衛官を、それは一部いますよ。あれだけの大きな戦争、軍部が突っ走って数百万亡くなった国で、厳しい声は出ますよ。憲法があるから、ないからだけじゃなくて、憲法改正を総理の思うとおりやった後も出ますよ。  だけれども、逆の空気があるんですよ。自衛官の方を九割の方が今支持していますよ。好意を持っているんですよ。  その中で、しかし、これは行き過ぎだと思って私が必死に議論をすると、あれだけ頑張っている自衛隊を批判するのか、災害派遣であんなに頑張っている自衛官を批判するのか、売国奴じゃないか、こういう空気があるんですよ、総理。私は、日米安保は要るけれども辺野古の基地はまずいと。こう思っていると、中国の回し者じゃないかというネットの書き込みがあるんですよ。  誰でもが批判するものを批判するのは簡単です。しかし、自衛隊、みんなが九割いいと思っているものに、厳しく、ここはしちゃいけないんじゃないか、こういう議論をしたら、おまえは自衛官の息子じゃないから自衛官の息子の気持ちはわからないだろうとか。私は勇気を振り絞って、そういういろいろなネットを見ないようにしていますけれども、そういうことを言われるのを覚悟して。  しかし、日本は軍部の暴走を議会も政治家もとめられずに太平洋戦争に突っ込んでいったじゃないですか。こういう歴史の中で、私は、しっかりと憲法を歯どめにして、必要なものは必要、そして、総理と意見が違っても、これはだめじゃないかという議論を自由に闘わせたいし、静かに楽しくやりたい行事のときに反対運動が来るのは嫌かもしれない、我々も嫌だし自衛隊の方も嫌な思いをするかもしれないけれども、そういう運動もある日本でありたいんですよ。  それを総理、憲法を変えて空気を変える、この発言は、子供の涙の問題以上に私は非常に怖い発言だと思ったんですが、総理、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 相当私の発言を曲解されて批判をされていますから、今、本多さんが石を投げているところに私はいないんですよ。つまり、全くそれは曲解であって、私が言った空気を変えるというのは、そういうことではありません。反対を許さないという考えは毛頭ありませんよ。  実際、私に対する反対運動はありますけれども、それはそれで、どうぞやっていただきたい。それが、反対できる自由がある国が日本の誇りであろう、こう思っていますよ。確かにそれは、目の前で言われると不愉快だと思いますよ。しかし、それがまさに日本の自由の証明であろう、こう思っています。  私が空気を変えると言ったのは、自衛隊が違憲であるという、いわば、今の段階であれば、憲法学者の二割しかそれは合憲と言い切れない状況があるのは事実ですよ。教科書にその記述があるのも事実ですね。そういう中で悔しい思いをしていた人たちもいるのも事実なんですよ。それをそのまま放置していいのかということであります。  今回の協力の件についても、私も首長さんたちから話を聞いたこともありますが、個人情報を守らなければいけないということがありますが、住民基本台帳を閲覧してもらう、これは、いわば今の法手続の中でもそれはできるわけでありまして、私人でもできるんですが、それはいろいろな要件がかかっているのは事実であります。でも、それは大変な作業時間もかかるわけでありますが、しかし、それは、首長さんもそれに協力していたと思っている方もいるんです。自衛隊からの要請に応えていたと思っていた人がいるんですが、実はそうだったということ。  抽出という形で協力していたと思っている人もおられるんですが、しかし、抽出していくというのは結構大きな作業があるわけでありますから、その前に、自衛隊の要請に従って紙媒体等で対応している方がむしろ作業は少ないんですが、それまでさまざまな経緯があったのは事実なんですよ。いろいろな反対運動があった。  これはやはり自衛隊が違憲であるという空気が醸成されていて、そういう中においては、当然、自衛隊の諸君も、その地域のために、あるいは国のために命をかけて努力をしているという中においてはおかしいだろうと。  それは、憲法違反であるということに起因する空気は変わっていくわけでありまして、それを私は申し上げているわけであって、その後も、例えば憲法改正された後も、自衛隊というのは必要ないと言う方は当然おられると思いますよ。そういうものは一切要らないと言う方もおられるんだろうと思います。  そういう人が発言するということは、当然それは自由ですし、空気によって、そういう反対する自由を失わせるような空気が起こっては、私はそういう空気が醸成されるというのは実は大嫌いなんですよ。  ですから、そういう意味での空気というものをなくしていきたいということを申し上げているわけであります。

○本多委員 最後の一言がなければ総理と意見が一致したと言いたかったんですが、そういう空気をなくしていきたいとかと言わない方がいいと思います。  空気というのは、国民が自由な活動の中でつくっていく日本で私はありたいと思います。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。