衆議院-安全保障委員会 2019年(平成31年)04月09日 (国会会議録検索システムより抜粋) ※この質疑の動画はこちら
○立憲民主党の本多平直です。
きょうは防衛省設置法等の一部を改正する法律案の質疑でございますが、青柳委員からも指摘をさせていただきましたが、法案の出し方についてしっかり考えていただきたいと思うんですよ。
我々は、この今回のサイバー防衛隊にかかわる自衛官の定数の異動、そして警戒航空団の創設、格上げの問題については賛成をしたいと思っている部分がございますが、残念ながら、このACSAなど安保法制が関連をしてくる部分についてこういうふうに一緒に出されますと、反対をせざるを得ないという状況が今後も続きます。
皆さんは衆参で今多数をとっているからこういうふざけた出し方をしているんだと思いますけれども、こういうふざけた出し方をして万が一ねじれちゃったりもっと伯仲していると、航空総隊の格上げとかサイバー防衛隊の増強という大事なこともできなくなる出し方をしているということをしっかりと認識をしていただきたいというふうに、この出し方の問題については指摘をしておきたいと思います。
それでは質問をさせていただきます。
ちょっと法案と関係ない点なんですが、先日の伊丹空港へのオスプレイの緊急着陸、先日の質問の際にはまだ詳細がわかっていないということでした。警告灯が点灯した、それでおりて、安全を確認したから飛び立っていったということなんですが、これは、何でもないのに警告灯が点灯しちゃったのか、何らかの事情で警告灯が点灯して、そこの部分を修理をして飛び立ったのか、どちらなのかは確認できているんでしょうか。
○岩屋国務大臣 先般のあの伊丹の事案につきましては、整備員による点検の結果、安全性に問題がないことが確認された上で離陸したものというふうに承知しておりますが、私どもとしては、米側には、新たな情報が得られた際には関係自治体に速やかに情報提供をしたいということで、引き続き連携をしっかり図ってまいりたいと思っております。
今般のものは、パイロットが飛行中の航空機に何らかの通常とは異なることを示す兆候を察知した場合に、周辺地域等の安全を確保する観点から最寄りの着陸可能な場所に速やかに着陸を実施するものであって、いわゆる予防着陸ということだというふうに認識をしておりますが、これは安全確保の一つの手段であるというふうに承知をしているところでございます。
いずれにしても、米側に対して確実な整備、点検、安全管理の徹底等について申入れを行っているところでございます。
○本多委員 予防着陸の是非について私は質問をしているんじゃないんです。なぜこういう予防着陸が起こったかを、やはりオスプレイは、全国で、この機種を特定して皆さん不安の声が多いんです。一般的な反対とかじゃなくて、オスプレイは危ないんじゃないかという声が多い機種が伊丹空港という民間空港に緊急の着陸をした事案なので、きちんと、どういうことが起こったのかを、別に関係自治体とか、言っていないせりふも言わなくて結構なんですけれども、防衛省として、また我々衆議院の安全保障委員会として知っておきたいということで、どういうことが起こったのかということを、では、確認できていないということでいいんですね。
○岩屋国務大臣 米側からの説明によれば、パイロットが、コックピット内の警告灯、どの警告灯であったかということは承知をしておりませんが、点灯を確認をしたため、念のために、安全手順に従って同空港に着陸をしたというふうに聞いております。
○本多委員 たまたま伊丹があったから問題になっていないんですけれども、民間の土地とかにおりた場合は危険なこともあり得るんですよ。だから、警告灯がついた理由とか、どういう理由だったのかということは把握した方がよろしいんじゃないんですか。
それを把握していただきたいと思うんですけれども、いかがですか。
○岩屋国務大臣 予防着陸をした後、整備をした結果、異常がないということを確認して離陸をしたというふうに聞いておるところでございます。
○本多委員 異常がないのに警告灯が点灯したことは問題なんじゃないんですか。だから、どういうことが起こったかをでき得る限り米国に説明していただくべきだと思うんですよ。特に皆さんが不安だと思っている機種が混んでいる民間空港に緊急着陸した事案、もうちょっと説明を米国に求めるべきだということなんです。
何が起こったのか。何もふぐあいがないのに警告灯がついたら、それは危ないじゃないですか、こういうことをしなきゃいけなくなるんですから。予防着陸が必要になっちゃうわけじゃないですか。
○岩屋国務大臣 追加の情報があれば速やかに入手をしたいというふうには思っておりますが、今のところ、整備、点検した結果、異常はないことを確認したので離陸をしたという報告を受けているところでございます。
○本多委員 追加の情報を私は求めてほしいとお願いしているんですが、防衛省から米軍に求める気はないということでよろしいんですね。
○岩屋国務大臣 既に航空機の整備に関して日米間の協議の場を設けておりますので、そういう場等を通じて、追加の情報がもしあれば、入手をしたいというふうに思っております。
○本多委員 もしあれば入手をしていただきたいと思いますけれども、求めないというとんでもない答弁と思いました。
不安に思っている方がいる、それに対して丁寧に説明しないと、結局、防衛を害するという話をこれから宮古の話でしますよ。
この件も、小さな案件かもしれませんけれども、国会でもこういう疑問が出ている。しかし、あれば私たちにも提供を必ずしていただきたいと思いますけれども、小さなことから一つ一つきちんと原因を確定していかないと大きな事故につながっていくという危険から申し上げていますから、何で警告灯がついたんだということぐらいしっかりと聞いて把握をしていただきたいと思っていますが、そういう答弁をいただけなかったということで大変……(岩屋国務大臣「いやいや、もう一回やります」と呼ぶ)では、もう一回お願いします。
○岩屋国務大臣 いや、基本的には追加の情報を求めているんです。もしあれば、ぜひ報告してもらいたいということです。
○本多委員 民間空港にこうやって緊急着陸をして、何もなかったからといって飛び立っていって、理由も、求めているのに今言われていないわけですよ、どっちなのか。若干のふぐあいがあって直して飛んだのか、こっちも問題だし、問題ないのに警告灯が点灯してこんな予防着陸が必要な事態を招いたのか、どっちかさえまだ情報を入手していない状態なわけですよ。
しっかりと求めて、この件は小さいことかもしれませんが、不安の観点から、それから、実際のふぐあいがもしあったら直さなきゃいけないわけですから、米軍にきちんと求めていただきたい。しつこくやりたいと思いますので、お願いをしたいと思います。
さて二点目ですが、宮古の話、先日、委員会の中で方針を転換されて、大きく報道もされています。
本当に、あの日は住民に皆さんは不適切とか言っていますけれども、テープを聞くと、うそ、虚偽と言われても仕方ない説明の仕方を防衛省の職員の方がされているわけです。そこを重く見て、宮古にはもう一つつくらなきゃいけないから、ここで住民の方のこれ以上の不安をあおったら大変になるということで大臣が判断されたことは僕は了としたい、正しい判断されたと思いますけれども、一方で、先ほど小野寺委員が指摘をされたように、とんでもないことが起こったわけですよ。
こうやって正しく説明をしないことで、千代田の方に今自衛隊の基地はもうオープンをして、自衛官がいるわけです。発射装置はあるけれども、弾は移す、弾はない。このことが、皆さんはよく装備に関する御質問には答えられないとかと私たちに全く何も答えませんけれども、これはなぜか答えていただいているわけですよ。あそこに駐屯地があって、発射装置はあるけれども弾はない。それで、新聞の大きな見出しにもなっているわけですよ。これ、防衛のあり方としてとんでもないことになっているということなんですよ。
私は、だからすぐ戻せなんて言うつもりはないんですよ。説明をちゃんとしない、説明を何とかごまかそうと思ってやると、今、自衛官の皆さん、どういう気持ちでこの駐屯地にいるんですか。発射装置はあるけれども弾はない。そして、そのことが新聞の見出しになっている。外国も知っている。ふだんは何も説明しないけれども、今回の件は国会でも明らかになっている。こんな状態で駐屯している自衛官の皆さんの気持ちをどう思われますか。
説明をちゃんとしないということがこんな大きな事態を招いているということについての責任をどう感じていらっしゃいますか。
○岩屋国務大臣 御指摘の件については我々も、しっかり緊急の事態に対応できる措置をとらなければいけないと思っておりまして、そのように指示を既にいたしております。
しかし、今般の説明が当初不十分であったことは事実でございます。一昨日、私も隊旗授与式に行ってまいりました。そこで、市長さんや議長さん、議会の皆様、あるいは千代田区の区長さん並びに住民の皆様におわびを改めて申し上げ、もう既に私が到着した段階では、弾薬を島外に搬出をしたということも報告をさせていただきました。
私としては、まずは信頼回復、信頼をしっかり得るということが大事だというふうに判断をいたしまして今回そういう措置をとりましたけれども、それに際しましては、緊急事態等が発生して必要な場合には迅速に宮古島に必要な装備を搬入できるよう、体制をしっかり整えるように指示をしてきたところでございます。
○本多委員 別な島から弾を運んできてということはあり得ないと僕は思うんですよ。
今回、説明が足りなかった二つの弾薬について、防衛省の方からも説明を聞きました。私は、これはきちんと説明してここに置かせてもらうべきだったというふうに思いますよ。
問題になっている大きなミサイルの方、保良地区に置こうとしているものについては、反対の皆さんの気持ちもあるし、これはしっかりとまた更に議論しないといけないですが、今回皆さんがうそをついたせいで置けなくなった二つの方は、当然あの基地にあるべきものがうその説明をすると置けなくなっているという、反対側の皆さんからしたらうそをつかれたと思いますが、今宮古島に駐屯している自衛官の皆さんから見たら、とんでもない目に遭っているという逆の面もあるということを私からもしっかりと指摘をしておきたいと思います。
だから、説明というのは本当に丁寧に、正直にきちんとしないと、意見の分かれるものもありますけれども、まあこれは置かせてもらえて当然だろうというようなものも置けなくなるという、そういう大事なことなんだということをしっかりと指摘をしておきたいと思います。
次に、きょうもこの法案には定員の話も出ています。今、私、今後の防衛のあり方については、定数をしっかりと確保していくということは大事な問題だと思っています。
予算委員会でも、総理がこれに関して、私から見るとかなりピントのずれた、自衛官の募集のために憲法を変えるとか、一生懸命自衛官の募集に関して協力をされている自治体を協力をしていないと言い放ったり、逆効果のようなことをされて非常に自衛隊の皆さんも迷惑なんじゃないかなと思いましたけれども、でも、私もこの定数の問題は大事だと思っています。
その中で、この三月、四月、防衛大学校卒業、入学の時期ですけれども、任官拒否が非常に、過去一度、バブルの時期に多い時期があったんですが、それを超えて大きな任官拒否が出たという報道を見ましたが、これをどう受けとめられていますか。
○岩屋国務大臣 先般の卒業式に私も大臣として参加をしてまいりました。
卒業生四百七十八名のうち任官辞退者は四十九名でございます。本年度卒業生に当たる平成二十七年度入校者数のうち、中途退校者は五十九名というふうになっております。
任官辞退者からは、毎年度、辞退の理由について聞き取りを行っているようですが、辞退の理由は、他業種への希望、あるいは大学院等への進学、あるいは身体的理由などが主なものだというふうに承知をしております。
いずれにしても、幹部自衛官となるべき者を養成するこの防衛大学校において任官辞退者が出るということは極めて残念なことでございまして、ぜひ全員がそろって任官して、幹部自衛官として誇りを持って職務に取り組むことができるような体制をつくるために、これからも全力を尽くしてまいりたいと思っております。
○本多委員 任官拒否にスポットが当たるんですけれども、実は任官拒否だけじゃなくて、入学したけれども卒業式までに退学している方も相当数いらっしゃいます。
又は、任官拒否をするとあの晴れやかな卒業式に出られない。前日、何か小さな会があるらしいですけれども。では、晴れやかなあれを出た後、幹部候補生の学校に入って一年以内に退学する方も相当いるということを把握されていますか、大臣。
○岩屋国務大臣 防大卒業後に幹部候補生学校入校中に、約十名から、多いときで三十名程度の退職者が発生しているというふうに承知をしています。
○本多委員 ここはいろいろな問題があると思うんです。私なんかは、そういうことをはっきり明示している学生さんはいないですけれども、このデータの上がり下がりを見ると、強引に海外派兵をやろうとしているときにふえるんですよ。
今回の学生さんは、入る前はあの安保法制の騒動はない時期に入られて、安保法制で強引に自衛隊の任務を大きくふやしたことを途中で見て、そういう……(発言する者あり)景気ということをやじで言っている方もいらっしゃる。
いろいろな事情はあると思いますよ。私はそういうことも一つの理由として考えた方がいいと思いますけれども、もっと大事な理由として、この防衛大学校とか自衛隊の中に、とんでもないいじめの体質、ずっとこれは直すべきだということを指摘をされてきて、相次いでいるわけですよ、防衛大学校の中の。まあ、三十年前の体育会だったらこういうこともあったかなと笑っていたかもしれませんけれども。
今、私、この内容を読むと、あえて読み上げたくないんですけれども、今、ブラック企業というのもあちこちにありますけれども、体育会でそういう何か似たようなところもあるかもしれないですけれども、こんなひどいのは余り聞いたことがないんですけれども、この防衛大学校のいじめの事案、これで退学している方とかが多い。これは相次いでいるんですよ。
抜本的にやらなきゃいけないと思うんですけれども、大臣いかがですか。
○岩屋国務大臣 その前に、任官辞退者には、先ほど申し上げたように、全員から聞き取りを行っていますけれども、主な理由は先ほど申し上げたような理由が多くて、平和安全法の話や海外派兵等に言及した者はいなかったということを申し上げておきたいと思います。
それから、いじめの問題についても、本来、リーダーとなるべき者を養成する学校においてこういう事案が生じるということは、極めて遺憾なことだというふうに思っております。
私にも報告がしっかり上がっておりますので、防衛大学校長を委員長とするハラスメント防止委員会を今設置をしてもらっていまして、しっかりとこの問題に対応するように私からも直接申し上げたところでございます。
こういう事案の根絶に努めていきたいというふうに思っています。
○本多委員 しっかりといい人材に自衛隊に入ってもらうためには、防衛大学校もそうです、きょうは時間がなくてできませんでしたけれども、海上自衛隊で相次いでいる自殺の事案、これも、今後また時間をつくってきちんと取り上げたいと思います。
もちろん、ほかの企業でもいろいろな問題はありますけれども、どうも自衛隊に特有の問題もあるのではないかと。まだきょうは頭出しにとどめますけれども、そういう心配もありますので、人が足りない足りないと言って、憲法を変えれば人が入ってくるとか何か言っていますが、そういった問題ではなくて、きちんと地に足のついた待遇の改善を、そして、こんなおかしな、前時代的なことが起こらないようにしていくということがまず優先だと私は思いますので、しっかりとそこは取り組んでいただきたいと思います。
MFOについては時間がなくなって、準備をいただいた方、申しわけありません。
以上で質問を終わります。