衆議院-予算委員会 2021年(令和3年)02月10日
 (国会会議録検索システムより抜粋) ※この質疑の動画はこちら



○金田委員長 これにて今井君の質疑は終了いたしました。
 次に、本多平直君。

○本多委員 立憲民主党の本多平直です。
 まず、文科大臣に質問をさせていただきたいと思います。二点です。
 去年の年末、NHKスペシャルを見ておりまして、ちょっと私個人としてはショックを受けた出来事がありました。若手研究者の処遇が非常に悪くて、研究に非常勤の人が多いという問題、ずっと問題意識は持っていたんですが、今、日本国民というより全世界で誰もがこれは重要だと思うコロナの治療薬を研究をしていて、そして世界からの論文の紹介数も世界有数、世界トップとNHKでは報じられていました国立の鹿児島大学のある先生の研究室、三人で研究をされている。もう非常に厳しい条件の中で、三名で、常勤の教授と助教と、そしてもう一人、非常勤の方がメインで研究されるわけですよね、実質としては。その方が、今年の三月で処遇が切れてしまう、そのことが来年にならなきゃ分からないという話を見ました。
 それで、大臣、ちょっと勘違いされたら困るんですけれども、私、こういう役立つ研究だけ頑張ってほしいというわけでは実はないんです。すぐ世の中に役立つかどうかが見えにくい例えば文学であったり歴史であったり、文系も含めてですけれども、やはり安心して研究をしてもらうには、こういう若手の研究者の皆さん、三十代、しっかり常勤で、来年自分の雇用がどうなるのかな、こんなことを心配しないでしっかり研究に打ち込んでもらうことこそ僕は日本の国の力にもつながっていくんだと思っています。
 ところが、そうはいっても、やはり、このコロナの治療薬を研究して世界的に注目されている研究室の三名いるスタッフのうち、一人が非常勤で、今年の三月末に切れるかどうか分からなかったという状態なんですね。
 実は、文科省に調べてもらいましたら、幸いなことに、この若手の研究者の方、土日は薬局でバイトをしながら、お子さんを育てながら研究されているそうですけれども、この四月一日からも、当然ですけれども、研究をしていただけることになったそうです。
 しかし、私、問題の根本は、今、日本の科学技術費、皆さん、軍事費の話をするときだけ中国と比べて大変心配をされますけれども、ちょうど二十年前から、日本は科学技術に使っている予算は四・四兆で、ほぼ横ばいです。ところが、中国は、二〇〇〇年当時は三兆ぐらい、日本よりかなり下だったものが、今では、日本は四・四兆なのに、中国は二十八兆円、科学技術予算を使っています。
 ここをしっかりとやらないと、日本の科学技術、大変なことになっていくんじゃないかと私は心配をしています。特に国立大学は、萩生田大臣が資金を出せる運営費交付金をきちんと増やしていくべきではないか。
 つまり、萩生田大臣たちの政権は、競争的資金といって、公募して認めたところにはお金を出す、これはある程度やっているんです。これは賛否両論ありますけれども、まあ、これはこれで今日はおいておきます。しかし、いつなくなるか分からないんです。競争的資金は公募で落ちたら来なくなる、だから、スタッフを常勤にできない大きな原因の一つに、そういう競争的資金だけを増やしていることが問題になっているわけです。
 きちんと運営費交付金を、しっかりと横ばいではなくて増やしていかない限り、こうした大事な研究をしている方、すぐには役立たないけれども大切な研究をしている方、こういう三十代が、非常勤で来年どうなるか分からない暮らしを迫られている。これを変えていくためにも、大学の運営費交付金、しっかりと増額に向けて、文科省、取り組むべきではありませんか。

○萩生田国務大臣 御指摘ありがとうございます。
 国立大学法人の運営費交付金につきましては、平成二十七年度以降、前年度同額程度を確保しています。
 また、令和三年度予算案における国立大学法人の運営費交付金は一兆七百九十億円を計上しており、対前年度十六億円の減になっていますが、この減の要因は、令和二年度までの特殊要因、用地を一括で買ったものを債務償還をしてきましたが、これが終わりますので、その減でございます。したがって、令和三年度の予算案においては、教育研究の充実を図るため基幹運営費交付金を拡充したところであり、教育研究活動に必要な経費については対前年度増額を確保したところでございます。
 先生御指摘のとおりでございまして、若い研究者の皆さんが、やはり、来年自分がどうなるんだろうか、自分のポストはいつまであるんだろうか、こういう腰の落ち着かない中で日本の様々な重要な研究をしていることは望ましいことではないという認識の下で、今年度から、創発的研究という形で、選ばれた研究なんですけれども、十年間腰を据えて基礎研究に打ち込める環境をつくりました。
 あわせて、博士課程で研究をしながら学校にいる人たちが、今御指摘のように、週末アルバイトをしながら研究している。あるいは、研究所にいるんだけれども、もう生活費もままならない。これでは日本の将来の研究が前に進まないということで、お認めをいただいて、先日法律もお認めいただきましたけれども、三次補正含めて、一連のファンド等々のお金を使いながら、少なくとも、後期博士課程の皆さんが、一万五千人分、生活だけは心配しない年間二百二十万から二百六十万円の資金提供をするという仕組みを来年度からスタートさせていただくことにしました。
 ただ、いずれにしても、それだけでは問題解決にならなくて、しっかりと人へ投資をしていくというのが菅内閣の大きな方針だと私も思っておりますので、国立大学の運営費交付金につきましては、随伴の増額ができるように、しっかり資金確保ができるように引き続き努力をしてまいりたいと思っております。

○本多委員 ファンドとか別なメニューも全否定はしませんけれども、それだと安定しないんです。いつなくなるか分からない、いつ来るか分からない。だから、基本的な運営費交付金をしっかりやっていただきたい。
 民主党政権で取りかかり始めた三十五人学級、少人数学級、第一歩を踏み出したものも、萩生田大臣のところでやっと元の路線に戻していただきました。こうしたところにしっかりと光が当たる政策をやっていただきたいと思います。
 頑張っていただきたい方のもう一点。今度は、ここに予算をつけていいのかということを聞かせていただきます。
 今、森さんの問題で女性差別が世界から注目されていますが、日本では数年前に、医大の入試、女子差別というとんでもない問題が明らかになりました。東京医科大学が中心で、私学助成金、ここは、ほかの汚職事件などとの絡みで、一年間は一〇〇%カットという、これは私、柴山当時の文科大臣にもお願いしましたけれども、厳しい処分をしていただきました。その後ちょろちょろ出てきた大学も、二五%減。私は甘いと思いますが、一応やっている。
 ところが、最悪の大学が残っているんですよ。来年度の今審議している予算、私学助成金三千億円。このうち、聖マリアンナ医科大学、ここは、結局、だらだらだらだら、女子差別、入試でこっそり女子の点数を下げていたことを認めているんですか。第三者委員会の調査もつくって、第三者委員会は女子差別をしていたということを認定していますけれども、対外的に聖マリアンナ医科大学は認めていますか。

○萩生田国務大臣 御指摘の聖マリアンナ医科大学の事案でございますけれども、平成三十年度に明らかになった医学部の不正入試事案、これは男女の比率があらかじめ、女子に不利な採用をしていた、合格発表をしていたと
いうことでございまして、幾つかの私立大学が対象になりました。  それぞれの大学が第三者委員会などを、すぐにカミングアウトした大学もありましたし、いやいや、そんなことはないと言いながら第三者委員会をつくって、その後に、いや、実はやはりこういうことがあったということで申し出た大学もありましたが、御指摘の大学については、大学自らが設置した第三者委員会の報告の中では、明らかにそういうことがあったという報告があったにもかかわらず、理事の皆さんはそんなことはないんだということを言い張って、文科省としては、統計学の先生方にお願いをして調査をしました。
 そんな偶然が毎年毎年毎年毎年毎年続くのかということを改めて専門家の皆さんに調査していただいた結果、合理的な説明ができないということになりましたので、昨年十月に、文部科学省として、不適切とみなさざるを得ないという整理をしたところでございます。

○本多委員 文科省は不適切と認めているが、大学側はまだ認めていない、つまり、しらばっくれているわけですよね。しらばっくれて、まあ認めた大学がいいというわけじゃないですけれども、ひどいと思いますよ、やはり。日本で行われた近年の事件の中でも僕は一番怒っていますよ、こんな、性別でこっそり。たまたま文科省の汚職があったから分かっただけで、あの汚職事件がなかったらずうっと女子差別されていたわけですよ。
 こんなひどい話の、ばれて認めた大学の減額の話ですけれども、しらばっくれている大学に、今年は幾ら出しているんですか。減額しているといって、来年幾ら出すんですか。

○萩生田国務大臣 今年度、大学への最終的な配分額については三月中旬頃に確定をしますが、令和元年度の交付額が二十一億円です。

○本多委員 でも、通常二十一億円出していたものを、今年度は一応五〇%減ということにしていますが、我々の国税が、萩生田大臣、日本学術会議で十億、十億と言うけれども、この一大学に、こんな女子差別をして、ほかの全部の大学は認めているのに一つだけしらばっくれている大学に十億行く、そして来年度にもまた私学助成金が流れる。文科省も困っているわけでしょう、この認めない大学。しっかりと一〇〇%カットした例もあるんだから、こういうときこそしっかりと一〇〇%カットすべきじゃないですか。
 五〇%カット、こんな甘い処分でしらばっくれている大学を認めたら、こういう女子差別をしてもいいというメッセージになっちゃいますよ。しっかりと検討してもらえませんか、減額を。

○萩生田国務大臣 今、本多先生が声を荒げて怒りを表しているような記者会見を私もやらせてもらいました。
 ただ、システム上、私がこれはけしからぬから私学助成を止めろというのではなくて、私立大学の経常費補助金の具体の取扱いについては、私立学校振興助成法に基づいて、私立学校振興・共済事業団法に基づいて対応しておりまして、同大学の令和二年度の取扱いについても、このような法令に基づいて昨年十月の日本私立学校振興・共済事業団の運営審議会において審議され、結論が出たところでございます。
 この運営審議会では、不正入試に関する類似の事案が五〇%減額であることを参考にしつつ、個別の事情として、速やかに取るべき対応が取られたか、これは取っておりません、入学に関する寄附金の収受などの禁止に反するかなどを踏まえ議論がなされ、最終的に五〇%減額という結論が出されたと聞いております。
 文科省としては、今回の審議会の結論を尊重するとともに、大学に対しても、この結論を重く受け止めていただきたいと考えているところでございます。

○本多委員 私は納得がいきません。認めて、きちんと認めても五〇%、我々の税金、一度きちんと反省してもらうためには、永久にとは言いませんよ、一年間の一〇〇%カットをされた大学もあるんですから、私はそういう処分をもう一回検討していただきたいと思いますけれども、残念ながら、そういうお答えはいただけませんでした。
 森会長も本当にお辞めいただきたいと思いますけれども、こういう差別がこっそり行われ、ばれてもこの程度の処分で済み、認めていない大学に我々の税金が流れる。本当に納得がいきません。是非、引き続きしっかり検討をしていただきたいと思います。
 文科大臣、お帰りになって結構です。
 次に、経産大臣などにお伺いをいたします。
 今、世間はコロナの問題が大変重要になっていて、なかなか日本全国では大きなテーマになっていないんですが、北海道では、新聞などでもう毎日、この記事が出ない日はないぐらい大きなテーマになっているのが、高レベル放射性廃棄物、核ごみと短く言っていますが、この核ごみの処分場をどこに造るか。
 実を言うと、正直に言うと、私は原発ゼロ派ですが、大臣のように原発を推進しようが、ゼロにしようと思っていようが、もう出ちゃったごみをどうするかというのは大変しっかり考えなきゃいけない課題ではあるんですが、このごみの処分場を北海道に造ろうという研究が、調査を、たまたま私の選挙区で二か所なんですけれども、二町村、始まっています。二十億出すよ、調査に応じるだけだったら、どんな町や村でも、活断層が走っていようが、火山に近かろうが二十億円出すよと。またこの仕組みも、こんな仕組みでよかったのかなと思いますが、取りあえず手を挙げてしまいました。地元では大きな議論、賛否両論が当然ありますし、周辺自治体も、お金は来ないしそんなものは来るしというので、大変な騒ぎになっているわけです。
 私は、北海道という自治体は先んじて条例を作っていまして、核ごみの処分場は造らせないという条例を作っているので、この条例に基づいて、まして北海道は、農業や、農林水産業、観光業というブランドも、大変大事な産業を抱えているので、この地域にこうしたものを造らせることには反対という立場で今後とも長い議論をしっかり大臣としていきたいと思いますので、今日はその第一弾として聞きたいと思います。
 この危険だ危険だと言われている高レベル放射性廃棄物というのは、出たばかりのガラス固化体のときというのはどれぐらい危ないものなんですか。

○梶山国務大臣 使用済み燃料の再処理の過程で発生します放射性廃棄物の濃度が高い廃液をガラスで固化しました、いわゆる今委員がおっしゃったガラス固化体は、製造直後、仮に真横に人間が立てば、二十秒ほどで生命に影響を及ぼすほどの高い線量が出るものであります。
 ただし、実際には人間が横に立つことは想定をされず、厚さ約一・五メートルのコンクリートで遮蔽をすれば、その外側に人間が立ち入ることも可能なレベルまで線量が下がるものと承知をしております。
 実際に、青森県の六ケ所村では、厚さ二メートルのコンクリートで遮蔽することで、ガラス固化体を二十五年以上にわたり安全に貯蔵している実績があるものと認識をしております。

○本多委員 真横に立つと二十秒で命を失うもの、これが、大体、自然界に存在する放射性物質と同様の安全性に下がるまではどれぐらいの期間がかかりますか。

○梶山国務大臣 これは、ガラス固化体の放射性を示す単位でありますベクレルでいえば、千年程度の間に九九%以上低減をし、その後、天然ウラン並みに下がるまで、地下に分布している天然ウランという前提で、平均的なものでありますけれども、数万年以上かかるものと承知をしております。したがって、長期にわたり人間の生活環境に影響を及ぼさないように、地下深く閉じ込めて隔離しておくことが必要と認識しております。

○本多委員 今、数万年とおっしゃいましたけれども、皆さんの説明では十万年という単位を使うこともありますよね。よろしいですか、それは。

○梶山国務大臣 十万年を使っている場合もありますし、我々は数万年という言い方で言わせていただいております。

○本多委員 私も調べたんですけれども、一応確認します。十万年前の日本というのはどんな状況でしたか。

○梶山国務大臣 十万年前の日本は、地上は旧石器時代ということでありますけれども、地下のプレートの動きは数百万年前からほとんど変化がなく、プレートの動きに関係する活断層や火山活動などの現象は、今後十万年程度であれば現在の傾向が継続する可能性が高いと、国の審議会などで学会から推薦を受けた専門家等が評価をしているものと承知しております。
 数万年以上を要する地層処分の安全性につきましては、活断層や火山活動などの安全性に影響を及ぼす可能性のあるリスク要因を抽出をしまして、立地で避けるべき場所は避ける、工学的設計による対応を行った上で、厳しい想定を置いたシミュレーションを繰り返すことにより安全性を確保する方針であります。これは、国際的に共通した地層処分の安全性評価の在り方、考え方であると承知をしております。
 日本のみならず、ほかの国も使用済み燃料をたくさん持っているわけでありまして、これらについては、国際標準、IAEAも含めた評価も含めてこういう技術指針があるということで、引き続き地層処分の安全性が確保されるように取組を進めてまいりたいと考えております。

○本多委員 済みません、十万年前というのは、日本は大陸とつながっていたというふうに、私、昨日調べて出ていたんですけれども、いかがですか。日本は大陸とつながっていたような時代なんじゃないんですか。

○梶山国務大臣 十万年前の旧石器時代は、地下のプレートの動きは百万年前からほとんど変化がないということで、私どもがちょっと調べた形で出ております。

○本多委員 ちょっと確認をしていただけますか。

○梶山国務大臣 私がレクを受けて答弁を用意をしてきましたけれども、本多委員と見解が異なるものであれば、これは調べさせていただきます。

○本多委員 いずれにしても、そういう時代なんですよ。
 そういうところですから、今大臣るるおっしゃいましたけれども、安全性に不安を抱くのは当然ですよね。今、目に見える原子力発電所でさえ、ああいう事故が起こって皆さん不安なわけで、これが十万年単位で安全性が分からない。
 海外の例もおっしゃいましたけれども、海外もいろいろ悩みながら工夫しているんですが、まず、決定的に、日本は全国が火山地帯、地震地帯であるという根本的な違いを認識して進めるという必要があるんじゃないですか。

○梶山国務大臣 そういうことも認識した上で、科学的特性マップにおいて適地というものを、日本の国土の大体三割という面積でありますけれども、それを出させていただいております。

○本多委員 日本の原子力行政というのは、我々も反省はあるんですよ、福島第一の事故の前のことについては。しかし、あの後、大きく反省をして、それなりに変えてきているわけなんですね。
 勝手に適地マップとか経産省が作っちゃ駄目なんですよ。きちんと第三者の独立した規制組織がどういうところは安全かとやらなきゃ私はいけないと思っているんですが、実は、この処分についての法律を作ったときに、きちんと安全規制を別法で作るとなっているんですけれども、これは原子力規制委員会で作るということでいいんですか、経産省。

○梶山国務大臣 現在、その文献調査が始まろうとしているところでありますけれども、文献調査の後に概要調査、精密調査ということになります。その上で適地を精密調査の中で決めていくという中で、それらに対する安全性というのは、そこで原子力安全委員会に様々な資料を提出をした上で規制が作られるものと承知しております。

○本多委員 更田委員長、今日、私は……(梶山国務大臣「済みません、ごめんなさい、規制委員会」と呼ぶ)原子力委員会でも何度も質疑をさせていただいて、日本の役所の中ではしっかり頑張っていただかなきゃいけない本当に役所だと思っています。
 今、当然原発には安全基準があるわけですけれども、この高レベル、十万年の放射性廃棄物の処分場には安全基準は作られていますか。

○更田政府特別補佐人 お答えをいたします。
 お尋ねの高レベル放射性廃棄物の処分に関して、現時点において規制基準に相当するものはございません。

○本多委員 どういう基準もないかなのに場所探しを始めるということは正しいですか。どちらからでもいいですけれども、お答えください。

○梶山国務大臣 先ほど申しましたように、今、文献調査が始まるということで、文献調査は、次の例えば概要調査に行く場合には自治体の意思を確認をするということでありまして、文献調査はあくまでも、物理的なことをやるということではなくて、過去にある、これまでにある文献、調査で皆さんに御理解を深めていく調査だと思っております。
 その上で、概要調査に進み、精密調査に進むような場合、場合によっては別なところ、いろいろあると思いますけれども、概要調査で特定のところが決まりそうなときに、その地域の特性を見たり、また施設等についても原子力規制委員会において規制がされるものだと思っております。

○本多委員 私、今、梶山大臣を当てたことを後悔しているんですけれども、安全の話を経済産業大臣に聞いてきたから福島の事故につながっちゃったんです、残念ながら。推進をする側が安全の話もする。だから、本当は、安全の話は梶山大臣じゃなくて委員長に聞かなきゃいけない。
 委員長、今はないと言うけれども、順次作ると言いますけれども、だんだんだんだん絞られてから基準を作ると疑わしくなるんですよ。分かりますよね、そこに合わせたんじゃないかと。何にもなくたって反対運動は起こるんですよ。だんだんだんだん絞った後に基準を作ったら、そこに合わせて作ったんじゃないかと疑念が生じるんですよ。だから、早めに作っていただきたいと思うんですけれども、いかがですか。

○更田政府特別補佐人 お答えをいたします。
 先生の御懸念については、原子力規制委員会も意識しているところであります。
 高レベル放射性廃棄物の処分につきましては、これは御承知のことと思いますけれども、平成二十七年五月に閣議決定された特定放射性廃棄物の最終処分に関する基本方針において、「将来の安全規制の具体的な審査等に予断を与えないとの大前提の下、概要調査地区等の選定時に安全確保上少なくとも考慮されるべき事項を順次示すことが適当」とされております。
 原子力規制委員会としましては、この基本方針にのっとって、少なくとも安全確保上必要とされる事項については順次示していきたいというふうに考えております。ですから、例えば避けるべき断層であるとか、そういった必要なものは、これは必要条件として公開にしていきたいと思っています。
 一方で、設備の具体的な設計等に関しましては、まだこれは定まっておりませんので、そういった構造であるとか設備の設計に関する許可基準というのは現時点で定められるものではないというふうに考えております。

○本多委員 一歩いい答弁をいただきましたけれども、私は、順次ではなくて、閣議決定は「順次」ですけれども、早い方が当然疑念を招かないわけです。だんだん絞られてから基準を作るんじゃなくて、早く基準を作ってくれないと私は心配だし、当然、来年この文献調査が終わって概要調査に進むこと、私は反対ですけれども、万が一、しっかり基準は作るということを今答弁いただいたと思います。
 この二か所は、大臣ももう御存じだと思いますが、火山には近いわ、活断層は走っているわ、どう考えても適地じゃないので、その段階でしっかりと外していただきたいと思いますけれども、これから長い議論をしっかりしていきたいと思いますので、是非よろしくお願いします。
 お二人はこれで結構です。ありがとうございました。
 さて、次に、安全保障の課題について質問をさせていただきます、防衛大臣。
 いろいろテーマはあるんですが、私、二年前に、もう三年前になっちゃうんですかね、この予算委員会で初めてぐらいのときに質問させていただいたときに、自衛官の待遇がひどいんじゃないか、何と、トイレットペーパーが足りなくて、ロッカーに自分のマイトイレットペーパーを保管をして、その都度取り出して行く、どんな困っている役所でもこんなことはないじゃないかということを岩屋大臣に言って、それは私も聞いている、すぐ直すと。わざわざ、大変自衛隊にお優しい安倍総理も、当時、すぐやると言ったんですよ。
 私、いろいろな陸自の駐屯地に行って、本多さんのおかげでという声も言っていただいたんですが、これは解決したんですか。

○岸国務大臣 先生からは、平成三十年、今からもう三年前でございますが、御指摘がございました。大変御心配をいただいた件でございますが、トイレットペーパーを含む日用品等の所要の量の確実な確保について、これは、自衛隊員は常に士気高く任務に専念していただかないと困ります、そのための基礎的なことでもあります。重要な課題であると認識をしているところです。
 トイレットペーパーを含む日用品、トイレットペーパーだけじゃないですけれども、日用品等の、隊員に確実に行き渡るように、様々な取組を進めているところでございます。具体的には、中期防においても日用品等の所要数の確実な確保を優先事項と位置づけた上で、所要数を充足する予算を確保し、定期的に状況を把握するといった取組を鋭意実施をしております。
 その結果、自費の購入等はほぼなくなりつつあるということでございますが、まだちょっと、ほぼということで、一部残っているところはあります。海上自衛隊、航空自衛隊は、トイレットペーパーの自費購入は確認をされておりません。陸上自衛隊において、同じ調査結果で、これは令和二年度の上半期の調査結果ですけれども、自費購入が確認されたのが部隊数の一・四%、一・四%の部隊でまだ一部自費購入が確認されたということですけれども、当初よりも減少し、今ほぼなくなりつつあるという状況でございます。

○本多委員 もう二年も前に質問をして大臣も総理も直すと言ったことが、私はできていると思って昨日聞いたら、びっくりして質問しているんです。そんな、空自と海自はできているけれども陸自はできていないって、そういうかわいそうなことを言うのはやめてくださいよ、日々災害派遣で頑張っている陸上自衛隊の諸君に。
 その一・七%の人に、わざわざ自費でトイレットペーパーを買うのをいつやめさせてくれるんですか。

○岸国務大臣 私も、聞いてちょっとびっくりしたところです。
 一・七、一・四%ということでございますが、いずれにしても、この原因について、そもそも組織、規模が大きいということもありますけれども、必要な日用品を部隊等に配分するのに時間が要したということがあったためではないかと分析をしているところです。
 調達方法の改善及びそれに関する施策等の周知徹底を含め、自費購入が早急に解消されるよう努めてまいりたいと思います。

○本多委員 これから順次やりますけれども、何千億というイージス・アショア後継策は、総額も分からないままどんどんどんどん膨らませながら、この一・七%って、何万人もいるんですからね、自衛官。こんな人たちにそんな思いをし続けさせている政権だということはしっかり指摘をさせていただきたいと思います。
 余りここを長くやりたくないんですけれども、もう一点。当時、同じ日に質問した、陸上自衛隊の駐屯地に自家発がなくて、私の地元の胆振東部で地震があったときに一日停電していたという話がありました。これもまだ解決できていないんですよね。

○岸国務大臣 これは、平成三十年の十二月十四日に閣議決定されました防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を踏まえまして、防衛省・自衛隊としても、あらゆる災害への対処に万全を期すべく、平成三十年度から三年間で集中的に対策を実施することといたしました。令和二年度末までに、自家発電機未設置だった施設全てに設置をされる予定であります。

○本多委員 三月末になるわけですよね。今日時点ではまだ、あのとき指摘したのに、災害で出動しなきゃいけない自衛官が、停電して真っ暗な中手探りで出動するという。何が国土強靱化なんですか。やることをちゃんとやってくださいよ、イージス・アショア後継策の前にということをしっかりと指摘したいと思います。
 一点、国土交通大臣、お待たせをしました。もう一つ、今、尖閣、大変厳しい状況になっています。ただ、私、危惧するのは、これは党内でもいろいろな議論はあると思いますけれども、こういうときに勇ましい話だけ出てくるんですけれども、基本的に、頑張っているところにしっかり予算をつけなきゃ駄目だと思っているんです。
 国土交通省の海上保安庁、大変厳しい状況で頑張っていて、いいですか、自衛隊ですらこんなことなんですよ。今、急激に人を増やして、どんな宿舎に住んでいるか、私も一度石垣島にも視察に行かなきゃいけないと思っていますよ。
 今回私たちに提示しているこの予算で、海上保安庁の予算は足りているんですか。

○赤羽国務大臣 まず、海上保安庁へのエール、大変心から感謝を申し上げたいと思います。
 まず、海上保安体制の強化につきまして、これまでの経緯をお答えさせていただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
 民主党政権下の平成二十四年九月に尖閣の三つの島が国有化されて以降、尖閣諸島周辺海域での中国海警局に所属する船舶等による活動が活発したことを受けて、平成二十四年度から二十七年度までかかりましたが、大型巡視船十隻の増強によるいわゆる尖閣領海警備専従体制を構築させていただきました。
 これに加えまして、平成二十六年度から二十八年度にかけまして、尖閣諸島周辺の外国漁船への対応をするために、規制能力を強化した巡視船を九隻追加して増強しているところでございます。
 また、更なる強化が必要だということで、平成二十八年十二月に関係閣僚会議において決定しました海上保安体制強化に関する方針、この方針に基づきまして、今、大型巡視船の整備を計画的に進めているところであり、これまで十三隻の増強に着手しているということでございます。
 こうしたことで、当初の予算の規模につきましても、令和三年度に計上している二千二百二十六億円、これは平成二十四年度から比べますと四百九十四億円増加させていただいておりまして、今回の第三次補正予算でも三百四十五億円の措置がされたところでございます。
 加えて、予算だけではなくて、職員の数につきましても平成二十八年に緊急の増員がなされまして、平成二十八年は一万三千六百二十六名でございましたが、これから毎年純増を続けていただいておりまして、今、令和三年度の定員は、増員三百八十五名、計一万四千四百二十七名となっているところでございます。
 こうしたハードとか人員は平成二十八年から特にしっかり政府として強化していただいていると思いますが、今委員御指摘のように、そういう意味で、ソフトの面、設備も古いものも多いものですから、一遍にどうしても替えることはできないので、今、多分愛情あふれるエールだと思いますが、国の領海警備のために命懸けで闘っている海上保安庁の職員が本当に誇りを持って仕事ができるようなファシリティーの面もしっかりと強化していきたい、こう考えております。

○本多委員 是非そういうところに配慮をして、今年度の予算もそうなんですけれども、来年度の予算に向けても作業をしていただきたいということを強く申し上げたいと思います。
 お帰りになって結構です。ありがとうございました。
 さて、こういう基本的なところはぶっ飛ばして何千億の計画が着々と進んでいるという話に移りたいと思います。
 昨日、共産党の穀田議員も、そもそもアショアのときのレーダーの選び方、SPY6、SPY7の選び方自体いろいろ問題があるんじゃないかという、すばらしい調査に基づく質問を聞かせていただきました。御本人の同意も得て、私も少し後追いの質問をさせていただきたいと思います。
 しかし、その前にちょっと自民党の皆さんにも聞いていただきたいんですけれども、これは何か、我々立憲とか共産党とか、野党が文句を言っている話だけではないんですよね。大臣御存じのとおり、自民党の国防議連というところの皆さん、自衛官出身の参議院議員の方、それからうちの党から自民党に行かれた非常に防衛に詳しい方とかいろいろな方が、このレーダーの選び方は本当にこれでいいのか、一回SPY7をキャンセルしても、SPY6を船に載っけているアメリカの方式をやった方が安くて、ちょっとレーダーの性能がもしかしたら、防衛省の言っていることを信じたとしても、ちょっとレーダーの性能、いろいろあるかもしれないけれども、長い目で見たらいろいろあるからこれにした方がいいんじゃないかとか、すごく強い声が、もうその参議院議員の方のツイッターとか、すごいですよ、何回も書いていて。委員会質問も読みましたけれども。それから、それだけじゃなくて、議連でもしっかり大臣に提言書が出ています。
 これは、どう読んでも今の案がいいと言っているとは私には読めません。まあ、気を遣って、与党だから。ですから、是非自民党の皆さんも、この問題、野党がけちをつけていると言わずに、しっかりともう一回議論してほしいんです。
 まず、穀田さんの質問をちょっとだけ後追いをさせていただきたいんですが、昨日、防衛省と、当時レーダーを選ぶとき、五百二十九回会っているということが明らかになりましたけれども、これの内訳、どの部署が何回ずつ会ったかというのはお調べいただけましたか。

○岸国務大臣 私が答弁いたしました接触報告、延べ五百二十九回でございますが、そこに重複した数がございます。それを省きますと四百二十三回ということでございます。複数の機関にまたがる接触が四十一回、単一の機関での接触が三百八十二回ということでございます。
 それで、この内訳ですけれども、これは五百二十九のベースでの内訳ですけれども、内局が百五十一回、統合幕僚監部が二十三回、陸上自衛隊が二百五十九回、海上自衛隊が十六回、航空自衛隊三十八回、情報本部九回、防衛装備庁が三十三回ということでございます。

○本多委員 まず、会ったこちら側はそういうことですね。
 相手側なんですよね。つまり、これは出来レースじゃないかという疑惑を感じたわけです、私も昨日、穀田議員のを聞いて。つまり、SPY6を提案しているのはミサイル防衛庁で、SPY7を提案しているのはミサイル防衛庁とロッキード・マーチン。これは、相手側にロッキード・マーチンの名前ばかりが初期から多く出ていたら、出来レースだったんじゃないかなという疑いになるので。
 あの穀田さんに行った黒塗りの書類、私も見ました、真っ黒塗りです。ですので、大臣に代わりに昨日の夜見ていただきました。どうでしたか。ロッキードばかりじゃなかったですか。

○岸国務大臣 イージス・アショアの構成品、まず、そういうことで私自身も確認をして、職員からも説明を受けたところであります。
 まず、イージス・アショアの構成品の選定に関して、防衛省のどのような職員がどのような相手とどのような時期にどのような理由により接触したかを公表することは、今後の機種選定業務を適正に行う観点から、また、国の安全を害することにつながるおそれがあることから、接触の内容の公表を差し控えることにつきましては昨日もお答えをしたとおりなんですけれども。
 いろいろな方との接触というのは当然あるわけですね。そのことでございますが、特定の一社に偏っているということではなくて、多くの企業あるいは個人、こういった方との接触のレコードというものが記録されておるところでございます。
 本件事業期間中の業界関係者との接触については、特定の者に偏ったものとなってはいないかなど、不審な、不自然な点については私も確認をいたしました。その結果、選定業務に従事している職員が特定の者と頻繁に接触をしているといった不自然な兆候というものは見られなかったということでございます。選定事務が公平かつ公正に行われたものと考えております。

○本多委員 大臣は、しっかり確認をして、ロッキードだけに偏った面会記録ではなかったというふうに御答弁になりましたけれども、いずれ明らかになってくると思いますから、しっかりと追及を続けたいと思います。
 わざわざアメリカ・ミサイル防衛庁長官が来日をして、西田整備計画局長との面談をして、ロッキード・マーチンを強硬に推していったと。この面談自体は、ずっと、昨日明らかになったわけですけれども、これまで、聞かれれば公表していた面談なんですか、それとも秘密にしていた面談なんですか。

○岸国務大臣 ミサイル防衛庁の長官との面談について、二〇一八年のレーダー等の構成品の選定の結果を公表するのが七月三十日ですけれども、その直前になります二十三日、グリーブスMDAの長官、当時のですね、が来日をして、当方の整備計画局長らと、事務方の面々と面会をしました。日米の弾道ミサイル防衛に係る意見交換を実施をしたところであります。
 この面会については、事務的なものであって、当時公表をしておりませんということでございます。

○本多委員 このとき、このミサイル防衛庁の長官がSPY7の方を使えと圧力をかけたと証言をしているOBの方がいらっしゃると、昨日、穀田さんの質問でありました。そのことを当時の山本ともひろ副大臣も裏づけているという証言がありました。
 聞き取りをしていただいていますが、当時の副大臣はどうお答えですか。

○岸国務大臣 まず、MDAとは平素から様々な意見交換を行っております。緊密に連携を取っているところでございます。実務的なやり取りについては、常に公表しているものではございません。
 その上で、MDAの長官から何か働きかけがあったかということでございますけれども、そのような、当時から、SPY7を採用するよう働きかけたというような事実はないです。あと……(本多委員「いや、副大臣」と呼ぶ)副大臣の件。大臣、副大臣、政務官、いずれもMDAの長官とは面会をしておりませんし、副大臣とも直接確認をしましたけれども、そのような働きかけは受けていないということでございます。そのことを、あったというような発言もしていないということでございます。

○本多委員 時間が来ましたので終わりますが、農水大臣、済みません、今日は質問できませんでしたけれども、私は、この間の質問のとき、大変あなたの姿勢に怒りました。
 この予算には鶏卵経営安定対策五十億円が入っています。あなた、何か調査の時期を明言しませんけれども、逆の立場になってください。大企業だけ有利な仕組みをあの大臣の下でやられて、勝手に内部で検証するのはいいですけれども、それが出ない限り、あなた、予算に賛成とか反対とかできますか。五十億円ですよ。
 だから、あの時期の答弁は全くおかしいので、しっかり衆議院の予算審議内に出してください。お願いしますよ。

○野上国務大臣 第三者委員会で、今しっかりと養鶏、鶏卵行政の公正性について検証いただいているところであります。
 迅速に行うことは当然であるというふうに思いますが、しかし一方で、拙速になってはいけない、しっかりとした調査はやらなきゃいけないと思っておりますので、時期については予断することはできないというふうに思っております。

○本多委員 出さなきゃ私は予算の賛成か反対かできない、あの予算五十億円、正当かどうか分からないということを申し上げて、質問を終わります。