衆議院-安全保障委員会 2019年(令和元年)12月05日 (国会会議録検索システムより抜粋) ※この質疑の動画はこちら
○西銘委員長 次に、本多平直君。
○本多委員 立憲民主党の本多平直です。共同会派を代表して質問させていただきます。
ちょっと順番を変えますが、冒頭、渡辺防衛政務官の政治資金の問題についてお尋ねをします。
報道されていますが、昨年、政務官の党の総支部で行われました留萌満喫ツアーというものが、収入六万三千円、支出が二十三万九千円ということで、いわゆる御接待のぶっ足しツアーじゃないかという疑惑があるんです。
それについて代議士の事務所は、報道によりますと、二つ言いわけをされているんです。一々ここで長々聞きたくないので、私からその言いわけを説明させていただきますと、A地区からB地区に行ったときに、A地区の支持者とB地区の支持者が会ったから、これは単なるお楽しみツアーじゃなくて政治活動なんだ、だから多少費用の差が出ても、これは政治活動だからいいんだという、何か本当に初めて聞くすごい理由なんですが、それが一つです。
それから二つ目の理由は、これで言いわけがつかないのがお土産のエビなんです。このエビは七万六千円相当買われているんですが、なぜか、このことがばれてからこういう説明をしているんです、全員から一人ずつ三千八百円徴収したと。こういう変なツアーも私は聞いたことがないんです。地元に行って好きなお土産を買うのが楽しいわけですよね。でも、なぜか、参加費を払って行って、そうしたら全員一律に三千八百円のお土産を買わされて、その収入はこの中に一応入っているという説明になっているんです。
私、このことで一々やりとりを政務官とそんなにしたくないので、一つお願いがあるんです、政務官。
本当に政務官の説明が正しいなら、ちゃんと日程表とかに相手の支持者と会う日程が入っているはずですし、エビのお土産つきとか、そういう変なせりふも入っていないということを確認したいので、募集の資料とか、当然もうこのことを報道されてからお集めになっているんですよね。募集の資料、旅行会社とのやりとり、それから事務所内のパソコンに資料も残っているので、そういうのを見た上でこういう説明をしているということでよろしいんですよね。
○渡辺大臣政務官 本多議員にお答えいたしますけれども、確かに、その当時のお祭りの細かい事務的な手続につきまして私は報告は受けておりますけれども、事務所内にあるパソコンにどういう書類が残されているかというところは、実はまだ私、在京当番もありまして現地に帰っておりませんので、今週の土日に帰って確認しようと思っております。
今御質問の、疑義のあった、A地区とB地区の人間が会うからこれは党の活動だということに関しましては、あくまでも私としては、地元の自民党、さらには開催地の自民党の方々が協力してやっていただいたということを言いたかったのではないかというふうに思います。
また、三千八百円のお土産代、これは、現地に当日というか前もってお聞きしたときには、エビの不漁も相まって、事前に予約していただきたいという話も現地からありまして、これは三千八百円、一人から実費分としていただき、そして、そのエビ代に関しましては、その他の収入というところに報告書に入れてあるものですから、非常にわかりづらかったということも反省しておりますけれども、そういうことでございます。
○本多委員 それでは、政務官の潔白を証明するための資料を御地元に帰っていって集めていただくということでよろしいですか。旅行会社とのやりとりとか、事務所内のパソコンとか、応募に使った紙とか、探してみていただくということはお願いできますか。
○渡辺大臣政務官 先ほど申し上げましたように、まだ現地に帰っておりませんので、秘書からの話しか聞いておりませんので、しっかりとお答えできるように努力しますので。
○本多委員 それを、入手できましたら委員会に提出していただくということでお願いできますか。
○渡辺大臣政務官 わかりました。じゃ、委員会に提出させていただきます。
○本多委員 それではお願いをいたします。
では、本題に行きます。
○西銘委員長 ちょっと待ってください。
○本多委員 イージス・アショアの問題について取り上げさせていただきます。
私、前回質問して、一つ、前の大臣だったんですけれども……。
○西銘委員長 ちょっと休憩してください。今の、理事会の協議事項になると思いますので、後刻、理事会で協議させてください。
○本多委員 提出するとおっしゃっているので。(発言する者あり)ちょっと何を言っているんですか。
○西銘委員長 いやいや、黙ってください。ほかの委員、黙ってください。
本多平直委員。
○本多委員 時計とめていただいていいですか。たくさん質問あるので。
○西銘委員長 じゃ、時計をとめてください。
〔速記中止〕
○西銘委員長 再開いたします。
本多平直委員。
○本多委員 それでは質問を続けます。
イージス・アショアの件なんですが、前回、どうしても解せない問題がございまして、この資料をお持ちしました。
北朝鮮というのは弾道ミサイルを一カ所とか二カ所から発射しているような図が時々出てきますが、こうして全国各地、非常に幅の広い範囲から発射をしています。そしてまた、最近は潜水艦からも発射していますから、実は発射位置の特定は非常に難しいんです。
それで、イージス・アショアの場所を考えるときに、レーダーの性能とミサイルの性能、二つを考えて、山口県付近と秋田県付近がいいという結論を出したそうなんですが、そこまでは百歩譲って理解したとして、次に、防衛省が出した報告書の六十四ページの方を見ていただくとわかるんですが、二十番が今問題になっている新屋で、十四番は男鹿という場所です。二つとも国有地があって、今回でたらめな報告書が出た場所ですが、これだけ近い距離のものなのに、新屋はいいけれども男鹿はだめというすごいことが出ているんです。
いろいろ、角度のでたらめとかありました。それから、除雪すれば行けるところを除雪ができないからという理由でバツをつけたり、でたらめだったんですけれども、それ以上に、一番大事なミサイルの防護範囲の問題で、この「参考」というところ、六十四ページのを見ていただくとわかるんですが、なお、今回抽出した国有地十八カ所全てについて防護範囲のシミュレーションを実施したところ、新屋、むつみのように我が国全域を効果的に防護することはできないとの結果が出ましたと。
大臣、これだけ広範囲から撃っているもの、前回は何カ所を想定しているんだ、発射位置をと。答えなかったんですけれども、役所の方から、複数だということは聞きました。しかし、北朝鮮の国土の幅広いところ、移動式の発射装置から、また潜水艦もあるところから、これぐらい発射の場所が違うものの迎撃の場所を特定するのに、秋田の十四はだめで、秋田の二十はいい、こんな誤差が出るはずないと思うんですよ。
ですから、シミュレーションの数値、いや、新屋の方が高かったよ、この程度のことはいいんですが、男鹿に移すと我が国全域を効果的に防護することはできないとの結果が出ましたと。この「参考」の、私、この報告書の中で実はここが一番大事だと思うんですけれども、このところは今回見直されているわけです、角度の見直しとかで。少なくとも、表現ぶりは論理的におかしいんじゃないかと思うんですよ。いかがでしょうか。
○河野国務大臣 北朝鮮の複数の地点から弾道ミサイルが発射された場合を仮定してこういう表現になっているというふうに考えております。
○本多委員 本当にその差が出るんですか。
では、男鹿では我が国全域を効果的に防護することはできないんですか。
○河野国務大臣 イージス・アショア二基で我が国全域を防護するためには、組合せの中で、秋田については新屋演習場を含む秋田県内の一部地域、山口についてはむつみ演習場を含む山口県内の一部地域、これが最も広く効果的に防護できる、そういう組合せになります。
○本多委員 では、最も広くということでいいんですね。これは、男鹿で我が国全域じゃないということなんですか。それを聞いているんですよ。新屋の方がいいというのはわかりましたけれども。
○河野国務大臣 イージス・アショアの配備先につきましては、搭載するレーダーや迎撃ミサイルなどの具体的な性能をもとに防護範囲の分析を行ったところでございます。
イージス・アショア二基で我が国全域を防護するためには、日本海側に配置すること、北と西にバランスよく二基を配置することが必要であり、秋田県付近と山口県付近の組合せが最も広く効果的に防護できるとの結論を得たところでございます。
この組合せの中で最も広く効果的に防護できる地域を具体的に申し上げれば、先ほど申し上げたように、秋田については新屋演習場を含む秋田県内の一部地域、山口についてはむつみ演習場を含む山口県内の一部地域ということでございます。
○本多委員 では、繰り返しになるから余り議論しませんけれども、この表現をもうちょっとそういうふうに変えた方がいいんじゃないですか、今度表現を出すなら。ここも検討してくださいよ、次に。いろいろな検討をされているわけですから、ここの表現ぶりは検討するということを、きのう事務方は検討しなきゃいけないようなことをおっしゃっていましたけれども、大臣がここで翻されると、何を頑張っているのかなと。
全て見直しているんだから、このシミュレーションも、北朝鮮がこれだけ広い範囲から発射しているんですよ。それを、絶対男鹿はだめで、同じ秋田のすぐそばの男鹿はだめで新屋はいいというシミュレーションは、それは架空の数字ですよ。ほかの条件で絞っていけばいいじゃないですか。シミュレーションは誤差が出るでしょう。それに、シミュレーションなんだからあくまで絶対値じゃないわけですよ、どこから発射するかなんかわからないんだから。
だから、少し表現を、こんなかたい表現で断定的に言うんじゃなくて、特定の発射場所を二カ所か三カ所特定したらこういう数値が出たと。あくまでそれにすぎないんですよ。いかがですか。
○河野国務大臣 より誤解を招かない表現ということも検討していきたいと思います。
○本多委員 ぜひそのようにお願いをしたいと思います。
続きまして、FMSについて質問をしたいと思います。
会計検査院がFMSについてはずっと取り上げていただいていて、大変いい報告をこの十月にも出していただきました。読ませていただいて、二つびっくりをいたしました。
これまでも指摘されていた納入おくれの問題ですが、一年、二年、あっても三年ぐらいなのかなと思ったら、何と海自の対艦誘導弾、六年超過。空自、F2の通信機器、九年超過。こんなもの、もう……(発言する者あり)おっしゃるとおりです。契約した意味がない。これは防衛にも支障が出る、訓練にも明らかに。
六年も、金を払った後に物が来ていない。どういう言いわけをしているんですか、アメリカは。
○河野国務大臣 会計検査院による国会報告においては、出荷予定時期を経過しても装備品等が納入されない未納入ケースが八十五件、三百四十九億円ある、部隊等の運用に支障を来さないよう出荷促進を行うなど、米国と引き続き調整を行う必要がある旨の所見が示されているところでございます。幾つか具体的な事例が紹介され、「装備品等の納入が完了していないことにより、納入されない状態が続くなどした場合には、部隊等の運用に支障を来すおそれがある」との記載もあるのも事実でございます。
この中には、書類がおくれている、米国政府において納入が完了したことを事務的に確認する手続に時間を要しており、未納入扱いになっているものも多く含まれている。そういう中で、書類上の作業を効率的に行うことで、納入されているものの確認を加速させる、そういう取組をしっかりやっていきたいと思っております。
また、昨年度から、納入手続の効率化についての話合いの場を、FMS購入国で構成する多国間協議において、日本の呼びかけにおいてつくってきて、納入促進の働きかけを行ってきているところでございます。
このような努力を今後もしっかり続けていきたいと思います。
○本多委員 長々言われましたが、私も、このFMSの非対称性とアメリカのいろいろな姿勢からいうと、いろいろな問題があるのは知っていましたが、やはり六年とか九年というのは、それは買ったことにならない。防衛や訓練に大きな支障が出ていると思いますので、しっかりとそこはやっていただきたいと思います。
さらにもう一つ、契約管理費というのがFMSには一・二%加算されています。約四千億円がFMSですから、一%といっても四十億円です。非常に大きい金額。これを減免されている国が、イギリス、ノルウェー、オーストラリア、韓国、イスラエル、あるんですが、日本はこの制度を使っていないということが会計検査院から指摘をされました。
私は、気づいていなかったんじゃないかと思っているんですが、この割引制度をしっかりと申し込むことを、何でこんなにおくれたんですか、今検討しているようですが。
○河野国務大臣 委員のおっしゃる減免制度は、アメリカ側と互恵的な協定を締結し、アメリカの装備品の品質管理等の役務を日本側が代行することで契約管理費の減免を受ける制度でございます。
防衛省としては、平成二十八年に、FMS調達に関する米国との意見交換においてアメリカ側から説明があり、初めて認識したとの報告を受けております。
ただ、その時点において、会計検査院の報告にもございますが、アメリカ政府が行っている自国の装備品に関する品質管理など、同様の役務を提供できる能力が日本側になければならないことなど、日本側において協定締結の前提を満たしているかどうかが不明であること、また、この能力の確認には米側として数年を要するとしていること、協定の内容によっては日本側において新たな役務を行うための経費が発生することなど、必ずしも日本側の利益になるとは限らないという理由により、担当者レベルにおいて本格的な検討に至らなかったとの報告を受けているところでございますが、こうした協定の締結により調達額が低減される可能性があるならば検討する価値はあるとの考え方により、防衛装備庁に対して、検討に着手するよう指示したところでございます。
○本多委員 いろいろ言われましたけれども、イギリス、ノルウェー、オーストラリア、韓国、イスラエルがこの制度をしっかり使っているわけです。私は、検討が遅かったと思いますが、しっかりこれを検討して、その制度を入れて、四十億円、できれば減免をかち取っていただきたいと思います。
次に、日本で初めて開かれました武器見本市について質問させていただきます。
これは、そもそも、平和国家の日本でこういうものをやること自体に反対している市民の方の声も私はたくさん聞きました。しかし、百歩譲って、民間がやるならしようがないかなと思っていたところもあったんですが、実は、いろいろ聞きますと、政府が後援をしている、外務省も防衛省も後援を出しているんです。
これは、イベントに後援を出すときの基準は、まあいろいろな言いわけを役所の方はしていましたけれども、私一つ思うのは、この武器見本市は誰が買いに来てもいいわけですよ。日本の製品を、輸出をふやしたいという政府の思惑で、今回初めて、イギリスでずっとやっているものを日本に持ってきたわけですが、しかし、これは、北朝鮮の関係、紛争をやっているどこかの国の関係、そういう関係者に渡るような中間の取引者が見に来て、ああこれいいなと思っていろいろ見ていく、そういう場になり得るわけですよ。
ですから、後援というのはさすがに、また再来年、日本でやるようですけれども、後援というのは、我々は普通の国と違うわけですよ。緩和したとはいえ、防衛装備品の移転には厳しい条件をつけている国です。その国が、こういう多国間の、どこの国とどこの国が売り買いするかわからないような見本市を、開かれるところまでとめられるかどうかわかりませんが、政府が後援するのはおやめになった方がいいんじゃないですか。
○河野国務大臣 防衛省としましては、この展示会の実行委員会などからも申請を受け、この展示会を後援するとともに、防衛装備庁からも出展を行いました。
我が国においては、個別の防衛装備を実際に海外移転する際には、平和国家としての基本理念を引き続き堅持しつつ、防衛装備移転三原則に基づき、厳正かつ慎重に対処していくことは当然と考えております。
防衛省といたしましては、今回の後援や出展は、あくまで、さまざまな国の政府関係者が多数参加する本展示会の機会を捉え、我が国の防衛装備品と高い技術力について広く情報発信し、新たな防衛計画の大綱なども踏まえ、防衛装備・技術協力の推進に寄与することを目的としたものであり、特に問題があるとは考えておりません。
○本多委員 大臣、紙に書いてある、ちょっと顔を見て議論したいんですけれども。
そういう紛争当事国、日本が武器を輸出しちゃいけない国というのは幾つかあるわけですよ、防衛装備品の原則に照らして。安保理の決議がかかっている国とか、そういう国に武器が売られる場になる可能性があるわけですよ。それはいいんですか。日本の国内でそんな取引が行われて、それを日本政府が後援していいんですかということです。
今読み上げたのじゃなくて、大臣、答えてくださいよ、それを。
○河野国務大臣 今回の後援や出展は、あくまで、さまざまな国の政府関係者などが多数参加する本展示会の機会を捉え、我が国の防衛装備品と高い技術力について広く情報発信し、新たな防衛計画の大綱も踏まえ、防衛装備・技術協力の推進に寄与することを目的としたものであり、問題があるとは考えておりません。
○本多委員 そういうふうに人の質問に答えないという態度を貫かれるなら、それはそれで一つだと思いますけれども、私に対してそういう態度をとっているということは、国民に対してとっているのと一緒ですからね、大臣、その同じものを読んで。私、きちんと質問して、答弁能力のない大臣をいじめるということをやっているわけじゃないんですよ、この委員会は。ちゃんとした人じゃないと外務大臣とか防衛大臣になれないですから。だから私こうやって質問しているんですけれども、そういう紙を読むという姿勢だということで。
私は、さすがに政府の後援なんというのは、つまり、日本が輸出するときはこの三原則がかかりますよ、だから変な国には行きませんけれども、あの見本市はA国とB国が自由に商談するわけですよ。それは紛争当事国や国連安保理決議で問題になっている国に武器が渡る場になるわけですよ。そんなものを日本でやること自体が私は懐疑的ですけれども、少なくとも政府の後援については、再来年についてはしっかりと検討していただきたいということは申し上げておきたいと思います。
続きまして、駐留米軍の経費の問題について質問させていただきたいと思います。
きょうの朝刊にも、トランプ大統領は何かNATOの事務総長とお会いになったときに、安倍さんに言っておいたということを言われているんですが、これは政府として受けとめていらっしゃるという理解でよろしいですか。
○茂木国務大臣 トランプ大統領の発言の概要については承知をいたしております。
その上で、在日米軍の駐留経費、これは日米両政府の合意に基づいて適切に現在分担されている、このように考えております。
○本多委員 茂木大臣はそういうふうに答弁をしているんですよ、十一月二十一日の参議院外防で。ところが、河野大臣は、アメリカからその手の要請は受けていませんと明確に、我が会派の白眞勲議員に、受けていませんと。今、茂木大臣は誠実に、承知をしていると言っているんですけれども、十一月二十一日の白眞勲さんの、増額要求を受けているのか、受けていませんということを明確に大臣はおっしゃっているんですよ。
これは間違いだったということで、訂正されるということでよろしいですか。
○河野国務大臣 訂正する必要はないと思います。増額要請は受けておりません。
○本多委員 白眞勲さんは、日本政府はと聞いているんですよ、防衛省はじゃないんですよ。確認しますとか、私は承知していないというんだったらありますけれども、日本政府はと聞いたときに、ございませんということをお答えしているんですけれども、それでいいんですか。後ほど問題になるんじゃないですか。
○河野国務大臣 少なくとも、質問の時点でそうした増額要請は受けておりません。
○本多委員 一番最後にトランプ大統領と安倍さんが電話会談も含めて会ったのは九月二十五日です。このときの内容を外務大臣は承知をしているとおっしゃった。中身は言えないかもしれない。しかし、トランプさんはあっちこっちで言っているわけですよ。そして、今回も記者の前で、NATOの事務総長の前で、安倍さんには増額要求をしたということを言っているわけですよ。それを先週の参議院外防ではございませんと言っているのは、本当にそれでいいんですね。何度も確認しますが。
別に隠すような話じゃないと思うんですよ。今アメリカは世界各地で、負担をふやせということを韓国にも言っている。交渉がもう既に始まっている。たまたま我が国は時期がずれているけれども、言われているんじゃないんですか。そのことを隠す必要もないし。
私、あえて虚偽答弁とまで言いませんよ、ございませんと。ただ、議論が成り立たないんです、委員会で。白眞勲さんは、その答弁を得て、それにどう対応するかという話を議論したかったんだと思いますよ。その発言、トランプさんは言っているんですから、世界じゅうで。それをございませんと委員会で言われたら、議論ができないじゃないですか。
だから、ちょっと検討してもらえませんか。先週の白眞勲さんの質問に対してございませんと言った時点で、本当に日本政府は要請を受けていないのか。私は確認した方がいいと思いますよ、それ。
○茂木国務大臣 申しわけないんですが、私、何月何日の電話会談でこう言ったという発言はしていないと思います。
私が申し上げていますのは、トランプ大統領の発言の概要については承知をいたしておりますということです。
○本多委員 じゃ、トランプさんは世界で安倍に言ったと言っているから、一番遅くて九月二十五なんですよ、電話会談もないということを外務省に確認しましたから。だから、トランプさんが言っていることがうそなのか、選挙向けの何かはったりなのかわからないですけれども、それは日本政府から何か言った方がいいんじゃないですか、こういうふうにあちこちで言われて。日本についての話ですよ。信義を破っているのはアメリカじゃないですか。
外務大臣、いかがですか。
○茂木国務大臣 ですから、日本として、在日米軍の駐留経費、日米両国政府の合意に基づき、適切に分担されていると考えている。
なお、現行の在日米軍の駐留経費負担特別協定、これは御案内のとおり、再来年、二〇二一年の三月末日まで有効でありまして、現時点において、新たな特別協定に関する交渉、日米間で行われておりません。
○本多委員 要請を受けて、安倍総理に言っていると言っているので。国会でぼかす方法は、いつも使っている、首脳会談の内容については申し上げないと。きちんと事実を話してもらわないと、ございませんと言われちゃうと、これは非常に……(発言する者あり)
○西銘委員長 質問を続けてください。
○本多委員 今、自民党の理事が。
じゃ、正式じゃないのはあるんですか。
○西銘委員長 もう一度。
○本多委員 安倍総理はトランプ大統領から在日米軍経費の増額を要求されたことはあるんですか、ないんですか。その情報を外務大臣が知らないわけないじゃないですか。
○茂木国務大臣 先ほど答弁させていただいたとおりであります。概要については承知をいたしております。そして、適切に分担をされております。そして、今後のことについては、協議は行われておりません。
○本多委員 無理難題をされたくないから、その議論を事前に我々野党としてもしたいので、その要求のところでこんなに時間を食いたくなかったんですが。
少し時間がたっちゃったんですけれども、トランプさんのいろいろ勝手なことを選挙向けに言っているのもいいんですけれども、これはツイッターじゃなくて政府の決定として、壁の費用を在日米軍の費用で賄うということをおっしゃっているわけです、これは九月の決定ですかね。在日米軍の五カ所、横田の格納庫、嘉手納の格納庫、岩国の給油施設、こういうところの修理を延期して、その費用をメキシコとアメリカの間の壁の国境に使うと言っているんですけれども、この発言はこういうふうに理解していいんですね。
○茂木国務大臣 米側から日本政府に対しまして、今お話のありました発表の内容については、普天間移設の現行計画及び在沖縄海兵隊のグアム移転に影響を与えるものではなく、また、米国政府としてこれらの再編計画へのコミットメントは不変であるとの説明を受けているところであります。
いずれにいたしましても、日米両政府は、本年四月の2プラス2でも確認をしておりますとおり、在沖縄海兵隊のグアム移転の着実な実施にコミットしてきておりまして、日本政府としても、引き続き、日米間で緊密に連携しながら、グアム移転を着実に実施していくつもりであります。
○本多委員 中途半端に通告するから、変な、何か質問と合わない紙が出てくるので、今後、一切通告しないで大臣と議論した方がいいかなということを見ていて思いました。(茂木国務大臣「いや、今答えているでしょう」と呼ぶ)いやいや、例えば、じゃ、嘉手納の古くなった格納庫の修理がおくれるということは支障がないんですか。アメリカのメキシコとの壁をつくるために、古くなった嘉手納の格納庫の修理がおくれるわけですよ。
これは、理屈からいうと、この上に万が一増額なんかさせられて格納庫がとまったままだったら、メキシコとの壁に日本の金が使われたことにはなりませんよ。しかし、もし増額して、増額された分で格納庫をやろうとなったら、どういう理屈になりますか。日本政府が出した金でアメリカとメキシコの要るんだか要らないんだかわからない壁をつくったことになるじゃないですか。
だから、工事がとまるかどうかわかりませんよ。だけれども、こんなことを勝手にアメリカの都合で予算がとめられていることをどうお思いなんですか、外務大臣は。
○茂木国務大臣 まず、米国の内政、壁について、委員は要るんだか要らないんだかわからないとかいろいろおっしゃっていますけれども、それについて私としてコメントする立場にはないということは御理解をください。
その上で、先ほども申し上げたように、今回の米側の発表内容、これは、普天間移設の現行計画及び在沖縄海兵隊のグアム移転に対して影響を受けるものではない、このような説明を受けていると申し上げております。
○本多委員 そういう大きな日米関係には影響はないかもしれないですけれども、嘉手納の格納庫がおくれるということは、現に、一つ一つの施設が古くなって建てかえる計画だったものがおくれるとかいう、支障は出るという認識でいいですね。
○茂木国務大臣 先生の解釈は先生の解釈だと思いますが、アメリカの説明は私が申し上げたとおりです。
○本多委員 私の解釈とアメリカの解釈はわかったんですけれども、茂木大臣の、アメリカの政策変更において、日本の米軍の施設で古くなったものの改修がこれだけ各地でおくれるんですけれども、そのことについてはどう思われますか。
○茂木国務大臣 先ほど答弁を申し上げたとおりの説明を受けております。
そして、日米両政府、これは、在沖縄海兵隊のグアム移転の着実な実施についてはしっかりとコミットをしているわけでありまして、日本政府としても、日米間で緊密に連携しながらグアム移転を着実に実施していく、これが私の考えです。
○本多委員 嘉手納の格納庫とグアム移転がどう関係があるのか、説明していただけますか。
嘉手納の格納庫がアメリカの勝手な政策変更で延期されることというのは支障がないんですかと。そういうことに外務省は、予定どおりちゃんと改修してくれないと困ると。グアムと関係ないじゃないですか。
○茂木国務大臣 米軍基地のオペレーションといいますか、いろいろなやり方について、それは米軍が考えて、影響を及ぼさないという説明を受けているということを申し上げているんです。
○本多委員 影響を及ぼさないんでしたら、これは増額なんかに応じる状況じゃないですよね、勝手に影響を及ぼさずに予算を削減しているんですから。
○西銘委員長 今のは質問ですか。
○本多委員 はい。(茂木国務大臣「ちょっと質問の意味がわからない」と呼ぶ)
勝手にアメリカが延期したものを日本が増額した費用で復活するということはないということでいいですね。もしその増額を認められた場合ですよ、仮定の話です。
○茂木国務大臣 仮定の話に対してお答えする立場に現在ございません。
○本多委員 それでは、残り時間がなくなってきましたので、最後に。
本当は、私はきょうは自衛艦の中東派遣の問題をやりたかったです。しかし、多分、私の聞きたいことは、検討中ですからお答えできないということになると思います。ですから、余り聞きませんが、検討中の両大臣には二点だけお話をしたいと思います。
賛成、反対あっても、イラク特とかは、道路をつくったり、自衛官の方が頑張って目に見える仕事をされました、賛成、反対はあっても。テロ特のときも、テロと闘う皆さんに給油をした、実際の仕事をされました。危険な思いもしながら、そういう任務もされました。
しかし、今回、より以上危険な場所で任務に当たられるのに、それが調査研究、こういう出し方は、私は、そもそも、どういう名目でもだめですが、非常に問題のある出し方になるんじゃないか、そして危険性も高い、そのことをしっかり検討に入れていただきたい。
そして、国会を閉じた後に閣議決定するという報告もありますが、先ほど公明党の方からは、公明党にちゃんと説明してくれと言われました。与党より先とは言いませんが、我々野党にも当然説明していただきたいし、この国会でも本来は法律をつくるべきだと思うんですよ、こういうことをするなら。しかし、しないんだったら、少なくとも、閣議決定の内容を審議する場をつくったら、しっかりと説明していただくということはお約束いただけますか、防衛大臣。
○河野国務大臣 自衛隊の派遣については今検討しているところでございますが、国民の御理解を得られるよう、しっかり説明をしてまいりたいと思います。
○本多委員 委員長にお願いなんですが、もしこの閣議決定が行われたとして、そのときに我々がこの審議をきちんとできなかったら、安全保障委員会の意義というのは非常に問題があることになると思います。
ぜひ理事会で協議をいただいて、閣議決定の前にも、私は、与党の後にでもいいですが、野党にもしっかり説明してほしいですが、閣議決定の後、しっかりとこのことを、閣議決定の内容、議論をこの委員会でするということを委員長にお願いしたいと思います。
○西銘委員長 後刻、理事会で協議いたします。
○本多委員 じゃ、これで質問を終わります。