衆議院-予算委員会 2021年(令和3年)01月26日 (国会会議録検索システムより抜粋) ※この質疑の動画はこちら
○金田委員長 この際、本多平直君から関連質疑の申出があります。小川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。本多平直君。
○本多委員 立憲民主党の本多平直です。
総理、まさに今、コロナで、国民の皆さんに苦しいこと、厳しいこともお願いをしなきゃいけない総理の立場です。まさに政治の信頼が問われていると思います。今の政府・与党がその信頼に足る状況なのかどうかということに関して、政治と金の問題、残念ながら、質問せざるを得ません。
まず、この国会、我々がいるこの時期だけでも、まずカジノ疑惑、あきもと元IR担当副大臣、中国カジノ企業からの七百六十万円。起訴されても辞職をしていません。ほかの五人の方にも疑惑が生じたまま、説明をいただいていません。
河井夫妻の選挙違反、二千九百万、百六十万円。河井法務大臣の方は裁判中でありますけれども、あんり議員は、先日有罪判決が出ましたけれども、起訴どころか有罪判決を受けても、そして、保釈されて国会に出てこられる状態でも国会に出ず、歳費だけもらって議員を続けていらっしゃいます、仕事もしないで。
そして、この問題はこの二人の問題だけではありません。自民党から、この原資ではないかと疑われる一億五千万ものお金、自民党が勝手に集めたんだったらいざ知らず、国民からの税金が相当入っています。この使い道についても全く説明されていません。
そして、安倍前総理の桜を見る会。御本人は不起訴になりましたけれども、不起訴だから何もしていなかったのか。本当に私たちは説明を求めたい。まさにこの部屋でさんざんうそをつかれたわけです。そして、我々が求めているホテルの明細書も領収書も出てきていません。
そして、新たに発覚した鶏卵疑惑。吉川大臣の、そして、辞めましたけれども、西川内閣官房参与の大きな疑惑が出ています。
総理、このコロナで国民の皆さんに厳しいこと、苦しいことをお願いしているときにこれでいいのか。私は、人間だから間違うこともあると思うんですよ。間違ったらちゃんと検察が捕まえて裁判に行く、それはいいですよ。しかし、この人たち、説明していないんですよ、まず。記者会見もしない、説明もしない、そして、ここの委員にも来ないですよ、誰も、呼んでも。今日も西川さんも吉川さんも呼んでいますけれども、吉川さんは病気なのかもしれないけれども、西川さん、この場に来ない。説明はしない、そして議員辞職、これもしないんですよ。
裁判、最後まで争おうがいいですよ、次の選挙に出ようが、それは自由です。しかし、私もかつて仲間がいろいろな事件に巻き込まれて、疑いがあるだけで辞めた方もいます。二審も三審も争うけれども、一審で有罪になったらこれはけじめだということで辞めた議員もいます。
こういう過去の中で、こんな人をこれだけ抱えていて、コロナ対応、信頼できる政府、言えますか。
○菅内閣総理大臣 まず、コロナ対応は、今御指摘の点とは全く別のやるべきことですし、最優先でやるべきことでありますので、コロナ対策については全力で挙げて、これ以上のコロナの拡大を防ぐために取り組んでいるところであります。
そして、今いろいろ名前が挙がりましたけれども、そうしたことは極めて残念なことであります。
○本多委員 遺憾という人ごとみたいな話で済まされて、そういうことだから信頼が国民の間に生まれていないと私は思います。
一つ一つ行きます。
これは最近の疑惑ですのでちょっと説明します。誤解がないように申し上げますけれども、河井さん、この事件、河井元法務大臣は、表に、きちんと報告書に出したお金を六年間で千八百六十万円、同じ広島ということで、このアキタフーズの秋田元代表と親しくなられたんでしょう。このことは何も、ある意味、表面上は問題はありません。非常に親しくなって、多分ですけれども、私の推測ですけれども、農業に詳しい人を紹介してくれということで西川元農水大臣、そして吉川元農水大臣を紹介していったという形になると思うんですが。
問題は、今起訴されました吉川大臣。これはもう論外なんですね。大臣在任中に五百万円。二〇一八年十一月二十一日、ホテルのトイレ。こういうことがあるんですね、宴会の最中、ホテルの中の料亭、トイレに行ったところでこんな、二百万円。どういう顔でこういうことをしているんでしょうね。大臣室ですよ、百万円、百万円。これで今在宅起訴されています。
しかし、報道では、大臣のときだけしか起訴の案件になっていませんけれども、それ以外に千三百万円ですよ。この人が、私は、公正な農政をやっていたと、とてもこれだけで、犯罪かどうかは別ですよ、犯罪かどうかは検察、しっかりやってもらえばいいと思いますが、これだけでもう疑い深いことだと思うんですよ。
それで、総理、たくさん自民党の国会議員がおりますけれども、相当親しかったんじゃないかということを、吉川大臣、この何百人もいる自民党の国会議員の中で、相当親しかったんじゃないかと思うんですよ。
まず、当選同期ですよね。残念ながら、この河井さんも西川さんも全部当選同期ですよね、総理の。当選同期で、大変、普通仲よくなりますよね。
それで、この間、菅総理にとっては一世一代の勝負の総裁選、選対の事務局長が吉川さんですよね。そして、総裁になられた後、さすがに何回も大臣にするわけにいかないと思ったら、今度、選対本部選対委員長代行というわざわざ新しい役職をつくって、そこに就けている。本当に信頼をしている関係だと思うんですね。
ここまではもう、皆さん聞いてもらえば、そうなんだ、ただの一議員じゃないんだと。総理と本当に近い方がこういうことをやっていたんだということをまず申し上げたいんですが、一つ、それを実証する面白いエピソードがある新聞に載っていましたので、事実かどうか確認をします。
二〇一六年、吉川さんは自民党の北海道連の会長になろうとしていました。ある方と自民党の中で争っていたんですね。そのときに、自分が北海道の会長になりたいから何とかしてくださいといって、自民党の重鎮のところにお願いに行ったそうなんです。ここまではいいですよね。何とかよろしくお願いしますと、何で北海道の人事でそんなところに行くのかよく分かりませんけれども、行ったんですよ。
その自民党の重鎮の方が新聞記者さんに答えているには、そこまではいい、ところが、びっくりしたことに、その後、官房長官で忙しかった菅さんが来て、吉川を北海道連の会長に頼むと。
この重鎮は怒っているんですよ。あんた、大臣の人事ならいざ知らず、そんな北海道の人事に官房長官がこんなところに来るな、こんなことを吉川も頼むなと。菅長官は、しっかり言って聞かせますとその重鎮に言われたそうなんです。
本当なんですか、こんなこと。
○菅内閣総理大臣 事実無根です。
○本多委員 まあ、政治家でぺらぺら自分の自慢話をする人がいますので、この自民党重鎮の方が真っ赤なうそを新聞社に話したということでまた理解をしておきます。
しかし、ともかく、この事実がなかったにしても、すごく親しい方であるということは間違いないわけです。
次に、このお金を渡した方の、アキタフーズの秋田代表との関係についてお伺いします。
総理、面識、資金提供は過去にございますか。
○菅内閣総理大臣 具体的な日時については記憶が定かでありませんけれども、数年前、業界の方と一緒に御挨拶を受けたことはあるかもしれません。
また、御指摘の人物から資金提供を受けたことはありません。
○本多委員 それを聞いて少し安心しましたけれども、御挨拶は受けていると。そして、過去の話ですけれども、二〇一二年と一四年、この人が深く関わっている団体からは献金を受けている時期があるということは御紹介をしておきます。
しかし、本当に挨拶を受けただけなのか。
秋田代表、これも新聞紙によりますと、相当、菅官房長官を、当時ですよ、どなりつけてやったと言っているんですよ。一六年当時農水省の事務次官で、後で出てきますけれども、クルーザーに乗っけて接待している本川という次官が、ずぶずぶなわけですから、クルーザーに乗っけているその親しい次官を、いろいろな御都合で、総理も人事大好きですから、一年間で別な次官にしたわけです。このときに、留任させろとしつこく言って、本川をもう一年やらせろと言って要望を受けたことはないですか。
○菅内閣総理大臣 そのことも全く事実無根です。
○本多委員 まあ、新聞も、新聞にいろいろな自慢話をする人がいますので、もうこの秋田代表の方はいいです。さっきの自民党重鎮の話は、自民党重鎮の方がどこかで怒っているといいと思いますよ、事実無根と言われて。しかし、それはそれで、そういうこともあるかもしれません。そこは分かりました。しかし、これからしっかりとそこは追及をしていきたいと思います。
さて、まずこの吉川さんの方は、国民感情から見ても、これから裁判になりますけれども、ホテルのトイレで二百万円、大臣室で百万円、大臣室で百万円、これはもうしっかりと検察でやっていただきたいと思いますが、問題は西川公也さんなんですよ。いいですか、これ、ちょっと前の話じゃないですよ。先月までこの人は官邸をうろうろしていたんですよ。
内閣官房参与というのはどういう仕事かというと、日給二万六千四百円もらえるんですよ。でも、日給二万六千四百円、一時間来てもいいんだそうですよ。三十分来ても二万六千四百円。この人、大体毎年百五十日ぐらい来ていたので、四百万ぐらいもらっているわけです。国、国民の税金から四百万もらいながら、このアキタフーズの顧問もして。
ちょっと写真を見せてもらっていいですか。この真ん中にいるのがアキタの社長で、吉川大臣に要望書を渡して、どっちの立場でいるんですか、この人。内閣官房参与というのは、総理が任命した非常勤の公務員。四百万も給料をもらって、これはお願いされているんですか、お願いしているんですか。何をやっているんですか、この人。
業界と一緒に大臣室に行ったと、自分の、これは今日も載っていますから、皆さん見てくださいよ。まだブログに載っているんです、堂々と。これは何しに行っているんですか。これはどっちの立場なんですか、総理。
今日、西川さん、呼んでいますけれども来ていないので、これに答えられるのは総理だけです。何しに行っているんですか、これ。
○菅内閣総理大臣 それは私も答えられないんじゃないんですか。何しに行ったかというのは承知していません。
○本多委員 総理、よくそんなこと言えますね。
実は、安倍総理の最後の時期、内閣官房参与というのは十名もいました。若干多過ぎるなと思っていたのを、菅総理になって、五名辞めさせて、五名、まあ再任も新任もいますが、任命した。そこに残っているんですよ。まさに、去年の夏、十人は多過ぎる、内閣官房参与。それをまた任命した人がこういうことをやっている。どういう責任を感じますか。
この現金授受の疑惑、そして、今日も出てきて説明をしない。農水省の政策にどう影響を及ぼしたかも全く説明をしない。こんな人、総理の任命の、まさに身近な内閣官房参与に任命して、秘書二人、車一台、内閣府の部屋一つ与えて、こんなことをしている。どういう責任を感じられますか。説明責任するべきじゃないですか。
○菅内閣総理大臣 西川内閣官房参与は既に退職して一民間人となっており、お尋ねについては、資金提供の有無を含めて、政府としてお答えはすべきじゃないと思います。
○本多委員 委員長、私、今日突然聞いたんじゃないんですよ。こういうことになるのが嫌なので。この人、取材にも答えていないので。先月までいたんですよ、政府に。だから、今日出てきて、本人に聞きたいですよ。是非、ちょっと委員長、呼んでもらえませんか、西川公也さん。
四百万毎年もらいながら、業界から数百万もらって、検察は、証拠、なかなか集められない、時効もある、こういうことで、今回起訴しないかもしれないけれども、我々としては農政がゆがめられたんじゃないかと思うじゃないですか、こんな業界団体と一緒に。
○金田委員長 ただいまの点につきましては、理事会で協議をしているところであります。
○本多委員 こんな人がうろうろしていると、どういうふうに農水省に働きかけをしていたのか、これが分からないと、次からやる本予算だって審議できないので。西川公也さん、総理しか上司がいないんですよ、西川公也さんには。
調べておいてくださいと私は言ったんですけれども、電話はしてくれたんですか。電話したけれども答えないんですか。それとも、それは、政府としてはもう、先月、疑惑が出たら辞めた、辞めたら、国民の給料を、毎年四百万、数年にわたってもらっていた西川公也さん、それで終わりなんですか。全く説明してもらえないんですか。
○野上国務大臣 今、農林水産行政への働きかけというお話がありましたので、私の方からお答えさせていただきたいと思いますが、農林水産省としましては、吉川元農林水産大臣がアキタフーズからの収賄の容疑で起訴されたことに関しまして、農林水産省としても、国民に疑念を持たれることがないように、養鶏、鶏卵行政の公正性につきまして、今後の公判の影響等に配慮しつつ、第三者による検証を開始をすることといたしました。現在、設置に向けて準備中でありまして、準備ができ次第、速やかに検証委員会を設置をしたいと考えております。
また、お尋ねの、アキタフーズからの要望事項に関する西川氏からの働きかけ等につきましては、これは、公判等に影響を与える可能性があることから、コメントは差し控えさせていただきますが、いずれにしても、この養鶏、鶏卵行政の公正性については、第三者検証委員会による検証を開始することとしておりますので、その委員の主導の下で、公判等の影響に配慮しつつ、検証をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○本多委員 野上大臣、見てください、こっち。質問していないのに出てきて、いいかげんなことを言わないでくださいよ。
百歩譲って、吉川さんの方は、国民がどう見ても、もう国民の皆さんが判断すると思いますけれども、西川さんのことを聞いているんですよ、今。西川さんのことが、何が公判に影響するんですか、起訴もされていない人が。訂正してください。
○野上国務大臣 私が申し上げましたのは、鶏卵行政の公正性につきましてしっかりと検証をしていくということを申し上げたわけであります。
吉川大臣と秋田代表が収賄罪の容疑で起訴されておりまして、今後、公判において事実の解明が図られることを踏まえれば、当該司法の手続を尊重することが必要でありまして、お尋ねの点についてはお答えを控えているというところであります。
○金田委員長 質問者、明確にもう一回質問してください。(発言する者あり)いやいや、二人のうち一人のお話だというのはもう一度。
○本多委員 こんなことで、大臣、ちゃんと顔を見てくださいよ。西川さんと吉川さん、幾ら一心同体でいろいろやっているからといって、混乱しないでくださいよ。吉川さんの話はたっぷり聞くから。
西川さんが、なぜ、起訴もされていないのに公判に影響が出るんですか。農水の影響なんてこれから聞くんだよ。訂正してくださいよ。公判になんか影響は出ないでしょう、裁判には。訂正してください。
○金田委員長 農林水産大臣野上浩太郎君、質問の趣旨は御理解いただけましたね。(本多委員「影響するわけないじゃん」と呼ぶ)
○野上国務大臣 いや、ですから、吉川大臣とアキタフーズが収賄の件で起訴されたわけでありますから、アキタフーズの公判についてこれは影響があるということであります。
○本多委員 我々への、国民への説明より、西川や吉川をかばうというよりも、アキタフーズをおかばいになるということで、よく分かりました。
さて……(発言する者あり)そういうふうに取れるんですよ。
それで、委員長、今日は時間がないから、第一弾なんですけれども、これは、この三人だけじゃ、まあ、河井さんを入れたらかわいそうですけれども、西川、吉川だけなのかという問題なんですよ。
まず、大臣。官僚もたくさん接待されていますよね。吉川大臣に呼ばれて行ったんだから、私は情状酌量の余地はあると思いますけれども、これは公務員倫理審査会でしっかりと審査して、処分してください。今、事務次官になっている方も、この何かメンバーの宴会に行って、手土産ももらっている。官僚だって、信頼をなかなかしにくいんですよ。
そして、何でこういうことが明らかになってきたかというと、河井さんの選挙違反事件の捜査で家宅捜索にアキタフーズに入って、こんないろいろな事実が明らかになってきたんですよ。こういうことがなかったら明らかにならなかった事実なんですよ。
今、このアキタフーズの秋田代表の、社長の秘書が持っていた手帳のメモというのが出回っているんです。私も見ました。もちろん、本物かどうか分からないですよ。だけれども、この会った日付、今確定されている日付は一致しているんですよ、ぴったりと。だから、ほかのことも大体正しいかなと思うと、連日、広島で仕事をしないで、この国会の辺りをいろいろうろうろして、いろいろな方と会っているんです。こんなしょっちゅう現金を渡す癖のある人、ほかの議員に渡していないのかということなんですよ、官僚のことも後でやるけれども。
実は、もう既に怪しい訂正が二つあるんですよ、自民党の議員で。農水族の方二人が、それまではしれっと五十万もらっておいて、先月このことが報道されてから、いやいや、書き忘れていましたと、報告書に。訂正した人、二人いますよね。そして、その人は内閣の政務官か何かしていますよね。
○菅内閣総理大臣 まず、政治家として、個々人の政治活動については、政治家本人の責任においてこれは行うものだというふうに思います。
いずれにしろ、政治家は、その責任を自覚し、国民に疑念を持たれないよう、常に襟を正していかなきゃならないと思います。
そういう中で、私自身は、内閣に、今言われた方については、具体的なことは承知はしていません。
○本多委員 これも、時間がかかるので、先週通告をしているんです。菅内閣の大臣、副大臣、政務官で、このアキタフーズから、正式な献金でもいいです、裏金でも何でも、もらっている事実を今日までに確認してくださいということを事前に通告していますが、どういう調査になったんですか。
○菅内閣総理大臣 今私が申し上げたとおりです。
政治家個々人の政治活動については、政治家本人の責任に、これは行うものだというふうに思いますし、政治家は、その責任を自覚し、国民に疑念を持たれないように常に襟を正していくことは、これは当然のことだと思います。
○本多委員 調査してくださいというお願いも拒否、これが今の菅内閣、コロナ対応に当たる菅内閣の実態です。
しかし、私は、あのアキタの代表の秘書の手帳が本物かどうか知りませんけれども、あれを見る限り、残念ながらこれからも、農水関係の先生、特に御確認された方がいいですよ。今だったら。私は虚偽記載だと思いますけれどもね、こんなの、典型的な。裏金としてもらっていたけれども、何かばれたから、ああ間違っていましたと慌ててやって。これからどんどんそういう方が、私は虚偽記載だと思いますけれども、訂正するんだったら早めにした方がいいんじゃないんですか。国民の皆さんに、やましい金じゃないんだったら、しっかりとやってほしいと思います。
それで、私、今日言いたいのは、政策がゆがめられているんですよ。ただ、この変な、大臣が金をもらっただけなら、犯罪なんだけれども、残念ながら農政がゆがめられた疑惑をしたいと思います。
ちょっとこの二つの紙を出させていただくんですけれども、これを何で今日持ってきたかというと、ちょっと菅総理も聞いてください。
鳥の、卵を産む鳥、私たちも一日一個か二個食べる大切なたんぱく源、鶏が日本でもたくさん生産をされているんだけれども、その飼い方が、ちょっと狭いところでやり過ぎなんじゃないか。つまり、これよりちょっと広いんですよ、B5より。だけれども、一羽の鳥の面積、日本はこのA4の紙より狭いんです、平均的に。この中に、この面積に何十日間も閉じ込められて卵を産む。
長年そういうふうにやってきて、いろいろな事情も業界の中ではあるんでしょう。急に変えられないのも分かります。私、急に変えろと言うんだったら、こういうところにこそ、しっかり国の支援をするべきだと思います。しかし、こんなふうに金を渡したところで政策がゆがんでいるんですよ。
この問題、実は、この横に、今日パネルの補助をしてくれている群馬県の堀越啓仁議員が、ずっと専門家で、うちの党で二回も質問しているんですよ。違う大臣に質問して、全くがらりと答弁が変わっているんですよ。
まず一つは、そこに齋藤大臣、非常に立派な答弁をされているんです。同じ年ですよ、二〇一八年。
ちゃんと、世界の情勢を踏まえると、国際情勢を踏まえて進めないと、日本の人口も減るんだから。今、ヨーロッパでは禁止されているんです、もう鳥籠自体が。狭さの次元じゃないんですよ。日本はDランクなんです、鳥の条件として。ヨーロッパでは、ほかの国では、広い鳥小屋若しくは平らな場所。啓仁さん、間違っていたら言ってね。ヨーロッパでは、もう鳥籠で飼うこと自体が禁止。オリンピックの選手も、鳥籠で飼っている鳥の卵は食べたくないから東京オリンピックでも何とかしてくれと要請が出ている。輸出できないんですよ、こんなことを続けていくと。
齋藤大臣のときは、すごく前向きな答弁をこの堀越委員にしているんです。
野上大臣、ところが、本当にうさん臭いんですけれども、二〇一八年の十一月二十一日、堀越さんは悔しいと思いますよ。堀越さんが、アニマルウェルフェアというんです、こういうのを。家畜でももうちょっと、私たちも食品として食べるんだからそんな偉そうなことを言えないけれども、生きている間は余り苦しい思いをさせないでおこうというのがヨーロッパでは主流だし、アメリカではどんどん広がっているんです。そして、このことについて質問したその日の夜ですよ。
全然変わっているんですよ、答弁が。齋藤大臣のときは、国際情勢を踏まえる、海外の状況も検討すると言っているのに、こういう関係の中で、吉川大臣は、生産者の声を踏まえてと変わっていますよね。一貫していないんですよ。何で変わったんですか。
○野上国務大臣 お答え申し上げます。
今御指摘のありました吉川大臣の前任である齋藤元大臣の御答弁ですが、平成三十年二月二十三日の衆議院予算委員会第六分科会におきまして、堀越議員からの質問に対しまして、「世界に通用するものに前進をさせていくということは極めて重要だろうと思っておりますので、実態を踏まえながら、その方向でしっかり努力をしていきたいなというふうに思っております。」と御答弁されています。
また、平成二十九年十二月十二日の衆議院農林水産委員会において、佐藤公治議員の質問に対しまして、アニマルウェルフェアに関するルールが急激に変化をして、そして生産者がついてこれないというものもこれはいけないというふうに思っておりますので、現実的にしっかり取組が進むように、生産者の理解を得ながら推進をしていくことが重要だろうと思っておりますと御答弁されておりまして、これは吉川大臣とともに、生産者の理解を得ながら推進するとの考えも御答弁をされているわけであります。
吉川元大臣は、平成三十年十一月二十一日の衆議院農林水産委員会におきまして、堀越議員の質問に対して、国際獣疫事務局からいただいたアニマルウェルフェアについての評価、助言に言及をして、「今後とも、いただいた助言も参考にしながら、生産者の理解を得ながら、アニマルウエルフェアを推進してまいりたいと存じております。」と御答弁をされておりますので、このことから、齋藤元大臣そしてまた吉川元大臣の答弁の考え方の違いはなく、吉川元大臣になってからアニマルウェルフェアに関する基本的な考え方が変更したということは当たらないと考えております。
○本多委員 大臣、いいかげんなことを言うのはやめてくださいよ。
私、昨日、農水省の官僚に聞きました。ヨーロッパは大変進んでいるんですね。まあ、日本の業者からしたら進み過ぎと言うのかもしれない。アメリカは必死に追いかけている。ところが、ここまでは分かるんですけれども、実は、韓国もフィリピンもマレーシアも、輸出しなきゃいけないから、条件、苦しいかもしれないけれども、合わせようと努力しているんですよ。もうインドもですよ。
これは、状況を調べているんですか。各国の状況も見ながらやると今堂々と言ったけれども、ヨーロッパやアメリカどころか、いろいろな言い訳して、暑いからといったら、フィリピン、マレーシアはどうなるんですか。暑い国でもやっているじゃないですか、着々と。調べているんですか、まず。調べてもいないでしょう。
○野上国務大臣 お答え申し上げます。
今、韓国やアジア諸国についてのお話をいただきましたが、諸外国における採卵鶏に関する法制度につきましては、韓国では、これは平成三十年九月に施行された畜産法施行令において規定されておりますが、飼養密度に関する基準が一羽当たり五百平方センチメートルから七百五十平方センチメートルに引き上げられ、既存施設については令和七年九月までにこの基準を満たすとのことが求められておりまして、バタリーケージについては禁止されていないものと承知をしております。
タイなど、その他のアジア諸国の法制度の状況につきましては承知をしておりませんが、エンリッチドケージ飼いを含めたケージ飼いによる飼養の割合について、国際鶏卵委員会の調査によりますと、我が国は九四・二%ですが、世界で飼養羽数が第一位の中国では九八%、また、この他、飼養羽数の多い米国では八〇・四%、インドでは約一〇〇%となっております。
日本としては、このような世界の状況を踏まえて、科学的な知見を付して、多様な飼養形態が認められるべきとの旨のコメントをOIEに提出したところであります。
○本多委員 野上農政は中国とインドの基準を参考にやってください、そのまま国際基準に遅れて。私は、結局、業者の方も早めにこういうのに取り組んだ方がいいと思いますよ、そこは国の補助も出していいと思いますよ。そういう中国の数字とインドの数字があるからいいんだと、最後までやってください、その方針で。ふざけるなと思います。
アニマルウェルフェアの話ももっとやりたいけれども、実は本丸は補助金なんですよ。この大臣、二百万、百万、百万、戻った後、吉川大臣の下で卵の補助金の仕組みが大改正しているんです。
最初、仕組みが難し過ぎて、私も勉強するのに一週間かかって、分からなかったけれども、農水省自身の試算をしてもらったんですね。同じ条件で二〇一九年にもらえる額と二〇二〇年にもらえる額。卵の値段が安過ぎたとき、ちょっとかわいそうだけれども、鳥を早く殺して卵の数を減らして卵の値段を上げる、そのときに業者に出す金額。小規模の業者は百三十四万円が百三十六万円、ほとんど変わらないのに、中規模な業者は百五十八万もらっていた話が何と二百五十一万円。こんなアップあるんですか。そして、アキタフーズのような大規模な会社はどうなったかというと、一年にもらえる金額が三百九十四万円から六百二十六万円。これは仮の数字を置いて農水省に計算してもらった数字。
しかし、実際にアキタフーズ社は、一九年と二〇年、同じ条件でどれだけ変わっているんですか、幾らもらっているんですか。我々国民の税金、五十億この予算に入っていますけれども、アキタフーズに、一九年、二〇年、幾ら出ているんですか。
○野上国務大臣 お答えを申し上げます。
アキタフーズに幾らの補助金が出ているのかというお尋ねでありますが、これは個別企業に関する情報ですので、お答えは差し控えさせていただきたいと考えております。
○本多委員 そういうふうにしらばっくれていくのはいいですけれども、国民の税金です。
そして、来週以降審議が始まる来年度の予算にもまたこの予算は入っています。本当に、業界のためと秋田さんは言っていますけれども、自分の会社のためなんじゃないんですか。大きな会社のためだけなんじゃないんですか、我々の税金。これは、今後そういう答弁を続ける限り、次の本予算も通らないと思いますよ。
それで、総理、河井あんり議員、有罪判決を受けました。公明党の幹部も自民党参議院の幹部も、国会に出てきていないんだから、コロナでみんな仕事を失って苦しい思いをしている方もいる中で、国会にも出てこないで給料をもらっている。私は、起訴されただけで辞職した議員も過去にたくさんいるんですよ、有罪判決を受けたら辞職するのは当然だと思いますけれども、いかがですか。
○菅内閣総理大臣 お尋ねでありますので、自民党総裁として、あえて、立場で申し上げれば、我が党に所属していた方々について刑事裁判が行われることになったことは大変残念であり、そして、議員辞職を求める厳しい声があることは重く受け止めております。
ただ、いずれにしろ、政治家は、その責任を自覚をし、国民に疑念を持たれないように、常に襟を正していかなきゃならないというふうに思っています。
いずれにしろ、政治家の出処進退というのは自ら判断すべきものと思います。
○本多委員 そういう答弁をすると思って、私、十一年前のこの部屋で行われた、総理、野党時代の御質問の議事録を今日持ってきました。
まあ、ひどいんですよ。総理もなかなか格好よく、政治と金の問題一本で、この部屋で質問をしているんですけれども。
まず、安倍さんのように嫌疑不十分で不起訴になった人に対して、議員に対して、黒に近い灰色とか言っているんですよね、決めつけで。それから、残念ながら起訴された議員には、辞職勧告決議を自民党は出して、有罪じゃないですよ、まだ、起訴されただけで、自民党は当時、辞職勧告決議というのを出して、当時の総理を責め立てているんですけれども、このときのあなたはどこに行かれたんですか。
○菅内閣総理大臣 記憶にありません。
○本多委員 十一年前、野党議員として、予算委員会で、ついでにやったんじゃないんですよ、全部政治と金の話をされているんですよ。それで、いろいろなことを言って、これ、忘れたって、本当にそれは国民の前に言っているんですか。記憶、どうですか、こういうことをしていたんじゃないんですか。
○菅内閣総理大臣 十数年前のことですよ。私、今、即座にそうしたことを思い浮かべることはできません。
○本多委員 これが菅総理の政治信念だということがよく分かりました。
河井さんの事件も、何か河井さん二人だけに焦点が当たっていますけれども、自民党から、税金も含む一億五千万円が出ているんですね。これについて、総理、十年前は忘れたけれども、去年の夏のことはまだ覚えていますよね。岸田さんと……(発言する者あり)総裁選。去年、岸田さんと石破さんと争って、公開討論会で司会者から聞かれたんですよ、この問題どうするのかと。そのときに、総理、何と言っていますか。今は官房長官の立場だからできないけれども、総裁になったらしっかり答えると、しっかり調べると言ったんですよ。総裁になって何かされたんですか。
河井さんの方は裁判ですよ。でも、こういうことに、我々が払った税金が一億五千万も自民党から流れているんじゃないかと。流れていったから自民党がすぐ悪いとも限らないんですよ、知らなかったら。だけれども、事実を調べてくれと言っているのに、調べていないんですよ、誰も。調べてもらえないですか、総裁選挙の公約どおり。
○菅内閣総理大臣 今御指摘の一億五千万円は、支部の立ち上げに伴って、党勢拡大のための広報紙を全県に複数回配布した費用に充てられたとの説明が、そういう報告を受けております。
なお、使途の詳細については、検察当局に現在押収されている関係書類が返還され次第、党の公認会計士が内規に照らし監査を行い、しっかりチェックをすることになっております。
○本多委員 先ほどの二〇一〇年の議事録、読んでおいてください、今度。日にちもちゃんと後でお伝えしますので。
それで、最後にしますけれども、ちょっと総理、聞いてください。
コロナで国民の皆さんに苦しいことをお願いしなきゃいけない政権の中で、これは主なものだけですからね。カジノのあきもとさん、国会にも出てこない、辞めない、五人も説明しない。河井さん、裁判中かもしれません。自民党も、監査、私たち見せてもらっていません。あんりさん、有罪でも、公明党の幹部が言っても、自民党参議院の幹部が言っても辞職しない。安倍さんも、この部屋でうそついたのに、領収書もホテルの明細書も出してもらっていません。本来、この部屋で、予算委員会の我々に一番多くうそついたんだから、我々に説明して、事情を質問させてほしい。
吉川さんの問題、もっとやりたかったけれども、野上さん、本当に確認した方がいいですよ、来年度の予算。それから、五月にアニマルウェルフェアの国際会議がありますよね。そこで、日本国内ならまだしも、賄賂でゆがめられた主張をよもや国際会議で言わないように、今日、随分答弁拒否が多かったけれども、しっかり調べて、更に私はやりたいと思います。
さっき、総理、言われた議事録、後でお渡ししますから、午後までに確認していただけますか。読んでいただけますか。
○菅内閣総理大臣 どのぐらいの分量かよく分かりませんけれども、提供は受けます。
○本多委員 終わります。