衆議院-安全保障委員会 2020年(令和2年)01月17日
 (国会会議録検索システムより抜粋) ※この質疑の動画はこちら






○本多委員 立憲民主党の本多平直でございます。共同会派の一員として質問をさせていただきたいと思います。  秋の臨時国会からこの問題については防衛大臣、外務大臣とも議論をさせていただいてきたんですが、実は、残念ながら、そのときの議論では、まだ閣議決定前で検討中であるということで細かいお話をきちんと聞けないまま、そして、国会が閉じた後の十二月二十七日、年末に閣議決定をする。  スケジュール、そちらの事情もあるんでしょうけれども、国会としては議論の機会をいただけなかった、大変残念な形で閣議決定をされ、そして、実際の派遣が既に海自の方は行われているわけですけれども、その間に大きな変化もあった。  非常に国会の議論を軽視をしているんじゃないかと私は思うんですけれども、いかがでしょうか。

○河野国務大臣 日程上、そういうことになりましたが、今回の閉会中審査を始め、しっかりと御説明をしてまいりたいと思います。

○本多委員 立場の違う私だけが言うと、なかなか御理解いただけない。けさの朝刊に、石破元防衛大臣が大変いい記事を載せていただいています。石破先生、結論としては派遣に賛成、自民党の議員ですからされていますが、文民統制の観点からも国会での事前説明が望ましかったと石破先生も述べられています。  こうした問題、私は、もちろん、こんな遠くに、危険な遠方に自衛隊の部隊をこれだけ長期に派遣をする場合には、こんな、防衛省設置法を使うとか閣議決定のみとかではなくて、しっかりと、少なくとも我々が賛成する反対するは別にして、新法が必要だと思います。  新法が必要だったんじゃないか。今、きょうも議論が出ていますけれども、そういう検討もされたんでしょうか。検討して、何かの事情で今回は新法という方法によらないということになったんでしょうか。

○河野国務大臣 現時点において、直ちに何か日本関係船舶を防護しなければならないような状況にあるというふうには考えておりません。さまざまな状況が変化をして、そうした新法の検討が必要だという場面になれば、これは当然に検討することになります。

○本多委員 状況が変化しなくても、私、今の状況のままでも、こういう二国間で緊張状態が起こっている地域に、防衛省設置法の調査研究という条項を使ってこれだけ大きな部隊を長期間派遣するということが、それは、調査研究の今までの使い方でいえば、こういうことはあり得るという政府の解釈はわかりますけれども、私から見たら、脱法的だと思っているんですよ。だからこそ、前原委員も、この条項はもう変えるべきじゃないかということを、検討しろということを申し上げている。  それは、こういうことがある前から、この調査研究というのは何でも使えて危険じゃないかという議論、逆に言えば、自衛隊の一番メーンの業務である日本近海の警戒もこの条項を使ってやっている。ここについては本質的な検討が要るんじゃないかという議論はあったんですが、さらに今回、さすがに、過去、イラク特措法、テロ特措法、全部新法をつくって野党もしっかり議論をしてきた。それを、今回は国会の議論も要らないわけですよ。これは、これから質問はできますけれども、派遣をしてしまっている。こんなことを、我々、私は今回反対ですよ、この派遣に。そういう意見を国会の場で表明する機会もないまま派遣をされている。  私は、やはり法律をつくってきちんと国会で審議すべきだったと思いますが、いかがですか。

○河野国務大臣 そうは考えておりません。

○本多委員 その理由は何ですか。  調査研究で何でもできるとしたら、どんな危険なところにも調査研究という理由で、プレゼンスを示すという言い方を与党の議員が先ほどされました。プレゼンスを示すということは、ある種、行動をしなくても、向こうから見たらいろいろな意味を持つわけですよ。そういう行動が世界じゅうでできるということになっちゃうじゃないですか。  そういうふうに見られそうな行動のときには、きちんと法律をつくって国会で議論をして自衛隊を派遣すべきだと考えますが、いかがですか。

○河野国務大臣 調査研究として行う情報収集活動は、国民の権利義務にかかわらない行為であり、実力の行使を伴うものでもないわけでございます。ですから、今回、調査研究として行う情報収集活動において日本関係船舶の防護を行うことはできないわけで、現時点でそうしたことが必要な状況にないというふうに我々は考えているわけでございます。  不測の事態が起きれば、これは新たに閣議決定の上、海上警備行動を発令して対応する、そういうことでございます。

○本多委員 今、今回の派遣は国民の権利義務に関係ないとおっしゃっていますけれども、自衛官は命令によってここに派遣をされるわけです。危険だと心配している方もたくさんいらっしゃいます。自衛官の権利や義務、これと関係ないんですか。

○河野国務大臣 日本国民の権利義務に影響を与えるものではないというのが、この調査研究における情報収集活動でございます。

○本多委員 専守防衛のためにしっかり頑張るという宣誓をして自衛官になった方が、こういう派遣に義務的に業務として行くということ、国民の権利や義務に関係する派遣じゃないんですか。

○河野国務大臣 専守防衛の自衛隊の一員として今回の活動に参加をするわけでありまして、それは自衛隊としての調査研究という業務の中で行くわけであります。

○本多委員 私は、国民の権利義務、自衛官の権利義務に重大な影響を及ぼすことですから、先ほどの理由は全く当たらないと思います。こんなことをするなら、しっかりと国会で法律を通してやっていただかないと、自衛官の権利や義務を守っていけないと思っています。  さて、私は実は去年からこういう議論をしたかったんです。もしイランとアメリカが本当にあの一月三日から一月八日のような状況になったらどうするんですかという質問をずっとしようと思って準備をしてきました。そんなことは想定できないと多分おっしゃるんだろうなと思いながら、この審議の準備をしてきました。  そうしたら、正月、残念ながら、一月三日、事もあろうに我々が親しいアメリカ側から、ああいういろいろ疑問を呈するような司令官の殺害という行動で事態がエスカレートする残念な事態になりました。そしてイラン側も反撃をしました。  恐れていたことが起こって、この派遣についても少し検討ぐらい行われるかと思ったら、事もあろうに、国家安全保障会議で両大臣出席をした会議の前に、さんざんゴルフをしたあげくに、国家安全保障会議も経ないまま、総理大臣は派遣を継続すると表明されましたけれども、防衛省と外務省、これでいいんですか、この手続で。  あれだけの状況変化、極端な人から言うと、大戦争になる、第三次世界大戦だ、そんな話さえあの一月三日からは出ていた中で、検討もせずに、国家安全保障会議の議論も、八日ですよ、安全保障会議が開かれたのは。その前に総理大臣は継続すると。  これは外務省も防衛省も、こういう手続って認められるんですか。

○河野国務大臣 米国もイランもこれ以上のエスカレーションはしないということをはっきり明言をしておりますし、これ以上事態がエスカレートする状況にないというふうに考えております。

○本多委員 いや、大臣、手続論に行く前に、今の答弁はとんでもないですよ。これ以上エスカレーションされないという、いや、これからだってどうなるかわかりませんよ。ただ、一応幸いなことに一収束ついているけれども、収束する前に皆さんは、派遣継続と総理は言っているじゃないですか。どういう整合性があるんですか。このままエスカレートするかもと心配している中で、総理大臣は派遣に変更はないと、国家安全保障会議さえ開かれない前に記者会見で述べているんですよ、初詣でか何かの記者会見で。どういうことなんですか、これは。

○河野国務大臣 アメリカもイランも戦争を望んでいるわけではないということは明確にしておりますし、両国ともエスカレーションする意図はないということをはっきりさせておりますので、我々として、事態がこれ以上エスカレートすることはないというふうに判断しております。

○本多委員 河野大臣、一月三日から一月八日の間もそういうのうてんきな認識だったんですか、防衛大臣は。

○河野国務大臣 トランプ大統領あるいはイランのザリーフ外務大臣、さまざま、エスカレーションはしないという意図を明確にしております。

○本多委員 きょうのことを聞いていません。一月三日から一月八日の間も、あの事態はエスカレートしないということを、世界じゅうが固唾をのんでいるときに、河野防衛大臣だけはエスカレートをしないという認識があったということでいいんですか。

○河野国務大臣 情勢を注視していたわけでございますが、恐らくエスカレーションはないだろうというふうに考えているところでございます。  絶対に今後エスカレーションはないということを一〇〇%断言するということは、これはできないわけでありますけれども、両国がそういう意図を明確にしている中で、これ以上エスカレーションはしないだろうというのが現在の状況判断でございます。

○本多委員 これ以上エスカレートしないという意思をお互いに明確にしたのは一月八日以降ではないんですか。一月三日から一月八日の間は、お互い非難の応酬をしていたのではないんですか。世界じゅうが心配していたんじゃないんですか。

○茂木国務大臣 一月三日にソレイマニ司令官の殺害、これが起こったわけでありまして、一月八日の時点、イラン側が今度はイラクの米軍施設に対して攻撃を行ったということでありますが、その間につきまして、エスカレーションは回避すべきだと、日本としてはその立場を明確にしておりました。  そして、一月三日から八日の間にエスカレーションが起こっていた状況ではない、それを注視していた。そして、八日の時点においては、エスカレーションを回避する旨、米国も、そしてイラン側も述べている。そして、現在もそのようなエスカレーションは起こっていない。事実関係で申し上げますと、そのような形です。

○本多委員 いやいやいや、一月八日にそういうふうなエスカレーションをさせないという意向をアメリカとイランが表明をして、私もほっとしていますよ、一旦は。これからどうなるかわかりませんが。  しかし、その前の一月六日に、総理はこの派遣を変えないと言っているんだから、これだけ大きな、エスカレーションがあるかどうか注視している、外務大臣さえ注視している中で、このイランのミサイルが届く地域に、アメリカとの同盟国だと皆さんが言っている同盟関係にある国が派遣をして、何が起こるかわからないじゃないですか。その一月三日から八日の間のことを聞いているんですけれども、どうなんですか。

○茂木国務大臣 今、事実関係については明確に御説明したとおりでありまして、一月三日から八日の間にエスカレーションが起こった、事態が変化したということではないと思っております。  そして、一月八日の段階において、エスカレーションは回避したい、トランプ大統領もザリーフ外相もその旨を表明し、実際にそれ以降武力の行使は起こっていない、このような状況だと思っております。

○本多委員 手続論はどうですか、外務大臣。外務大臣も国家安全保障会議のメンバーですが、国家安全保障会議の開催前に、総理大臣が派遣の継続と言っているわけですよ。  これね、閣議決定はこうなっているんですよ。「情勢に顕著な変化があった場合は、国家安全保障会議において対応を検討する。」一月三日から一月八日の状況は、「情勢に顕著な変化があった場合」に当たらないんですか。これが当たらないんだと、どんな場合もこの国家安全保障会議は開催されないと思うんですけれども、あのイランとアメリカが直接戦争かもしれないなんてなったときに、これが「情勢に顕著な変化があった場合」に当たらないんですか。

○河野国務大臣 実際に武力攻撃が起こる、あるいは戦争が起こる、あるいはそれに近いような情勢の変化があれば、それは当然に安全保障会議が開催されて、違う判断ということにはなるんだろうと思います。これは現時点でも申し上げているように、情勢に大きな変化があれば、そういうことで安全保障会議を開催をするということにしております。  あの時点で艦船の派遣の準備あるいは哨戒機の派遣の準備というのは行っていたわけでございまして、その準備をとめるような状況ではないということだと思います。

○本多委員 とめるような状況かどうかを検討するのが国家安全保障会議なんじゃないんですか。国家安全保障会議を開いたから必ず撤退しろと言っているわけじゃないんですよ。  だから、少なくとも、情勢に顕著な変化があった場合には国家安全保障会議において対応を検討すると書いているんですから、あのぐらいのことが起こって検討しないんだったら、どんなことが起こっても検討しないということで、心配でしようがないですよ、私は。  一応この閣議決定で書いているけれども、顕著な情勢の変化じゃないんですか、あれ、一月三日の状況は。

○河野国務大臣 両国はエスカレートさせる意図はないということでございましたし、派遣云々ではなくて派遣の準備でございますので、派遣の準備について変更する必要はないというふうに判断をしたわけでございます。

○本多委員 じゃ、派遣について検討されたということでよろしいんですか。準備については変更しないけれども、派遣については検討したんですか。

○河野国務大臣 八日の時点で、これ以上のエスカレートは回避されたという判断をしております。

○本多委員 三日から八日の間に国家安全保障会議で検討すべきだったんじゃないんですか、今から考えると。どうなんですか。

○河野国務大臣 八日の時点で情報が出そろったときにしっかりと判断をしたというふうに考えております。

○本多委員 日本政府のコントロールが、全くアメリカと今イランの状況を読めない中でたまたまそうなっているだけで、あれだけのことが起こっても迅速に国家安全保障会議も開かない。国家安全保障会議も開かないままに、前に総理大臣が勝手に記者会見で続行を表明をする。こういう、国会へのシビリアンコントロールはゼロですけれども、内閣の中のシビリアンコントロールも全くきいていない。こんなめちゃくちゃな過程で出されているということは、本当に大問題だと私は思っています。  少しほかの論点も質問をさせていただきたいと思うんですが、今回、私は、日本の防衛のためには、それは自衛官、危険な任務にもついてもらうことはある。そういうために自衛隊員として頑張って、自衛官として頑張っていただいている。それは皆さんと認識をともにしていますが、調査研究のために命をかけるということはないですよね。よろしいですよね。

○河野国務大臣 自衛隊というのは我が国をしっかりと守るというのがその任務であって、この調査研究は、その自衛隊の任務の一つであります。

○本多委員 質問に答えていないんです。  しっかりと、身の危険を顧みずに当たる任務はあると思いますよ。防衛省設置法の調査研究、これで危険を顧みずではないですよねということを聞いている。きちんと、ちゃんと皆さん、隊員の安全の確保に万全を期すと閣議決定で書いているじゃないですか。隊員の安全確保には万全を期してもらうということでよろしいですか。

○河野国務大臣 自衛隊員の使命というのは、国民あるいは日本という国のリスクを下げるということでありまして、自衛隊員の任務というのは、常にリスクを伴うものであります。  自衛隊の任務の中で、例えば機体を整備をする、艦艇を整備をする、あるいは警戒監視をする、それはさまざまな任務がありますが、全くリスクがない任務というのはないわけで、その上でしっかりと自衛隊の隊員が任務に当たってくれている、そのおかげで国民のリスクは下げられている、そういうことだと理解しております。

○本多委員 言葉の遊びを別にしたいわけじゃないので、それはみんな、警察官だって消防官だって、場合によっては普通の公務員だって、みんな時にはそういうことはあるんですよ。ただ、状況として、本当に安全性の配慮はあるのかということなんですけれども、じゃ、派遣地域の話を少ししたいと思います。とても疑問なんです。  先ほど中谷先生の質問の中で、効率性、つまり一隻ぐらいしか船もそんな出せないし、効率性の観点から地域を絞っているとおっしゃっているんです。私は、この一隻、残念ながら、正直に言うと、一隻を派遣しただけで、中谷先生、正直ですから、プレゼンスと安心感を与えるために行くんだというふうに正直におっしゃっています。政府は正直に言っていません。行くと何か守れるみたいなことをおっしゃっていますが、私は、残念ながら、この広域な海域に一隻行って守れると思いません。中谷先生の言い方が、安心感とプレゼンスのために行くというのはわかります。  しかし、もしそうであるならば、実は、日本の大事な石油を運んでくる船が通っている、集中しているところはホルムズ海峡で、ペルシャ湾なわけです。私はそこにも行かすべきではもちろんないと思っていますが、なぜそこには行かずに、その外の、でも私、外も実は安全だと思っていないんですが、この地域設定は、安全ではなくて何が根拠なんですか。  実効性の観点から見てもおかしい。実効性を大事にするなら、ペルシャ湾、少なくともホルムズ海峡の近辺に行くべきだし、私は反対ですよ。でも、実効性を重んじる方々もいる。国民の中には、日本のタンカーを何で守らないんだみたいな議論を私に吹っかけてくる方もいるんですよ。実効性の観点からいったらおかしいんですよ。そういう思いの皆さんもいるんですよ。  しかし、まずそっちから答えていただけますか。実効性の観点からいったらおかしくないですか。

○河野国務大臣 今回の護衛艦の派遣は情報収集を目的としているものでございます。この情報収集エリアについて政府として検討を行いましたが、まず、ホルムズ海峡からペルシャ湾に至る海域において日本関係船舶が集中をするのが、俗に分離航行帯、分離航路帯と言われているものでございまして、ここは主にオマーンあるいはイランの、沿岸国の領海内でございます。  もとより、今の国際的なルールの中では、領海における航行の安全を確保するためには、領海に主権を有する沿岸国が責任を持つということになっておりまして、また、先ほど申し上げましたが、領海内での情報収集活動は沿岸国から無害通航に該当しないと主張され得る、そういう可能性があるわけでございます。  また、ホルムズ海峡の中につきましては、アメリカを始め、沿岸国との意思疎通によって一定の情報の収集が可能である、そういうふうに判断をしたわけでございまして、護衛艦を一隻派遣をするわけですから、この全ての関係海域を全部一隻でカバーすることができない、効率的にどうするのがいいかというのを考えた結果、先ほど申し上げましたように、ホルムズ海峡からペルシャ湾に至る海域ではなくて、オマーン湾、アラビア海北部、バブエルマンデブ海峡の東側のアデン湾、ここで情報収集を行う、そういう活動をするということを、検討の結果、決めたわけでございます。

○本多委員 今とんでもない発言をされたと私思いますけれども、ペルシャ湾は有志連合がやるから分担でやるということなんですか。分担でペルシャ湾の外をやるんですか。独自なのに、何で有志連合の活動範囲が関係あるんですか。

○河野国務大臣 ペルシャ湾に関して言えば、アメリカや沿岸国との意思疎通を通じて情報収集をすることができると申し上げたわけで、有志連合には参加しないというのは、明確にこれまでも申し上げてきているところでございます。

○本多委員 ペルシャ湾という日本のタンカーが一番通っている海で情報収集しないで、オマーン湾の情報は、ではアメリカから得ればいいんじゃないんですか、そんなことで済むなら。オマーン湾の情報もアメリカから得れば、日本の船の安全は守れるんじゃないですか、その理屈だと。

○河野国務大臣 これまでの日本の行ってきた外交努力との調和あるいは護衛艦の運用の効率性、そうしたさまざまなことを検討した結果、今回の情報収集海域を決めたわけでございます。

○本多委員 私と意見は異なるんですけれども、日本政府がしっかり、危険なところを通って頑張っているタンカーを守ってくれるんだと思っている国民の皆さんに対して、実は残念ながら違うんです、そういう実効性の観点からいっても、効率性とか。それから、安全性でここをやっていると誤解している方もいるんですけれども、それは政府の見解と違うというのは私は存じ上げています。  しかし、私、実は逆に危険だと思っているんです、このイエメンの沖とオマーン湾というのは。なぜかといえば、イエメンの沖というのは、イラン系のフーシ派という組織が、これはUAEにミサイルを撃ち込んだりとか、本当に本格的な国みたいな行動をしていて、イランはコントロールがきくかどうかわからないですよ、イラン系のこんな組織の。ここの沖合を一隻の日本の護衛艦がうろうろする。格好の何か材料を与えることにならないんですか、まずイエメンの沖については。  それから、オマーン湾というのは、皆さんがまだ犯人を捕まえていただいていませんけれども、日本の会社の船、コクカ・カレイジャスが吸着式機雷で破損を受けた、破壊をされた海じゃないですか。ここに、危険な海だという認識はあるんですよね、オマーン湾とイエメン沖は。

○河野国務大臣 バブエルマンデブ海峡東側のアデン湾につきましては、これは現在も海賊対処行動を行っているところで、その部隊に新たな任務を付与するということでございます。  また、オマーン湾あるいはアラビア海北部、もちろん、中東の緊張が高まっているからこそ情報収集をしなければならないわけでありますから、何かが一〇〇%起きることはないと断言することは誰にもできないわけでございますが、しっかりと準備をして情報収集活動に当たらせたいと思います。

○本多委員 いや、一〇〇%安全じゃなきゃ活動しちゃいけないなんて私は言っていませんよ。そんなあほみたいな議論をするためにいるんじゃないんですよ。  極めて危険だと。日本のタンカーが、日本の会社のタンカーが既に攻撃を受けて、犯人も捕まえられていない。対策もとれないじゃないですか。吸着式機雷というのは防げるんですか。日本の自衛艦が一隻行ったら、その張りつけられることが。日本の護衛艦そのものもそういう攻撃を受ける危険があるんだと思うんですよ。  私、ずっと、不測の事態が起こったら海上警備行動という話は、不測の事態というのは、たまたま近くにいた日本の船が攻撃されたときの話だけしているということでいいんですか。質問の意図は、本格的な戦争が始まってしまった場合とか、それから、考えたくないけれども、自衛艦そのものが攻撃をされた場合ですよ。こういうときのことを考えているんですか。

○河野国務大臣 情勢が大きく変わった場合には、国家安全保障会議を開催をして、新たな対応を検討するということになります。

○本多委員 話は戻りますけれども、先日の一月三日から一月八日の間の緊張ぐらいじゃ国家安全保障会議は開かれないということですよね。

○河野国務大臣 必要に応じて国家安全保障会議が開催されることになると思います。

○本多委員 一月三日から一月八日の間は必要なかったという認識でいいですね、もう一回確認しますけれども。

○河野国務大臣 一月の八日に開催をしたのではないかと思いますが。

○本多委員 イランとトランプ大統領が、ある程度エスカレートしないというあの声明をする前の時点で開催をする必要はなかったという認識でいいんですね。

○河野国務大臣 常に情勢を注視しながら、必要に応じて安保会議を開催する、そういうことでございます。

○本多委員 法的な観点、実効性の観点、それから、これからどんどん議論していきますけれども、これは事実上はアメリカとの一体化と見られる危険、その場合にはどんな情報提供をするか我々は教えてもらえない中で、それは憲法に抵触する危険もあります。そういう中で、国会の議論もなく、あれだけの情報、変化があっても、国会どころか、内閣の中の国家安全保障会議も開かれない。こんな中で自衛艦だけ出していく。もう安全も守れない。  残念ながら誤解している方が多いんですが、中谷先生的なプレゼンスと安心感、これは出るかもしれません、中谷先生がおっしゃった。しかし、実際的に守れるかといったら、海上警備行動ですら、たまたま近くにいたら何かができるというだけにすぎません。こうしたプレゼンスのための活動で、危険な状態のときに危険な地域に自衛艦を派遣することは大問題で、私は反対だということを申し上げて、質問を終わります。  以上です。